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Rimac Nevera
より過酷な条件を求めて夜間に行われたテスト
クロアチアを拠点とする自動車メーカーのリマックは、現在開発を続けるネヴェーラの寒冷地テストを敢行。今年の冬は例外的に気温が高かったため、リマックの開発チームは気温が最も低い夜間にもテストを行った。生産仕様のデリバリーを前に、搭載されるABS、ESP、トルクベクタリングなどのシステムの微調整が行われている。
何年にもわたるシミュレーションと実走テストを経て、最高出力1914psを誇るネヴェーラはすでに米国とEUの認証試験に合格。今後数ヵ月内に、世界中のカスタマーへと引き渡される予定となっている。デリバリーに向けて準備が整いつつあるなか、すべての制御システムがあらゆる条件下で完璧に機能することを確認するため、リマックはスウェーデンへと向かい、開発ラボでの結果を現実世界で検証している。
低温下でのシステム動作チェックで磨きをかける
リマックとブガッティのチーフテスト&開発ドライバーを務めるミロスラフ・ズルンセビッチは、今回のテストについて次のように説明する。
「このような低グリップ路面でのテストは、低温下におけるシステムの動作状況など、正確なデータを取ることができます。ただ、こちらではアスファルト上とは違って、物事はゆっくりと進みますが・・・(笑)。また、このコースは均一でスムーズなハンドリングで走行できるので、路面の凹凸や温度変化の影響を受けずにデータを取得することも可能なのです。この2週間のテストの結果、まさに私たちが望んでいた結果を得ることができました」
寒冷地において行われた最後の0.1%を詰める作業
今回の寒冷地テストではネヴェーラが推奨する冬用タイヤ「Pirelli P Zero Winter」を装着して走行する絶好の機会にもなった。このタイヤはリマックとピレリが共同で開発しており、サイドウォールには専用タイヤを証明するマーキングが入れられている。
リマック・アウトモビリで独自に設計・開発したネヴェーラは、わずか150台が限定生産される。パワートレインには、最高出力1914ps・最大トルク2360Nmを発揮する120kWh・6960セルの高性能バッテリーシステムを搭載。最高速度258mph(412km/h)、0-100km/h加速1.85秒、0-100mph加速4.3秒という、圧倒的なパフォーマンスを達成し、世界最速の加速性能を持った市販モデルとして、間もなくデリバリーが開始される。
繊細なシャシーバランスをさらに調整していく
リマック・グループのマテ・リマックCEOは、スウェーデンでの寒冷地テスト完了に喜びを隠さない。
「今回の寒冷地テストは、ネヴェーラに最後の0.1%の磨きをかけ、数ヵ月後にお客様のお手元に届く時に完璧な状態でドライブできるよう、作業を行いました。2週間にわたる摂氏マイナス15度の環境下で行った厳しいテストにもかかわらず、検証用プロトタイプは終始100%の性能を発揮しています。極限の環境下でもすべてのコアシステムが確実に機能することが確認できました」
「ネヴェーラは経験豊富なドライバーでなくても、彼らと同じようにドライブでき、心から楽しめるクルマを実現したいという想いから開発されました。4基の独立したモーターを搭載した1914psのマシンで、安全かつ手応えのあるドライビングができるよう、繊細なシャシーバランスを目指してセッティングしています」