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150台のうち60%が新規顧客
ブガッティは2021年の販売台数が150台を記録した。150台の注文主のうち、じつに60%が新規顧客が占めたという。シロンシリーズが全500台の生産枠分をついに完売したのに加え、サーキット専用車のボリードも発表からわずか2週間で予約が埋まってしまうなど、ブガッティの勢いを印象づける1年となった。
2021年にデリバリーされたブガッティは、シロンのプロトタイプが打ち立てた量産車最速記録(304.773mph=約490.484km/h)に捧げる限定車シロン スーパースポーツ 300+を始め、ワンオフモデルのラ ヴォワチュール ノワール、限定40台のディーヴォの最後の1台など、エポックメーキングな個体が多くを占めた。
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの有名なヒルクライムでシロン ピュアスポーツを走らせたり、カリフォルニアの名車の祭典「モントレー・カー・ウィーク」でボリードをアンベールしたり、世界中の風光明媚な土地で顧客向けのドライブイベントを実施するなど、顧客・潜在顧客との繋がりを重視したアクティビティも積極的に敢行。さらに販売網も充実させるべく、2021年中に東京やシンガポール、中東のリヤド、英国マンチェスターにショールームをオープンしている。
112年の歴史で最も優れた販売を記録
ブガッティ-リマックのCOO及びブガッティ・オートモービルズのプレジデントを務めるクリストフ・ピオションはこう説明している。
「2021年はブガッティにとって特別な年でした。112年に及ぶ我々のブランドの歴史の中でもっとも好成績を記録し、かつ強固な基礎を築くことができたのは、2018年1月から2021年11月まで我々のメーカーをプレジデントとして率いてくれたステファン・ヴィンケルマンのおかげです」
ブガッティ・オートモービルズのセールス及びマーケティング担当マネージングディレクター、ヘンドリック・マリノフスキーも次のように語る。
「非常に才能に溢れ、やる気に満ちたチームの面々に感謝しています。私達は4年連続の成長を記録しました。ブガッティのすべてのチームの面々と、ブガッティパートナーの方々のご協力にお礼を申し上げたいと思います。そして何より、我々を奮起させ、情熱を分かち合い、ブガッティが今日あるべき姿でいられるよう力添えをしてくださったお客様ひとりひとりに心からの感謝の意を捧げます」
電動化のプロ、リマックとの“理想の結婚”
2022年、ブガッティは新たなパートナーであるリマック、そしてポルシェと共に次なる未来に向けて歩みを進めていく。リマック・オートモビリの創設者であるメイト・リマックが2021年11月にブガッティ-リマックのCEOに就任。ブガッティの次章を率いていくこととなった。電動化テクノロジーに強いリマックと、伝統的クラフトマンシップに長けたブガッティがタッグを組むことについて、メイト・リマックは次のようにコメントしている。
「これ以上に理想的な専門知識の組み合わせは他に無いと私は思います。私自身も、生まれながらのブガッティファンなのですけれども。このようなジョイントカンパニーをCEOとして率いることができるのは大変に光栄です」
チェントディエチも2022年中に全車をデリバリー
生産や品質管理のプロとしてブガッティを支えてきたクリストフ・ピオションは、今後もブガッティに求められるものづくりを守り続けるべく、モルスハイムにあるブガッティのアトリエと、クロアチアにあるリマックのキャンパス両方を監督していくことになる。
ブガッティは、2022年に最低80台の車両をデリバリーする計画を固めている。年初には最初のシロン スーパースポーツを顧客のもとへ出荷する予定であり、年内にチェントディエチの開発プロセスも完了して10台すべてを納車するという。