軽さと信頼性を武器に戦う!

ドライサンプ仕様のスーパーN2レビン

GT-Rやポルシェといったハイパフォーマンスカーを乗り継いだ末に辿り着いたのがAE86。森さんのレビンは、その軽さとダイレクトな操作感、そして“自分で操っている”というアナログなフィーリングに惚れ込み、作り上げられた一台だ。

ボディ製作は自身で手がけつつ、エンジンや制御系といった要となる部分はCBY(クリスタルボディ横浜)の小田氏に委ねるというスタイルを採っている。

搭載されるのは5.5A-G。4A-Gブロックをベースに圧縮比13.5まで高めたハイコンプ仕様で、吸気にはハヤブサ用スロットルを組み合わせ、最高出力は約220psを発揮する。

このマシン最大の特徴はドライサンプ化だ。BARNES製スカベンジングポンプによってオイルを確実に回収・供給することで、高速コーナリング時でも油膜切れのリスクを低減。さらにウォーターポンプにはEWPの電動式を採用し、クランクシャフトへの負担軽減も図っている。

冷却系も抜かりはない。アルミラジエーターを斜めにレイアウトし、通過した熱気はボンネットダクトから排出。空力性能の向上と水温の安定化を高次元で両立している。ストラットタワー前方にはワークショップ匠製のドライカーボンサイクルフェンダーを備え、軽量化と整流効果の向上にも貢献する。

足まわりは等長リンク化を実施し、ブレーキには軽量なF3用ブレンボキャリパーを採用。さらに燃料タンクもATL製の安全タンクへ変更するなど、サーキット走行を前提とした信頼性向上が徹底されている。

室内は走りに特化したレイアウトとし、ドライサンプ用オイルタンクは助手席側に設置。ミッションにはサデブ製シーケンシャルドグを採用するが、あえてパドルシフト化は行わず、ドライバー主体の操作感を重視した仕様としている。

エクステリアは前期・後期パーツを組み合わせた3ドアレビンに、CBY製エアロとオーバーフェンダーを装着。さらにリヤディフューザーを追加することで空力性能を強化した。取材時はN2規定では使用できないカーボンドアも装着されており、車重は約790kgにまで抑えられている。

「ハチロクはとにかく軽くて、自分でコントロールしている感覚が強いのが魅力ですね」と語る森さん。ドライサンプ化による信頼性向上と引き換えにフロントの重量増という側面もあるが、それも含めてセットアップを楽しむのがこのクルマの醍醐味だ。

プライベーターならではの手法で磨き上げられたこの一台は、速さだけでなく“走る楽しさ”を突き詰めた、極めて純度の高いN2仕様と言えるだろう。

「走りに振り切った30年・・・」CBY小田代表のAE86は5.5A-G仕様の最終進化形を目指す!