これまで高級パーソナルEV(AirやGravityなど)に特化してきたLucidが、SDVアーキテクチャの強みを活かし、B2Bの自動運転フリート(モビリティ・アズ・ア・サービス領域)へと一気に事業モデルを拡張したのが注目点。OEMが単なる「ハードウェアの供給元」ではなく、ソフトウェアとインフラを統合する「プラットフォームの共創パートナー」として欧州MaaS市場に大規模参入する画期的な動きである。

「シェア型自動運転モビリティは、当社の独自の技術を一般消費者向け車両以外にも拡大する絶好の機会です」と、LucidのCEOであるシルビオ・ナポリ氏は述べている。「Boltの広範なネットワークと運用ノウハウは、ヨーロッパ全域で自動運転モビリティを拡大していく上で理想的なパートナーです。両社が協力することで、卓越した顧客体験を提供できるでしょう」

「ヨーロッパにおける自動運転には、データ、ソフトウェア、車両、そして運用が、ヨーロッパの道路事情と規制に合わせて構築された一つのシステムとして機能することが不可欠です」と、Boltの創業者兼CEOであるマルクス・ヴィリグ氏は述べている。「Lucidは世界最高水準のプラットフォームを提供しており、両社は850以上の都市で10年以上にわたる運用実績とデータに基づき、車両とソフトウェアを共同で設計していきます。大規模かつ効率的に自動運転モビリティサービスを運用できるのは、Lucid以外にありません」

具体的には、Lucidのソフトウェア定義型車両プラットフォームと、Boltの欧州におけるデータ、運用インフラ、モビリティに関する専門知識を組み合わせることで、両社は大規模な自動運転モビリティサービスの開発と導入を図る。Boltは、Lucidが今後発売するミッドサイズプラットフォームの車両を基盤として、欧州の複数の都市や国で少なくとも2万5000台の完全自動運転車を展開することを目指しており、これは2035年までにプラットフォーム上で10万台の自動運転車を実現するというBoltの目標に向けた大きな一歩となる見込み。

本プログラムの一環として、両社は製品開発段階から協力し、SAEレベル4の自動運転モビリティ向けに設計された、自動運転システム(ADS)対応の車両プラットフォームを開発する。このプラットフォームには、高性能コンピューティングと標準化されたセンサー群を組み合わせた、量産対応の自動運転車リファレンスアーキテクチャおよび開発プラットフォームであるNVIDIA Hyperionが採用される予定だ。