ライブDIO ZXは “走り” と “ドレスアップ” を両立した名車
1994年に登場したライブDioシリーズは、それまでのDio系よりもスポーティなキャラクターを強めたモデルとして大ヒット。中でもライブDio ZXは、大径フロントディスクブレーキやハイマウントストップランプ、専用サスペンションなどを備えた上級グレードとして人気を集めた。
当時の原付カスタムシーンでは、ヤマハJOG系が“走り”のイメージを強く持っていた一方、ライブDioは滑らかなボディラインを活かした“魅せるドレスアップ”との相性が抜群。エアロ、オーディオ、メッキ、ロンホイ、派手なペイントなど、さまざまなスタイルのベースとして支持されていたのも特徴だ。
そして今回紹介する1台は、まさにそんなライブDio文化を濃縮したような存在。鮮烈なマゼンタ系カラーとゴールドアクセント、低く構えた車体、そして魅せるために作り込まれたエンジン周りが圧倒的な存在感を放っている。

ホンダ・ライブディオZX
空冷2ストローク単気筒エンジンを搭載し、クラス最高の7.2psをたたき出す(1999年以降の排ガス規制後モデルは6.3ps)。倒立風フロントフォークやアルミ製6本スポークホイール、リヤスポイラー風のハイマウントストップランプが特徴。写真は2001年モデル。
ガレージペイント・フリーダムのデモ車に憧れて製作
この車両の特徴とも言えるのが、強烈なインパクトを放つマゼンタ系カラー。オーナーのSさんによれば、当時憧れていた「ガレージペイント・フリーダム」のデモ車をイメージして再現したお気に入りのカラーリングだという。
単に派手なだけではなく、ブラックとの塗り分けやゴールドラインの使い方、そして各部アルマイトカラーとの統一感によって、“ラグジュアリースクーター”ならではの空気感を見事に再現。ライブDio特有の流れるようなボディ形状とも相まって、現代のカスタム車にはない独特の色気を感じさせる。さらに足周りにはRPMキャリパー&大径フローティングディスク、社外製ホイール、ローダウンサスペンションを投入。細部までしっかりと作り込まれている。

ガレージペイン・フリーダムによる鮮烈なキャンディピンクがインパクト抜群。ライブDio ZXらしい“魅せるドレスアップ”文化を感じさせる。
■MACHINE:ライブディオZX ■OWNER:Sさん

ハイマウントストップランプのカウル部分を50mm延長加工してボリュームアップ。インナーカウルまでしっかりとペイントされショーカーのような仕上がり。

社外製フロントフォークにRPM製ラジアルマウントキャリパーを装備。ゴールドホイールやアルマイトパーツとの組み合わせによって、足周り全体の完成度も高い。タイヤはダンロップ製TT-93GPの90/90-10サイズを履く。
エンジンチューンのスペックを共通化! 複数台所有だからこその合理的手法
外装のインパクトに目を奪われるが、このマシンはエンジン側もかなり本気仕様。ベースとなるAF35系エンジンは、オーナーが複数台所有するDioシリーズでチューニングメニューを共通化。そうするこで、セッティングデータやストックパーツを共有できるよう構築されている。これにより、予備パーツの管理やトラブル対応を効率化でき、セッティング変更時のノウハウも横展開すればOK。多頭飼いオーナーならではの、実に合理的な考え方だ。
エンジンは、マロッシ製キットによって68ccへ排気量アップ。さらにシリンダー周辺の整備性向上も兼ね、50mmロングハンガーでエンジンを後方へマウントしているのもポイント。駆動系周りを大胆に見せるスタイルとも相性抜群だ。組み合わせるチャンバーは、Kブレイン製ワンオフチタンチャンバー。焼き色の入った独特の存在感に加え、甲高い2ストサウンドがライブDioのキャラクターをさらに際立たせる。まさに“音まで含めて完成されたドレスアップマシン”と言えるだろう。

駆動系カバーを大胆にオープン化し、クラッチアウター及びリヤショックのスプリングをボディ同色でペイント。ピンクのホース類やアルマイトパーツと併せて“見せる”仕様へ。チタンカラーファンネルがレーシー。

Kブレイン製ワンオフチタンチャンバーを装着。焼き色まで美しく、ラグジュアリー仕様の車体へ強烈なアクセントを加えている。タイヤはダンロップ製TT-93GPの100/90-10サイズを履く。
当時モノ×現代パーツのミックス感がたまらない!
この車両の魅力は、単なる懐古主義で終わっていないところ。当時物の定番パーツをしっかり押さえつつ、現代パーツも自然に取り込んでいる。たとえば当時を知る人なら反応してしまうのが、デイトナ製CDI“赤箱”、RSゼロ製メーター、そしてPWKキャブレターなどだ。どれも90〜2000年代スクーターカスタムシーンを語る上で外せない定番アイテムだ。
いっぽうで、現代的なハイパフォーマンスパーツとして投入されているのがマロッシ製68ccボアアップキット。往年のスタイルを守りながらも走りは最新。さらに駆動系カバーをあえてオープン化し、ピンクのホース類やアルマイトパーツをアクセントにしており、ライブDioらしい“魅せるカスタム”を、現代目線でアップデートした1台だ。

当時物RSゼロ製130km/hメーターへオーロラフィルムを施工。各種スイッチは社外製スケルトンタイプだ。ラップ塗装風パネルや追加メーター類も含め、ゴージャスなコクピットを演出している。

ZXエンブレムにはラインストーン風アレンジを追加。細かな部分まで“魅せるカスタム”へのこだわりが詰まっている。
※この記事は月刊モトチャンプ2023年6月号を基に加筆修正を行っています
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