Q11.「増しリーフ」を装着する利点は何ですか?

A. 基本、純正のリーフスプリングは3枚を重ねた構造になっています。ただしハイゼットの農用スペシャルやキャリイの農繁仕様はリーフが4枚に増やされています。荷物をたくさん積む想定で強化されているわけですね。ということで通常の3枚リーフにも1枚追加することができるんです。それがいわゆる「増しリーフ」。効果は重量物を積んでも沈み込みにくくなること。それと空荷状態では若干車高がアップすること。純正品だと10〜20ミリくらいかと思いますが、社外品はもう少し上がるモノもあるみたいです。いずれも車検はそのまま通るハズです。

Q12.リフトアップしたらオフロードも走れますか?

A. リフトアップしたらというよりは、大径のオフロードタイヤを履かせることで地上高が上がり、オフロードを走りやすくなるという感じです。たとえば純正タイヤ(145/80R12・外径536ミリ)から165/60R15(外径579ミリ)に換えた場合、タイヤが大きくなることで地上高を20ミリ以上も稼げる計算。これだけでもけっこう走破性能は変わります。リフトアップ量によってはさらに大きなタイヤも履けますし、ちょっとした林道でも走れるようになったりします。とはいえ、足まわりの構造自体はジムニーなどの本格クロカンとは違うので、そこまでの無茶はできませんよ〜。

Q13.自分でやれるメンテナンスは何かありますか?

A. リフトアップして大径のタイヤを履かせると、それだけでノーマルの軽トラよりも各部に掛かる負担は大きくなります。そのためハブベアリングなど消耗も早くなってしまいます。なのですが、それを自分で交換するというのも難しいので、普段から「音」には気を付けていて下さい。走行中にいつもは聞こえない音が出ている場合、何かが消耗していたり、劣化している可能性が高い。気付いたら早めにお店に見てもらうといいです。あとはハンドルのガタツキが大きくなっていないか、またタイヤの摩耗具合なども日頃チェックしたいところです。

Q14.見た感じ、横転しそうで怖いんですが実際のところ大丈夫ですか?

A. 普通に走る分にはまったく問題ありません。重心が上がるため、確かに可能性でいうならノーマル車両よりは横転しやすくなりますが、保安基準の安定傾斜角(車体を傾けても倒れない角度)はキープできています。実際に当店の4インチアップデモカーで計測したこともありますよ。なので高速で急ハンドルを切るなど、無茶な運転をしない限りは大丈夫でしょう。カーブを曲がる時にロールが気になる場合は、スタビライザーを装着すると低減できます。またオバフェン必須ですが、タイヤ幅を195あたりまでサイズアップすると安定感が大きく増します。

車高を4インチアップし、足元にはBFグッドリッチ・ラジアルT/Aの195/60R15を組み合わせ。それを70ミリオバフェンで収めた仕様。トレッド幅が広がったことでワイド感が出ただけでなく、走行安定性も大きく向上している。

Q15.タイヤを大きくするデメリットを教えてください

A. 確実に純正タイヤより重くなるため、加速が鈍くなります。特に発進時や坂道では力不足を感じることも多いかと思います。さらにブレーキの効き具合もややダウン。これを気にしてブレーキパッドやブレーキシューを強化タイプに換える人もいます。スピードメーターの誤差が大きくなるのも注意。タイヤ外径が大きくなるほど、表示される数値が実際の速度よりも小さくなっていきます。そのため80km/hで走っているつもりが、実際は90km/h近く出ていたなんてことも。ほかにも駆動系への負担が高まるなど、大径化のデメリットはけっこう多いです。

Q16.ベース車はハイゼットとキャリイ、どっちがいいの?

A. 現行のハイゼットとキャリイは上げ方がほぼ同じです。しかしフロントのタイヤハウスの広さに違いがあり、履けるタイヤサイズも大きく変わってきます。たとえばハイゼットならノーマル車高でも165/60R15(外径579ミリ)を履けなくもないですが、キャリイは2インチアップしても厳しい。4インチアップでようやく履けるといった感じで、大径タイヤを装着しにくいです。でも走りはキャリイがいいんですよね。低速からトルク感があり、5MT車は1速から5速までバランスよく繋がります。一方でハイゼットは3速から4速、4速から5速も離れているので、引っ張って繋がないと失速します。どちらも一長一短です。

Q17.オススメのタイヤ&サイズを教えて下さい

A. まずハイゼットから。ちょいアゲだとオープンカントリーR/Tの165/60R15が定番。ジオランダーX-ATの145R14もいいです。2インチアップだとオープンカントリーR/TやA/TⅢの165/80R14がギリギリ履けます。4インチアップはジオランダーX-ATの175/80R14。オバフェン装着ならマキシスバックショットの195R14もアリ。続いてキャリイ。ちょいアゲでは純正サイズしか履けませんが、オープンカントリーR/TやジオランダーM/Tが選べます。2インチアップなら155/65R14や165/65R14が候補。ジオランダーX-ATやM/T、オープンカントリーR/Tに設定があります。4インチアップはオープンカントリーR/TやジオランダーX-ATの165/60R15ですかね。上記銘柄だけでなく、マッドスターやグリップマックスもサイズ豊富です。

リフトアップ量に応じたタイヤサイズの目安

リフトアップ量ハイゼットキャリイ
ちょいアゲ(約30ミリ)165/60R15145/80R12
2インチ(約50ミリ)165/80R14165/65R14
4インチ(約100ミリ)175/80R14165/60R15

Q18.貨物車用のホイールじゃないと車検NG?

A.国内で流通しているホイールには、ほとんど「JWL」や「JWL-T」というマークが入ってます。これは国土交通省の安全基準をクリアした証で、乗用車向けホイールには「JWL」が、貨物車向けのホイールには「JWL-T」が刻印されます。軽トラの場合、以前は「JWL-T」でないと車検に通りませんでしたが、2014年に法改正で「JWL」マークでもいいことになりました。つまり現在は乗用ホイールでも車検OKということです。ただし、まれに「JWL-Tじゃないからダメ」とハネられる事例がいまだにあるようです。車検絡みの話ではお決まりですが、法規上ではセーフでも検査場や検査官によってアウトになる可能性があるんです。

Q19.直前直左視界の対策方法を教えて下さい

A. クルマの前側と左側に高さ1m×直径30cmのテスターを置き、それを運転席から視認(ミラーやモニター越しでもOK)できなかったらNGというやつですね。ちょいアゲでも見えなくなることもあるので、上げたら何らかの対策は必要と思った方がいいです。直前視界はモニター付きのドラレコやフロントカメラを追加する方法があります。直左視界は純正のアンダーミラーでカバーできるかと思いきや、ビミョ〜に死角になる位置もあり、検査官によってはダメ出しされます。なので当店では、他車種用の2面ミラーを左ヘッドライト上に追加して対策しています。これなら直前も直左も両方カバーできる上、見た目も大きく損なわない。最近の基準では後方検査も加わったため、バックランプが必要になるので注意が必要です。

Q20.噂の後部突入防止装置の件ってどんな感じですか?

A. 2021年9月以降に製造された軽トラは、後部突入防止の保安基準が厳しくなります。この法規はとてもややこしいのでざっくりお話します。軽トラの場合、地面からリアバンパー下縁(というかテールランプの下あたり)までの高さを550ミリ以下にしないとダメで、それを超えた場合は何らかの「後部突入防止装置」を取り付けて550ミリ以下にしてね、というものです。だいたい2インチアップしてそれなりのタイヤを履かせると550ミリ以上になるので、このあたりから対策が必要。4インチアップなら必須です。当店ではオリジナルの突入防止バーを用意して対策しています。

4インチアップ+175/80R14タイヤのデモカーで計測したところ、地面~リアバンパー下縁までは612ミリ。地面~投入防止バーの下縁は430ミリとなった。
但東オリジナルの突入防止バー。フレームの既存穴を使ってボルトオンで装着できる仕組み。ハイゼット用とキャリイ用の両方あり。価格は4万1500円。

取材協力【但東自動車】

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但東自動車株式会社

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※掲載情報は2026年6月の情報を基に編集しております。

KCARスペシャル ドレスアップガイド Vol.45 軽トラカスタムガイド No.3 より