「渋谷や原宿で若者がカブに乗っている」その一言から始まった
配達(昭和44年生まれの筆者的にはデリバリーなんて言葉は似合わない)等々、実用車のキングであるスーパーカブだったが、1997年に前後14インチホイールのリトルカブが誕生するなど、ホンダはオシャレなカブを若い世代に向けて提案。これが見事に的中した。かどうかは分からないが、確かにその兆しはあった。
というのも1998年の中頃、編集会議中に「渋谷や原宿で若者がカブに乗っている」などと“妙なこと”を言ったヤカラがいた。おいおい、庶民の足であるはずのカブが、“世界の情報の発信源”と呼ばれた渋谷や原宿でだとぉー!? これに興味を持った編集長の鶴の一言で、同年11月号ではカブ特集を組むことになるのである。
編集部全体としてもカブ特集は実験的。つまりどこのバイク専門誌もメイン企画として扱わなかったので、かなりの挑戦であったと記憶している。
カメラをぶら下げ渋谷・原宿へ! “ストハン”したらカブ乗りだらけだった
我々編集部員は早速カメラをぶら下げ、バイクや電動アシスト自転車に乗って渋谷・原宿方面に繰り出し、街ゆくカブユーザーがいたら片っ端から声がけして撮影・取材するストリートハンティング、略して“ストハン”を敢行。
筆者は「本当にいるの?」と懐疑的だったが……いるわいるわ。ストリートにはスーパーカブやリトルカブ、中にはレトロなハンターカブに乗った若い男子たち(たまに女子も)が盛りだくさん。
実用車からカスタムベースへ! カブの楽しみ方が一気に広がった
カブ特集号の売れ行きは好調で、読者や関係者からの評判も上々。以降、定期的にカブを特集した。
やがてモトチャンプで紹介したカブ改を手本に、カスタムするユーザーが増加。カブはアイデアと工夫次第で、自由自在に七変化する無限大の可能性を示した。これらはプロやセミプロなど、ハイエンドなカスタマーたちへの創作意欲に火を点けるきっかけにもなった。
近年はキャンプの人気などと重なり、スーパーカブの兄弟車であるクロスカブやCT125ハンターカブの人気が急上昇。維持費の安い原付二種は、バイクから遠ざかっていた40代や50代のオジサン層、またこれまでバイクに縁のなかった人々にまで広がったのも印象的だ(筆者の親戚のオジサン2名もCT125ハンターカブのオーナー)。
時代の流れに合わせ、今後も“庶民の足”として多角的に活躍して行くであろうカブシリーズの未来に拍手!
WRITER|ぺー
※この記事は月刊モトチャンプ2025年8月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】

