ベネリのバイク? いいえ電動自転車です! 前輪駆動の折りたたみ式電動アシスト自転車|大阪・東京モーターサイクルショー2023

いよいよ2023年4月から努力義務となる自転車乗車時のヘルメット着用。過去にはバイクもヘルメットを着用せずに乗れた時代があり、今後はさらに制度が厳しくなりそうだ。そこで改めて電動アシスト自転車に注目してみた。

PHOTO&REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
ベネリminiFord16。

ベネリといえば1911年にイタリアで創業したバイクメーカー。戦後にも数々の名車を生み出したが、日本車勢の台頭により経営が悪化。1988年に長い歴史の幕を下ろした。その後1996年に復活すると2000年代には大型モデルまでリリースして、現在は中国企業の傘下に加わっている。紆余曲折あり近年は中国生産モデル主体のラインナップになっているが、その中に電動アシスト自転車があることをご存じだろうか。miniFoldと呼ばれる折りたたみ式モデルがそれだ。

スイングアームを基点に後輪を前方へ折りたたむことができる。

miniFold16は前後ホイールに小径な16インチを採用したことで非常にコンパクトなサイズを実現。スイングアームを支点に後輪を前側へ折りたためるうえ、ハンドルポストが根元で折りたためる。後輪の上にある小さなタイヤは折りたたんだ状態で移動しやすくするための装備なのだ。特徴的なのはスタイルを犠牲にしていないバッテリーで、なんとフレーム内に収まっている。丸い筒状になっていて、取り外した時の重量は1.8kgほど。車両重量も17.6kgと電動アシストモデルとしては軽量。サドルは880から1000mmまで調整可能で、適応身長は155cm以上。気になるお値段は21万2300円(税込)。

2023年4月から道路交通法が改正され、自転車を運転するすべての人がヘルメットをかぶることに努めなければならなくなった。同乗者ももちろん同じで、児童や幼児を同乗させる場合もヘルメットの着用義務が発生する。ただし現時点では努力義務であり、未着用だとしても罰則はない。だが過去の歴史を見れば明らかなよう、70年代に自動二輪車、80年代には原付のヘルメット着用が努力義務から義務化された。これを機に原付から降りる女性が数多く現れたことも記憶に新しい。自転車のヘルメット着用も、いずれ努力義務ではなく義務となることが予測できる。自転車のヘルメット着用が義務化されれば、より楽な移動が可能な電動アシスト自転車がより普及することだろう。ベネリminiFold16みたいなデザインなら、ヘルメット姿もよく似合いそうだ。

フロントホイールにモーターが組み込まれた前輪駆動車。
フレーム後端にバッテリーを収納。
フレーム前端にヘッドライトを装着。
変速は内装3段仕様。

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著者プロフィール

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増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…