“見た目大事!” CT110の面影が遊び心を刺激する
CT125ハンターカブが多くのライダーを引きつけた理由を考えると、まず外せないのがこのスタイルだろう。大きなリヤキャリア、アップマフラー、サブフレーム、アンダーガード、ライディングポジション……。かつてのCT110を思わせるディテールを散りばめながら、現代の125ccモデルとしてまとめ上げられている。見た目って、やっぱり大事なんだと感じさせる。
初代(型式JA55)は2020年6月に登場。スーパーカブC125系のフレームをベースにしながら、ヘッドパイプ周りやピボット部などを強化。最低地上高165mmを確保し、トップブリッジまで伸びるフロントフォークやアップハンドルなどを組み合わせることで、トレッキングまで幅広く楽しめる車体に仕立てられた。生産はタイで、タイでも販売されている。

スーパーカブC125系のフレームをベースに、ヘッドパイプ周りやピボット部などを強化。見た目だけの“アウトドア仕様”ではないところにHondaの本気を感じる。
HISTORY OF THE HUNTER CUB|ハンターカブのルーツ
CT125ハンターカブは2020年に突然生まれたわけではない。その源流をたどると、北米市場で生まれたトレール系カブへ行き着く。ブロックタイヤ、大型キャリア、タフな足元など、現在につながる考え方はかなり昔から存在していたのだ。
1962年 C105H

ブロックタイヤや大型リヤスプロケットなどを装備した北米向けモデル。カブをベースに、舗装路だけに縛られない遊び方へ振ったハンターカブのルーツのひとつだ。
1981年 CT110

CTシリーズの代名詞ともいえる存在。排気量を105ccへ拡大してパフォーマンスを高め、オーストラリアでは2012年まで生産が続いた。日本でも一部ショップによって輸入され、独特のスタイルでファンを増やしていった。日本でも販売された。
2020年 CT125・ハンターカブ

CT110以来およそ40年ぶりに、“ハンターカブ”が125ccモデルとして復活。アウトドアブームとも重なり、一気に人気モデルへと駆け上がった。2020年度の年間販売計画台数は8000台だったが、2022年度には1万4000台へ拡大されている。
キャンピングカーで山へ! 稀少な当時カタログに見る“守備範囲”の広さ
北米のカタログを見ると、キャンピングカーにCTを積んで山へ出掛けたり、水しぶきを上げながら川を走ったりと、遊び方のスケールがとにかく大きい。バイクを目的地まで運び、そこからさらに自然の中へ入っていく。そんな使い方を見ると、CTシリーズが単なる移動手段ではなく、“遊びの道具”として根付いていたことが伝わってくる。
いっぽう日本でも、山の多い土地柄を背景に、未舗装路や険しい道へ入っていける走破性は大きな魅力だった。狩猟など実用的な用途に使われることもあったとされ、現在のCT125よりずっと“働く道具”に近い場面でも活躍していたようだ。川を渡るような走行シーンまでカタログでアピールされていたのも、当時ならでは。現在は環境への配慮から、そうした使い方を積極的に打ち出すことはないが、悪路に強く、遊びから実用まで幅広く使えるというCTシリーズの性格は、今のハンターカブにもつながっている。

水しぶきを上げながら川を走り抜けるCT110。当時はこうした走破性そのものが、大きな魅力としてアピールされていた。

キャンピングカーや小型飛行機!にバイクを積んで山へ。目的地まで運び、そこからさらに遊ぶ。北米らしいダイナミックな使い方だ。

荷物を積んで自然の中へ。レジャーだけでなく、山での実用も想像させるCTらしい一枚。
現行JA65は熟成しまくり! 遊べる装備も充実
2022年には新エンジンを搭載したJA65型へ進化。ロングストローク化によって最高出力は8.8psから9.1psへ向上しながら排出ガス規制にも対応した。さらに5段階のプリロード調整が可能なリヤショックや、リヤキャリア裏へのアクセサリー取り付け用ボルト穴など、使い勝手も着実にアップデートされている。
現行JA65の123cc空冷4ストロークOHC単気筒エンジンは、最高出力9.1ps/6250rpm、最大トルク1.1kgf・m/4750rpmを発揮。全長1965mm、全幅805mm、全高1085mm、シート高800mm、最低地上高165mm、車両重量118kg、燃料タンク容量5.3Lというスペック。WMTCモード燃費は66.9km/Lだから、単純計算で350km以上無給油で走れる。

気軽な街中から荷物満載のキャンプツーリングまで付き合いやすいのがCT125ハンターカブの素敵なところ。123ccエンジンは最高出力9.1psを発揮して、低回転からトルクフルにグイグイ走る。
【ココがHUNTER①】とにかくデカい! 大型リヤキャリア
スーパーカブやクロスカブと比べても目立つのが、縦477×横409mmの大型スチール製リヤキャリア。4カ所の荷掛けフックを備え、キャンプ道具やボックスなど積載スタイルを考えるだけでも楽しくなる。

縦477×横409mmの大型キャリアを標準装備。荷物を積んだ姿までサマになるのがハンターカブだ。
【ココがHUNTER②】吸気口まで高い位置に!
フレッシュエアの取り入れ口は、ダクトを介してリヤキャリア下の高い位置に配置される。目立つ装備ではないけれど、こうした機能面からもトレッキングを意識した設計が伝わってくる。

吸気口を高い位置へレイアウト。パッと見では分からない部分にも“ハンター”らしい機能性が隠れている。
【ココがHUNTER③】アップマフラーで高い走破性を実現!
車体右側を高い位置で通るアップマフラーも、CTシリーズらしさを決定づける装備。アップレイアウトとすることで、最低地上高を稼ぎ(165mm)、走破性がアップしている。トレールモデルのDNAを感じさせるだけでなく、現行CT125のシルエットを特徴づける重要なポイントだ。

大型ヒートガードを備えたアップマフラー。ひと目でCT125ハンターカブと分かるアイコン的ディテールだ。
2026年モデルは全3色! 価格は49万5000円
2026年2月発売モデルではカラーリングを変更。アステロイドブラックメタリック、マットフレスコブラウン、グローイングレッドの3色展開となり、メーカー希望小売価格は49万5000円(税込)。型式は8BJ-JA65を継続している。



左からアステロイドブラックメタリック、マットフレスコブラウン、グローイングレッド。
最後に。CT125ハンターカブの魅力はスペックだけでは語り切れない。荷物を積みたくなる。知らない道へ入りたくなる。遠くまで走ってみたくなる。そんな“遊びたいスイッチ”を押してくれるところが、このバイク最大の魅力なのかもしれない。CT110から続くトレールのDNAは、ちゃんと今も生きている。
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※この記事は月刊モトチャンプ2025年8月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】