
作ったのは“saiさん”

昔からCB750Fourが大好きでレプリカミニの製作を決意。現在もK0を所有してツーリングに使用している。「バイクはこれで終わり」と言いつつもZ1に興味が出てきている様子。
saiさんのブログはこちら。
http://z50four.blog.fc2.com/
https://ameblo.jp/z50four/
業者が音を上げ、怒ってもこだわりを貫き通し完成!
一分の隙もないミニCBを作り上げてしまったのがsaiさんだ。実はsaiさん、このマシンの前にモンキーでCB750Fourレプリカを作ったことがあった。雑誌の表紙にも掲載されたほど話題となったが、ボルトオンパーツでレプリカを作るのには限界があった。saiさんの理想からは程遠かったのである。
ところがある日転機がおとずれる。「もし売るのなら?」という問いに「175万円」と何気なく答えたところ、なんとこれに買い手がついてしまった。売ることは考えてもいなかったので驚いたが、考えてみればこれはチャンス。売却資金を次期マシンの制作費に当てることができる。こうして過去の反省を元に、一切の妥協を排したミニCB製作に動き出すのである。

フレーム選定から始まった“本気の再現”
ベースとなるフレームの選定は重要だった。フレームのデザインですべてが決まってしまうからだ。重視したのはヘッドパイプの位置。数多い横型エンジン搭載マシンの中から選んだのはXR70のフレームだった。もちろんこのまま使うことはできない。ダウンチューブを新規に追加し、足周りを装着してCBのスタイルを忠実に再現しているかを確認してから細部の作業にとりかかった。
各部に使っているのはホンダをはじめとする各メーカーの純正パーツだ。しかし実際には車体にフィッティングしてみなければ使えるかどうかは分からない。しかも必要なパーツは旧車のものが多かったので採寸することも難しい。結果、ネットオークション等で使えそうなパーツを片っ端から購入して検討することになった。家の中は旧車のパーツで溢れ返るほど。使えそうなパーツが見つかるとサビ落としや板金などを行い、更に追加工やメッキを施したから、一つ一つのパーツを仕上げるのに大変な時間がかかっている。

4年半かけて辿り着いた“理想のカタチ”
タンクやシート、ステー類などはイチから製作。自ら採寸して図面を書き起こして製作を依頼したがsaiさんの要求は厳しかった。一度でOKが出ることはほとんどない。何度もやり直しを依頼した結果、音を上げてしまう業者が続出。中には怒って、渡していた型を壊してしまう業者もいた。それでもsaiさんは引き下がらず、相手が根負けするまで粘り強く交渉を進めていったのである。何があっても理想を形にするという強い意志があった。
結局、ミニCBを完成させるまでは4年半の年月が必要になった。注ぎ込んだ費用もCB750Four K0が1台購入できるくらい。しかしその仕上がりは、見た誰もが息を呑むほどになったのである。
次期マシンの構想を聞いたところ「もうカスタムバイクを作るのはいいです」と笑う。それくらいエネルギーが必要だったということなのだろう。しかし前作のモンキー改CBレプリカを作ったときも同じように考えていたのだ。何よりも理想のイメージを形にする喜びはsaiさんの頭の中にこびりついているはず。なにかキッカケがあったら、また凄いマシンを作り上げて、我々を驚かせてくれるだろう。

STYLING

遠目から見ると、一瞬CB750Fourかと思ってしまうほどの仕上がり。細部までの徹底したこだわりが相乗効果で高い完成度とビックバイクらしい質感を作り出している。前作ではモンキーの車体に10インチホイールを組み合わせたところデフォルメ感が大きくなってしまったので、このマシンはXR70のフレームに12インチのスポークホイールを組み合わせている。
Front footwork

ハブはCB50。ブレーキキャリパーはマグナ50用でスズキのマメタンカスタム用ディスクローターの組み合わせ。フロントフォークはモンキーR用をショート加工し、フェンダーの取り付けステーを削り落として新規に溶接。フロントホイールとシリンダーヘッドのクリアランスがギリギリなので、サスのストロークを調整し、縮んだ状態でも干渉しないようにした。フロントフェンダーはダックス用の幅を詰めて溶接し、2枚繋げて長いフェンダーを製作。ステーはファミリーバイク用のものを曲げている。
Frame & Engine

フレームはXR70。CB750Fourに似せたアンダーチューブを製作し溶接している。鉄板から切り出したエンジンマウントのステーの形と雰囲気もこだわった部分。使用されているボルト類はすべてホンダの純正パーツだ。エンジンはSP武川の124ccコンプリート。キャブレターはケイヒンでアイドリング調整のダイヤルはCB750Four K0用を移植している。
Key & Horn
ホーンは様々な中古品を集めて最も似ていたという本体にCS90用のカバーを再メッキして取り付けている。キーボックスとキーはCB750Four用だ。
Handlebar

ハンドルはミニバイク用を多数取り寄せて確認したが形状が合わず、一度カットして幅を2cm詰めて溶接。再メッキを施している。スイッチは左がCB450で右がCB750Four K0用。タコメーターはCB750Four同様にシボ塗装されたSP武川製でカバーはABSから削り出してメッキをかけている。
Head light

ヘッドライトはバンバン90用を加工。ライトステーはハンターカブ用をカットし上下を詰めて溶接したが反射板の位置が微妙にズレてしまって作り直し。ライトステーの反射板はシャリィ用。メッキを施す為にレンズを外す必要があったが分解できない構造だったのでアセトンに漬けてレンズを溶かして取り外し、本体をメッキ。その後ダックスのテールランプからオレンジの丸いレンズ部分だけを切り出して合体させている。
Exhaust


マフラーはモンキー用に販売されていたCB750Fourレプリカ。エキパイ部分は形状が合わなかったのでカットして作り直しメッキ加工。エンド部分を加工してCB750Fourのレプリカ度を更に高めている。
Rear footwork

スイングアームは当初モンキー用の角型スイングアームの流用を考えたが、CB750Fourと雰囲気が違いすぎていて却下。CB50用のスイングアームを7cmカットしている。リヤのハブはヤマハのミニトレ用でリムはPW80用。リヤブレーキのアームは鋳物で作られたヤマハのTZR125用。リヤホイールのチェーン引きはCB125用に変更している。チェーンカバーはショックの形状に合わせて鉄板から製作している。
Fuel tank

タンクは発泡ウレタンでマスターを製作。当初はCB750Fourのタンクを参考に製作しようとしたが、うまくいかなかったのでCB750Fourのタンクからパーツを切り出して小さなタンクを製作する方法に変更。タンクキャップやコックはCB750Four用を流用している。
Oil cooler


CB750Fourのヘッドをイメージして製作したケースの中にオイルクーラーを埋め込んでいる。ダミーのシリンダーフィンは機械加工を依頼したが微妙なRが出ずに何度も作り直し、最終的にフィンを一枚ずつ手仕上げで修正した。当初は使えなくなったCB750Fourのヘッドから「OHC750」のエンブレム部分を切り取って樹脂部品に固定し、メッキをかける予定だったが樹脂と金属の質感が違うことに納得できず廃案。現在の形状に落ち着いた。
Crank case cover


クランクケースカバーはFIカブ用。不必要な部分を削り落とし、溶接で穴埋め。鏡面仕上げを行った。スプロケットカバーはジョルカブ用。雰囲気がCB750Fourに似ていることに加え、偶然にもフロント側のケース・カバーとラインがピッタリ一致した。
Side cover

サイドカバーは社外品のモンキー用CB750Fourレプリカ。販売中止だったが何年も探し続けて手に入れた。ダミーのオイルキャップは缶バッジにメッキ。オイルタンクからエンジン下に伸びるCB750Fourのオイルラインも再現している。エアクリーナーケースは電気設備用の防塵ボックス。斜めにカットしてリブを作って形を整えている。エンブレムは型から独自に製作したものだ。
Seat

テールが跳ね上がったCB750Four K0のシートを再現する為にウレタンフォームでマスターを削り出し、寸法を測定してシートベースを製作。シートスポンジ裏側に赤い化粧品のパフを入れてK0の特徴である赤スポシートを再現。シートを囲むモールは図面を引いて平板で製作。シートのストッパー部分は図面を引いてワンオフ。CB750Fourと同じメカニズムになっている。
Tail lamp


テールランプはホンダCS90。ステーは集めた中古品の中から形の近いものを短くカット。リヤフェンダーはダックス用を縦にカットし幅を詰めて溶接。モンキー用のフェンダーから縁のリブ部分を切り出して溶接している。フレーム両サイドのグリップは鉄パイプを曲げて製作。もう少し小さなRにしたかったが、業者から曲げの限界だと告げられて妥協することに。展示用のダミーナンバープレートも独自に製作したものだ。
【モトチャンプ】











