【東京オートサロン2025】ポルシェの様々なチューニングを紹介

空冷から最新型まで独自の進化を遂げた特別なポルシェが大集合【東京オートサロン2025】

今年も盛りに盛り上がった東京オートサロン2025。GENROQ総力取材「ポルシェ編」
今年も盛りに盛り上がった東京オートサロン2025。GENROQ総力取材「ポルシェ編」
空冷911のようなヒストリック系から最新型まで会場のいたるところにポルシェがいた。あらゆる年代がそれぞれ独特の進化を遂げるところに、ポルシェ文化の奥深さを感じる。(GENROQ 2025年3月号より転載・再構成)

PORSCHE

The Check Shop

ポルシェとともに、タイムアタックを日常に

The Check Shop
The Check Shop

トレーラーで911 GT3 RSを引っ張ってサーキットまで繰り出しタイムアタックをして帰ってくる。チェックショップの代表を務める大塚直彦氏のライフスタイルがそのまま表現されたかのようなブースだ。ブライアン・ジェームス・トレーラー(BJT)の上に乗る911 GT3 RSは、足まわりのセッティングを突き詰め、ECUチューニングを施したもの。出力性能は最高出力520hp→571hpへ、最大トルクは470Nm→525Nmへと増強された。

THE MAGARIGAWA CLUB

シンガー版レストア911ポルシェのお披露目

南房総にある会員制ドライビングクラブ「MAGARIGAWA」は今年もジオラマを展示し、ドライビングコースをアピールした。また昨年からコーンズ・モータースと提携してLAから日本に上陸したシンガー・ヴィークル・デザインが製作した911の実車が展示された。この美しい964型911は来場者から大きな注目を浴びていた。シンガーは現代技術と己の美学とでポルシェの「RE:IMAGINE(リ・イマジン)」を追求する。

MOONTECH

純正部品を維持しながら「OEMプラス」を

MOONTECH
MOONTECH

今ノリにのっているビルダーとしてムーンテックがいる。足もとのフィットメントに始まり、クルマ1台をトータルコーディネートする術に長けている。今年のオートサロンでは関係各社用を含めて9台ものクルマを製作したという。そのうち自社のブースにある964型911は内外装を徹底的にクリーンによみがえらせ、インテリアもフルレザーに。そのうえでプルームのエアサスを使って車高を落とす。これらの塩梅にセンスの良さを感じる。

BBS Japan

フォルテガの第1章がいよいよ始まった

BBS Japan
BBS Japan

重量級のSUVやBEVを見据えて耐荷重性などを充分に満足させつつ、高剛性かつ軽量で、ヴィジュアルの美しさまで突き詰めるため、BBSジャパンは「FORTEGA(フォルテガ)」という新素材技術をモノにした。それがFLという名前で市販されることになった。初回生産数は200本(50セット)で、1月10日から先行受注を開始。会場ではタイカン クロスツーリスモに装着され、サイズは前9.5J、後11.5Jの21インチだった。

Neutrale Wheels

工夫を凝らしたカスタムの決め手はニュートレイル

右のムーンテックが製作した2台の911がニュートレイルホイールブースに展示されていた。上の911はカップカーのように思えて、実は991前期型のロードカーをベースに、991.2(後期型)GT3カップへと改めたコンバージョン。足もとはニュートレイルMF7 CLが装着される。対して下の911も991の前期型。こちらはプルームのエアサスによって車高をガツンと落とし、空冷911純正ホイールをオマージュした2ピースホイールで支えている。

MCC-Complete

極限まで鍛えた者同士の絶妙なハーモニー

MCC-Complete
MCC-Complete

全身くまなくブラックアウトしただけで、992型911GT3はどこか不気味な迫力をたたえる。その中でただひとつ光り輝くのがBBSジャパン製ホイール。シトリンゴールドのFI-R Evoである。スポーク間の穴あけ加工など極限まで無駄を排した造形がGT3と調和する。前255/35ZR20、後315/30ZR21というのは純正と同じ。このコーディネートを持ち込んだのは性能を上乗せしつつ攻めたカスタムを得意とするMCCコンプリートだった。

Tokyo Custom Works

世界中から注目されるフルカーボンポルシェ

Tokyo Custom Works
Tokyo Custom Works

空冷ポルシェ911の外装パーツをインフュージョン成型のドライカーボンに置き換えたレストモッドが2台並んだ。トーキョーカスタムワークス(TCW)が日本の高い生産技術を活かしながらまとめたもの。彼らはオーダーメイド体制で車両製作から引き受けてくれる。今回はともに1981年式の911SCで、1台は3.4リッター化されるなどメカニズムにも徹底的に手が入る。それにしてもこの美しいカーボンボディは世界中からの熱い視線が絶えない。

adro

レーシングを漂わせる鮮度抜群のボディパーツ

adro
adro

2022年のSEMAショーで注目を集めたadro(エイドロ)が、今年のオートサロンで正式に日本で発表された。レーシングに着想を得た大胆なボディパーツを供給するブランドだ。今までBMWを中心に展開してきたが、今回、992型911GT3の姿もあった。ドライカーボンで成型されたフロントエアロパッケージ、サイドスカート、リヤディフューザー、リヤスポイラーウイングが装着される。HRE製ホイールとも調和したクールな仕上がりが印象的だった。

SPPF

スプレーペイントでボディを守り、引き立てる

SPPF
SPPF

SPPFとはスプレーペイントプロテクションフィルムの略称。スプレーガンを使って塗るタイプの保護塗料である。特殊塗料が乾燥する過程でボディに吸着するので、仕上がりが抜群に綺麗で耐久性も高い。実例として6台ものクルマが並べられたブースのうち、一例として取り上げたのは991型911だ。オリーブグリーンへとオールペイントしその上でSPPFを施工したものだという。その色艶と質感は、確かにSPPFならではのものだった。

TECHART

漆黒のテックアートでGT3に独特の色気を

TECHART
TECHART

992型GT3をベースとしたテックアートコンプリートは、まるでGT3系のフットワーク性と、ターボ系の高級感、グランツーリスモ性を両立したかのようだ。漆黒のボディに溶け込むフロントスポイラー、エアインテークパネル、ボンネットなどすべてカーボン。リヤまわりも多数のカーボンパーツが装着され、唯一無二の存在感に。エンブレムの類はすべてテックアートで統一。ホイールは絶妙な非対称形状を持つフォーミュラVIIレースフォージドだ。

YOKOHAMA/ADVAN

フラッグシップの懐の深さを表現

横浜ゴムのオートサロンは、いつも己の理念を色濃く示すADVAN(アドバン)一色だ。今年はグローバルフラッグシップのアドバン・スポーツを強調させた。V105、V107、Z.P.S、EVと4銘柄を展示したほか、多数のデモカーが並べられた。特に世界限定1948台の911スピードスターはアドバン・スポーツの世界観と見事なまでに調和している。アドバン・レーシングGTホイールに組まれたV107は前245/35R20、後305/30R20だった。

PANDEM/Rocket Bunny

パンデム流ワイドボディでポルシェを引き立てる

PANDEM/Rocket Bunny
PANDEM/Rocket Bunny

911は歴代すべてのモデルに固有の魅力が宿る。997型だってT.R.A Kyotoを率いる三浦 慶氏の手にかかればここまで鮮度抜群、なにより迫力満点となる。PANDEM(パンデム)と呼ばれるボディキットは、気持ちいいほど張り出した前後フェンダーが見ものだ。敢えて白一色で、ステッカーの類も一切なしというのが、むしろワイドボディの迫力を際立たせている。まるでポルシェファクトリーから出荷された純レーシングカーのようだ。

ADVAN Racing

ポルシェをリスペクトするアドバン・レーシング

ADVAN Racing
ADVAN Racing

992型911GT3RSは、純正ホイールの時点で攻めに攻めた前10.0J×20インチ、後13.0J×21インチを採用する。センターロックであることを含めてサードパーティが手を出すのは難しい領域ながら、だからこそそこに挑むのがアドバン・レーシングである。ポルシェユーザーから人気を集まる「GT for PORCHE」にGT3 RS専用サイズを設定したのだ。J数も含めてインセットも純正同様として、GTらしい美しいコンケーブを実現した。

REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)、上之園真以(Mai AGENOSONO)
PHOTO/中島仁菜(Nina NAKAJIMA)、山本佳吾(Keigo YAMAMOTO)
MAGAZINE/GENROQ 2025年3月号

今年も盛りに盛り上がった東京オートサロン2025。GENROQ総力取材「スーパーカー編」

今年のオートサロンで注目を集めた“スーパーカー”を特集【東京オートサロン2025】

スーパーカーには問答無用の迫力がある。人びとを魅了させるオーラがある。今年のオートサロンも多数のスーパーカーが集った。我々の脳裏に刻まれるこれらすべてを唯一無二の存在と括りたい。(GENROQ 2025年3月号より転載・再構成)

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中三川大地