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いすゞ・NAVi5は本当に失敗作だったのか(その3)世界初のバイ・ワイヤー技術搭載の意義と成果[1/2]

  • 2019/04/19
  • Motor Fan illustrated編集部
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NAVi5ユニット。ケース上方に、アクチュエーターユニットが搭載される。クラッチ/シフト/セレクトの3 本の油圧シリンダーがドライバーの意思を受けて作動し、その動力はユニット右に写る油圧ポンプが発生させていた。制御は8 つのソレノイドバルブが担当。メイン×1、クラッチ×3、シフト/セレクトにそれぞれ×2という配備で、クラッチは3つのバルブによって断/断保持/継/継保持の4モードを実現していた。ユニット全体ではおよそ7kgの重量。

今から30年前、いすゞ・アスカに搭載され登場を果たしたNAVi5。New Advanced Vehicle with Intelligentの頭文字をとって名付けられた同システムは、先例がなく、概念すら定まっていなかった自動制御に果敢に挑戦した意欲作だった。実現のためにはバイ・ワイヤー技術が不可欠。果たして開発陣はいかにしてNAVi5を仕立て上げたのか。

いすゞ・NAVi5は本当に失敗作だったのか(その1)世界初のバイ・ワイヤー技術搭載の意義と成果

いすゞ・NAVi5は本当に失敗作だったのか(その2)世界初のバイ・ワイヤー技術搭載の意義と成果

 古賀英隆氏は、入社以来一貫してトランスミッションのスペシャリストである。EDS:イージー・ドライブ・システムと称したNAVi5の量産化が始まった頃に、開発陣として加わったという。EDSは手作りのエアシリンダーを油圧機器のスペシャリスト・ヂーゼル機器に、制御系統をコンピューターの雄・富士通に預け、いすゞと3社で共同開発する手法をとった。そのアクチュエーターをミッションケースに載せていくのだが、巨大で重いためケースの強度がもたない。

「課長に呼ばれて『マニュアルトランスミッションの担当なんだからなんとかしろ』と言われるわけです。当時は構造解析がようやく始まった時期でして、それを利用して強度を計算するのですが、まだ精度に乏しく大きなものも作れない。仕方なく、壊れたところの周辺にパッチを充てて修正、すると当然別のところにしわ寄せがくる。だからまた修正――5回くらいは直したでしょうか」

 どうにかアクチュエーターはケースに搭載できた。結果、7kgもの重量になったという。ところが今度は試運転の段になってギヤ鳴りが生じてしまう。自動変速の動作をひとつひとつ確認していく作業が始まり、どうやらクラッチミートが若干早いということを突き止める。

「シンクロは済んでいるんです。だけど、スリーブの爪がギヤに噛み終わる前にクラッチをつないでしまっていた。シフトが完了したという信号を送るためのディテントスイッチがあるんですが、それの位置がおかしかったんです。じゃあスイッチを動かせばいいとなるんですが、ご存じスリーブの移動量なんてわずか。どのくらいのストロークでスイッチをONとするかとなっても、ちょっとしかストローク量がないわけです。結局、ヂーゼル機器に選別で仕立ててもらいました」

古賀英隆氏:いすゞ自動車株式会社 駆動商品企画・設計部 先行開発グループ シニアスペシャリスト 博士(工学)【肩書は当時のもの】

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