カスタムの方向性は十人十色。でも、それが面白い

普通、ミーティングといえば車種別で集まるもの。カブならカブ、モンキーならモンキー、スクーターならスクーターと、同じ趣味同士が集まるケースがほとんどだ。
ところが、今回お邪魔した「MINI MOTORCYCLE NUTS MEETING」通称ホットドッグミーティングは少し違う。会場には普段使いのスクーターが停まっているかと思えば、その隣にはロングフォークのチョッパーカブ。さらにサンドレーサー風のマグナ50や、究極のエンジンチューンを施したモンキー、海外製のエンジンを搭載したワンオフマシンまで並んでいる。だからこそ、「その足周りどうやって作ったの?」「このタンク、何がベース?」なんて会話が自然と生まれる。ジャンルを超えて交流できる空気こそ、このイベント最大の魅力だ。カブやモンキーをベースに、それぞれ異なるスタイルへと仕上げられたカスタムの魅力をじっくりチェックしてほしい。
断捨離でたどり着いた究極のチョッパースタイル

「要らないものは全部取っちゃえばいいじゃん!」そんな発想から生まれた潔いチョッパーカブ。ホンダ・CG125用フロントフォークやホンダ・CL90用ステム、18インチスポークホイールなどを組み合わせ、シンプルながら独特の存在感を放っている。リヤにはケップスピード製アルミスイングアームとワンオフリジッドサスを組み合わせてローダウン。ヘッドライトはコンパクトな角形のフォグランプをニ段重ねでセット。スーパーカブのサイズ感に合わせてチョイスしている。リヤホイールにはあえてフロント用のタイヤを装着。マフラーはフュージョン用のスーパーサウンドをセットしている。まだ製作途中とのことだが、その”未完成感”も含めて味わい深い一台だ。



純正加工だけでここまで魅せる!

免許を取って最初に手に入れたというプレスカブを、自分らしくじっくり育ててきた一台。ローダウンや絞りハンドル、ショートフェンダー化など、基本は純正パーツを加工して製作。フロントフォークはバネ抜きの超ローダウン加工。タイヤが当たらないギリギリの低さにセット。小型ウインカーを埋め込んで、リヤフェンダーはショート加工をした上でプレスラインをスムージング。テールランプはワンオフのシートに埋め込まれている。ブラウンメタリックのラメ塗装や細かなスムージング処理など、派手ではないけれど作り込みの丁寧さが伝わってくる。高価な社外パーツを並べるだけがカスタムじゃない。そんなメッセージを感じるマシンだ。



1940年代のサンドレーサーをミニサイズで再現!

4Lモンキーのタンクを組み合わせたこのマシン、ベースはなんとマグナ50。1940〜50年代のアメリカ西海岸の砂浜で行われていたサンドフラットレースをイメージし、前後異径ホイールやクラシカルな足周りを製作。エンジンはSP武川Rステージで106cc化され、ケーヒン製FCRキャブレターも装着済み。マフラーはワンオフだ。ハンドルはエイプの純正ハンドルに樽型グリップの組み合わせ。クラシカルな雰囲気だがメーターはデイトナのデジタルをチョイス。汎用のサドルシートをワンオフ加工して取り付けているのもユニークだ。ちっちゃいピリオンシートがお尻をしっかりサポートしてくれる?小さな車体ながら、ホットロッドのような迫力を感じさせる。




ドラッグレーサーをそのまま小さくしたようなJAZZ

ジャズ50をベースに、フレームをリジッド加工。さらにガーター風フロントフォークを組み合わせ、ロング&ローのスタイルを実現した。ホイールにはCRF50やジョルカブ用など異なる車種のパーツを巧みに流用。リヤに四輪用バイアスタイヤを組み合わせることで、まるでミニチュアのドラッグレーサーのような雰囲気を醸し出している。自由な発想こそ、カスタムの醍醐味だ。




サイバーパンク感あふれるモンスターカブ

「本当にカブ!?」と思わず声が出そうになる存在感。ホンダ・NS-1用ホイールにホンダ・エイプ用フロントフォーク、Gクラフト製アルミスイングアームを連結した超ロング仕様。そして心臓部にはタイのGPX125エンジンを搭載する。極めつけは銅配管によるオイルライン(冷却効果アリ?)。ハンドルは調整可能なセパレートタイプをチョイス。スーパーカブとはミスマッチなメカメカしさが独特の雰囲気を生む。まさにワンオフカスタムの世界だ。



誰もが一度はやってみたい、フルカスタムモンキー

限定カラーのモンキーをベースに、最高峰のパーツを組み合わせる。社外製パーツが多いモンキーだけに、時間と予算が自由に使えるのならば一度は憧れるカスタムスタイルではないだろうか。そんなモンキーカスタムの王道を、現代の技術で徹底的に突き詰めた一台がコレ。オーヴァーレーシング製OV-37フレーム&マフラーにスペシャルパーツ武川製124ccコンプリートエンジン、デスモドロミックヘッド、ケーヒン製FCRキャブレター、5速ミッション、乾式クラッチほか夢のようなパーツ構成。モンキーらしさを残すためにあえて8インチスタイルを守っているのもオーナーのこだわりだ。ブレーキ&クラッチマスターはラジアルをセット。オイルクーラー、ラインはアクティブ製を採用。見ても走っても飾っても満足できる情熱を注いだモンキーである。




マシンを育てる楽しさはハーレー以上!

フレームをリジッド化し、前後8インチホイールを組み合わせた極小チョッパースモンキー。ハーレー純正ヘッドライトや低くマウントされたタンクなど、小さな車体に大人の遊び心がぎっしり詰まっている。驚くほど短いハンドルも、このスタイルだからこそ似合うポイント。タンクは純正を加工して低い位置に取り付け。ドロップしたハンドルは驚くほどショート。取り回しが辛そうだけど、走り出してしまえばそれほど気にならないんだとか。オーナー曰く、「育てる楽しさはハーレー以上です」という言葉にも納得の一台だ。



こういう場所があるから、マシンが集まる
紹介した7台は、どれも方向性がまったく違う。でも共通していたのは、「好きだから」というオーナーたちの熱量だった。そんな自由なカスタム文化を支えているのが、会場となる横浜の「GREEN NUTS YOKOHAMA」。週末だけ営業するホットドッグショップを中心に、アパレルや植物、古着なども並ぶ、まるでアメリカ西海岸のガレージのような場所だ。カブでもモンキーでもスクーターでも、もちろんノーマル車でも大歓迎。次回の「MINI MOTORCYCLE NUTS MEETING」通称ホットドッグミーティングは2026年6月14日開催予定。今回紹介したような個性的なマシンはもちろん、新しい仲間との出会いも待っているかもしれない。自由参加だし見学だけでも良いだろう。ホットドッグとコーヒーを楽しみながら過ごす週末もいいもんですよ。

■MINI MOTORCYCLE NUTS MEETING
125cc以下のバイクが集うイベントを開催中。11時から14時まででいつでも参加できて帰るのも自由。ジャンルは問わないので、誰でも気軽に参加できるよ。
GREEN NUTS YOKOHAMA


LOCATION:神奈川県横浜市神奈川区羽沢町540-11
OPEN:11:00~18:00(金土日祝のみ)
ACCESS:羽沢横浜国大駅徒歩15分
PARKING:有り
https://greennuts-yokohama.com/ 最新情報はインスタグラムから
※この記事は月刊モトチャンプ2025年9月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】