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KWオートモーティブジャパンの意義
2018年、橋本コーポーレーションがKWの現地法人という立ち位置にある「KWオートモーティブジャパン」を設立した。それを示すかのように、東京オートサロンの場では橋本コーポーレーションとは別に、独立したブースを設けるのが習わしとなった。それは単なる名前替えではない。本国と日本側との強い結びつきを示す象徴的事例だ。
KWの理念は「ユーザーごとに異なるベストアンサーを提供する」ということ。膨大なラインナップは、その理念を追い求めた結果だが、現地法人の発足はその製品力を正確に伝えるためのインフラ構築である。さらにKW本国が仕向地の環境を知り、ユーザーの声を取り入れることが重要だと捉える証でもある。実際、日本側が主導となって開発する例も見受けられる。
ストリートで味わいたい、世界最高峰の車高調
ブースに並べられた膨大なラインナップには改めて驚かされる。そのラインナップは、BMW M4 GT3に初採用されたコンペティション5Aを筆頭とするレーシングユース系、そしてV3~V5(バージョン3~バージョン5)のクラブスポーツ系、日本での装着率が高いストリートパフォーマンス系、そしてストリートコンフォートなどに大別される。
特に注目したいのがストリートパフォーマンスと括られるラインナップだ。これらは決してサーキット想定ではない。もちろん、その気になればサーキット走行に耐えうる強さを持ち、緻密な減衰力設定もできる車高調だ。しかしKWはこれらの製品を「ストリートパフォーマンス」と謳っている。
厳密には減衰力固定式のV1から、4ウェイ方式のV5までが該当する。特にV3以上には、KWの核技術であるツインチューブダンパーが採用される。V3は伸び側、縮み側の減衰力を個別に調整できるものだが、特筆すべきはきめ細かい調整幅だけではなく、この技術がもたらすしなやかな乗り味も魅力だという。
現在、ストリートパフォーマンスと謳われる一連のラインナップの中には、純正の電子制御減衰力調整機能との共存共栄を可能とするDDCプラグ・アンド・プレイやDDC ECUなども増えてきた。あるいはV3と同じ構造を持ちながら、純正車高を想定して設計されたV3レベリングという新製品も登場している。これらは決して一部のサーキット系ユーザーや、ハードなカスタムカー乗りに向けたものではない。見た目はほぼ純正のままで、気軽にKWの核技術を味わえるものである。
REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
【関連リンク】
・KWオートモーティブジャパン 公式サイト
http://www.kwsuspensions.jp/