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今日は何の日?■世界初の油圧アクティブサスペンション開発

1989年(平成元)年8月28日、日産自動車は操縦安定性と乗り心地の2つの性能を高いレベルで両立させる油圧アクティブサスペンションを開発し、同年11月に発売予定の「インフィニティQ45」に搭載することを発表した。本システムは、クルマや路面の状況に応じて4輪の各サスペンションを個別に作動させて車両の姿勢変化をアクティブに抑えるシステムである。
世界初のアクティブサスペンション開発
日産自動車が、1989年8月のこの日に発表した油圧アクティブサスペンションは,操縦安定性と乗心地の2つの性能を高いレベルで両立させる世界初のシステムである。

一般的なサスペンションでは、ショックアブソーバーによる減衰力は一定である。減衰力が柔らかい場合、ショックアブソーバーが速く動き乗り心地は良好だが、ロールが大きくタイヤの追従性が損なわれる。一方硬くすると、ショックアブソーバーがゆっくり動き車体姿勢は安定するが、乗り心地は悪化する。

したがって、一般的に操縦安定性と乗り心地は相反する関係となり、また運転条件によって最適な減衰力は異なる。この操縦安定性と乗り心地を両立するために、アクティブサスペンションが開発されたのだ。アクティブサスペンションでは、車速や車体姿勢、操舵角、路面状況などを検出して、状況に応じてショックアブソーバーの減衰力を自動的に最適化するのだ。

サスペンションの制御は、日産のように油圧アクティブサスペンションや空気圧で制御するエアアクティブサスペンションなどがある。1967年に登場したトヨタの初代「センチュリー」には、国内では初めてのエアサスペンションが採用されたが、機械式コイルバネをエアバネに置き替えた構造がメインで、アクティブに制御することは実施していない。
日産の油圧式アクティブサスペンションの仕組み

日産が開発した油圧アクティブサスペンションは、ドライバーの操作(ステアリング、ブレーキ、アクセル)や路面からの入力によって車両姿勢に変化が生じようとした場合、加速度(G)センサーがその変化を検知して4輪の各サスペンションを走行状態に合わせてそれぞれ個別に作動させ、車両の姿勢変化をアクティブに抑える。しかも路面からの入力は柔らかく吸収する。


パワー源としてオイルポンプを備えており、その発生する油圧で各輪のサスペンションを作動させる。たとえば、旋回時にロールが発生しようとした場合、旋回外輪側の油圧を高く、内輪側を低くすることで車両のロールを抑える。
その結果、旋回時にはロールが少ない、制動時のノーズダイブや発進時のスカット(尻下り)、うねり路等でのフワフワした上下振動が少ないなど、従来では達成できなかったレベルの優れた操縦安定性とフラットでしなやかな乗心地を両立させ、走りの性能を飛躍的に向上させたのだ。

油圧式アクティブサスペンションは、同年(1989年)11月にデビューしたインフィニティブランドのフラッグシップセダン「インフィニティQ45」に搭載された。

初代ソアラのTEMSとの違い
トヨタは、1983年2月にマイナーチェンジした初代「ソアラ」に、世界初を謳った制御サスペンションTEMSを採用した。

このシステムでは、アクチュエーターにより駆動されるコントロールロッドと一体になったロータリーバルブにオリフィスを設定。ロータリーバルブが回転し、オリフィスを開閉することにより、オイルの通過する量が変わり、減衰力を2段階に切替え、乗り心地および操縦安定性の向上の両立を図るのだ。

TEMSは、ダンパーの減衰力のみを電子制御で2段階に制御する、低コストで実現できるセミアクティブと位置付けられる。

さらにトヨタは、1991年5月にデビューした3代目「ソアラ」で、油圧によって作動するアクチェーターを4輪に配置し、油圧をアクチュエーターで制御する、コイルスプリングを使わない、進化させた完全なフルアクティブサスペンションを採用した。
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その後、電子制御可変ダンパーシステムは日産では「IDS(インテリジェント ダイナミックサスペンション)」、トヨタ(レクサス)は「AVS(Adaptive Variable Suspension System)」へと進化。ただし、進化したもののコストが通常のサスペンションの2倍程度はかかるため、また油圧ポンプやコンプレッサーが必要なため燃費の悪化を招く。したがって、採用は一部の高級車にとどまっている。
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