マクラーレン・オートモーティブが次世代モデルにも受け継ぐデザインDNA

マクラーレンが掲げるデザイン哲学「Performance by Design」はモータースポーツに裏付けされたフォルム

マクラーレンは、次世代スーパースポーツにも導入される、独自のデザイン哲学「Performance by Design」の内容を明らかにした。
マクラーレンは、次世代スーパースポーツにも導入される、独自のデザイン哲学「Performance by Design」の内容を明らかにした。
マクラーレンの60年にわたるモータースポーツの伝統をベースに、個性的なスーパースポーツの歴史を紡いできたマクラーレン・オートモーティブは、独自のデザイン哲学「Performance by Design」を掲げている。それらは「Epic(エピック)」「Athletic(アスレチック)」「Functional(ファンクショナル)」「Focused(フォーカス)」「Intelligent(インテリジェント)」という、5つの基本理念で構成されている。

Performance by Design

モータースポーツというDNA

マクラーレン・オートモーティブの最高デザイン責任者を務めるトビアス・シュールマンは、マクラーレンのデザインを構成する要素として、モータースポーツが非常に重要なDNAになっていることを明かしてくれた。
マクラーレン・オートモーティブの最高デザイン責任者を務めるトビアス・シュールマンは、マクラーレンのデザインを構成する要素として、モータースポーツが非常に重要なDNAになっていることを明かしてくれた。

マクラーレン・オートモーティブが掲げるデザイン哲学「Performance by Design」は、モータースポーツ開発における成功へのアプローチと、最先端スーパースポーツを融合させたデザインを分かりやすく表現している。今回公開されたデザインアイデアは、電動化技術を含む次世代パワートレインを搭載したマクラーレンにも引き継がれていることになる。

マクラーレン・オートモーティブの最高デザイン責任者を務めるトビアス・シュールマンは、マクラーレンのデザインについて次のように説明を加えた。

「モータースポーツは私たちのDNAに深く根付いており、美しさはパフォーマンスのあくなき追求から生まれます。私たちは60年にもおよぶマクラーレンの歴史から、様々なインスパイアを受けていますが、だからと言って過去に安住しているわけではありません」

「マクラーレンの60年にわたるモータースポーツのヘリテージをベースに、私たちは革新的かつ超軽量スーパーカーへと昇華させています。新しい時代、新しいクルマ、様々なプロダクト、そして その中心にあるのが『Performance by Design』なのです」

マクラーレンを構成する5つの重要理念

マクラーレンは、次世代スーパースポーツにも導入される、独自のデザイン哲学「Performance by Design」の内容を明らかにした。
デザイン方針「Performance by Design」を体現するのが「Epic(エピック)」「Athletic(アスレチック)」「Functional(ファンクショナル)」「Focused(フォーカス)」「Intelligent(インテリジェント)」という5つの理念。それは、現行モデルのコクピットなどにも採り入れられている。

マクラーレン・オートモーティブが掲げるデザイン哲学「Performance by Design」を体現するのが、5つのデザイン理念。「Epic(エピック)」「Athletic(アスレチック)」「Functional(ファンクショナル)」「Focused(フォーカス)」「Intelligent(インテリジェント)」となる。

「Epic(エピック)」は、エモーショナルなエクステリアデザインを意味し、F1、Can-Am、GTマシンなどから影響を受けてデザインへと昇華される。マクラーレン F1のセンターシートポジション、ソーラス GTのジェットファイタースタイル・スライディングキャノピー、765LTの4連排気フルチタンエキゾーストシステムなどが、その一例となる。

「Athletic(アスレチック)」は、引き締まった逞しいボディワーク。マクラーレンのスポーツカーは空力効率の最大化と軽量化により、パフォーマンスを向上させてきた。高性能パワートレインとシャシーコンポーネントの効率的なパッケージングこそが、マクラーレン製モデルでは必須となる。

「Functional(ファンクショナル)」は、運動性能と超軽量の兼備。テクニカルな要素を前面に押し出し、デザインとエンジニアリングの融合を実現する。例えば、マクラーレン・セナやP1のようなアルティメットシリーズに見られる最先端のエアロダイナミクス、新型アルトゥーラ スパイダーや750Sのダブルスキンドアのクーリングシステムが「ファンクショナル」にあたる。

「Focused(フォーカス)」は、パフォーマンスを追求した設計と究極のドライビングポジション、優れた視認性の追求。アナログとデジタルが完璧に融合したインフォテインメントシステムなどは、触れるもの、見るもの、感じるものの全てが、究極のドライビングエクスペリエンスに直結していると言えるだろう。

「Intelligent(インテリジェント)」は、軽量素材を使用した車両開発。マクラーレンは常に新たな素材を開発し、軽量化、耐久性、持続可能性を向上させてきた。

Can-Amから受け継がれるパフォーマンスライン

マクラーレン製スポーツカーのサイドセクションに流れるパフォーマンスラインは、Can-Amを戦ったマクラーレン M8Aから、現在まで脈々と受け継がれてきたデザイン要素だ。
マクラーレン製スポーツカーのサイドセクションに流れるパフォーマンスラインは、Can-Amを戦ったマクラーレン M8Aから、現在まで脈々と受け継がれてきたデザイン要素だ。

マクラーレン・オートモーティブのデザインは、マクラーレンのモータースポーツにおける豊かな歴史と、最先端のハイパフォーマンステクノロジーによって実現されてきた。

例えば、フラットで低く構えたノーズは、マクラーレン MP4/4など、伝説的なF1マシンに採用されていたサイドエアインテークからインスピレーションを得ている。このデザインエレメントは、マクラーレン F1、F1 LM、 F1 GTRの大型エアインテークに導入されており、マクラーレン 750Sに採用されたインテーク一体型の「アイソケット」ヘッドライトもその特徴を表していると言えるだろう。

マクラーレンのシグネチャーデザインを決定づけているのが、パフォーマンスライン。この象徴的なショルダーラインは、マクラーレンを象徴するCan-Amレーシングカー「M8A」、マクラーレン F1、マクラーレン P1にも受け継がれてきた。前後オーバーハングが短く、前傾姿勢のプロポーションを実現している。

マクラーレン F1から導入され、すべてのマクラーレンモデルに受け継がれているリヤビューデザイン「オープン・バック・エンド」は、放熱機能ももったマクラーレンの特徴的なデザイン要素。直線的なグラフィックと水平方向に配置されたデザインは、よりワイド感と車高を強調し、レーシングカーのようなコンパクトなプロポーションを可能にしている。

ベースとなっているのは、2018年に正式に発表された、アルティメットシリーズの「セナ」。故アイルトン・セナの名前を冠したハイパーカーである。

ビバリーヒルズの発案から誕生したフューオフモデル「セイバー」とは?【マクラーレン クロニクル】

今回のマクラーレンの中でもレアな限定車「セイバー」を紹介する。マクラーレンのアメリカ・ビバリーヒルズの発案によって、15人のカスタマーとMSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーション)の共同で製作されたフューオフモデルである。

キーワードで検索する

著者プロフィール

ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…