三菱のフラッグシップSUV『アウトランダーPHEV』が、2028年にも次世代へバトンタッチするとの情報を入手した。

最大の焦点は、単なるデザイン刷新やバッテリー容量の拡大ではない。三菱が次世代の電動SUVに向けて披露した“4モーターS-AWC”の技術が、新型アウトランダーPHEVへ投入される可能性が浮上しているという。

現行アウトランダーPHEVは2021年に登場。2024年10月には駆動用バッテリーを大容量化するなど大幅改良を受け、2026年6月にも運転支援機能“三菱 e-Assist”の機能追加など商品力を高めた。2028年なら登場から約7年となり、モデルサイクルから見ても次世代型を意識する時期に入る。
では、4代目となる次期アウトランダーPHEVはどこまで変わるのか。
そのヒントとなるのが、三菱が『ジャパンモビリティショー2025』で世界初公開したコンセプトカー『MITSUBISHI ELEVANCE Concept(エレバンス コンセプト)』である。
ELEVANCEは単なるデザインスタディではない。カーボンニュートラル燃料に対応する高効率ガソリンエンジンと大容量バッテリーによるPHEVを採用し、さらにフロント左右にインホイールモーター、リヤにデュアルモーターAYCを配置。合計4基のモーターを三菱独自の車両運動統合制御“S-AWC”で制御する。
現在のアウトランダーPHEVが前後各1基のツインモーター4WDであることを考えると、大きな飛躍だ。
そこでスクープ班では、ELEVANCEで示されたデザインと技術を手掛かりに、2028年の次期アウトランダーPHEVを予想した。
ボディは現行型のスクエアで堂々としたSUVスタイルを継承しながら、フロントマスクを大幅に変更する。
中央には大型ブラックパネルを置き、その上から左右へ薄型LEDを鋭く伸ばした。さらに、その下には複数の発光エレメントを重ねた縦型ランプユニットを配置。ELEVANCEで披露された次世代“ダイナミックシールド”を、量産SUV向けに落とし込んだイメージである。
クロームパーツを大胆に使う現行型に対し、次期型では水平基調のグラフィックとブラックパネルによってワイド感を強調。バンパー下部には大型ロワグリルとアンダーガード風の処理を残し、先進的な電動SUVへ進化しても、アウトランダーらしい力強さは失わない。
ボンネットには左右から中央へ伸びるプレスラインを設け、サイドにもフロントドア付近からリヤフェンダーへ駆け上がるキャラクターラインを加えた。
一方、3列SUVとしての実用性は継承するものと予想した。大きなキャビンと広いガラスエリアを確保しながら、足元にはELEVANCEを意識した幾何学的な大径ホイールを組み合わせてみた。
◆EV航続距離106kmから、さらに先へ
パワートレインも大きな進化が予想される。
現行日本仕様は2024年の大幅改良で駆動用バッテリー容量を従来の20kWhから22.7kWhへ拡大。EV航続距離はWLTCモードで最大106kmまで伸びている。
次期型でもPHEVが中核になるとの情報があり、バッテリー容量の拡大やモーターの高出力化、高効率化が進められる可能性が高い。
そして、その先にあるのが4モーター化だ。
ELEVANCEでは前輪を左右独立したインホイールモーターで駆動し、後輪にはデュアルモーターAYCを採用する。4輪それぞれの駆動力をより緻密に制御できれば、S-AWCは現在とは異なる次元へ進化する。
もちろん、このシステムがそのまま次期アウトランダーPHEVに載ると決まったわけではない。インホイールモーターにはコストや重量、耐久性など量産車ならではのハードルもある。
現実的には従来のツインモーター方式を発展させる可能性も十分考えられる。それでも、三菱自身が次世代PHEVの技術提案として“4モーター+S-AWC”を示した意味は小さくない。
アウトランダーPHEVは、初代からエンジンだけに頼らず、モーターと四輪制御を組み合わせることで独自のポジションを築いてきた。
2028年に世代交代が実現すれば、次期型に求められるのは単なる航続距離の延長だけではないだろう。PHEVとS-AWCという三菱の得意分野を、どこまで次のステージへ引き上げられるか。
ELEVANCEで示された4モーター4WDがその答えになるのか。次期アウトランダーPHEVは、三菱の電動化技術の次の一手を示すモデルになりそうだ。


