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Maserati Gran Turismo Folgore Prototype
次期型グラントゥーリズモは電気自動車に
マセラティは「2030年までに、全ての車種をフルエレクトリックにする」ことを目標に掲げ、電動化戦略を急ピッチで進めている。同社では100%電気で走るBEVシリーズに“フォルゴーレ(Folgore=イタリア語で稲妻の意味)”のサブネームを与えるとしており、BEVとして生まれ変わる次期型グラントゥーリズモも、「グラントゥーリズモ フォルゴーレ」がフルネームとなる。
2022年4月には、フォーミュラEのローマGP開催に合わせ、ステランティスのカルロス・タバレスCEO自らが次期型グラントゥーリズモのプロトタイプに乗ってローマの街中に築かれたサーキットに登場。開発が順調に進んでいることをアピールした。
グランカブリオと共にトリノの工場で生産
2007年に初代がデビューしたマセラティの2ドアクーペ、グラントゥーリズモは、オープンモデルのグランカブリオとあわせて2019年11月11日に生産を終了している。そのままモデルごと消滅するのでは?という噂も聞かれたものの、マセラティは「電動化し、今後もブランドの重要なポジションを担い続ける」と宣言。グラントゥーリズモ/グランカブリオの名を、電気自動車として継承していくとした。
初代グラントゥーリズモ/グランカブリオはイタリアのモデナ工場で生産されていたが、次期型モデルはミラフィオーリ工場が担当。電動化モデルに特化した製造拠点となる同工場には、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(現=ステランティス)が8億ユーロ(約941億円)を投資している。グラントゥーリズモに続き、オープンモデルのグランカブリオもミラフィオーリ工場で生産されることになる。
2023年にはレーシングフィールドへ本格復帰
次期型グラントゥーリズモを皮切りに、マセラティは電気自動車ファミリーを続々投入していく。スーパースポーツのMC20も、デビュー時点でBEV仕様を追ってラインナップに加えることがアナウンスされており、2022年3月22日に発表したばかりの新型SUV「グレカーレ」にも、1年以内にBEV仕様が加わる。
さらに、マセラティはイタリアの自動車メーカーとしては初となるフォーミュラEへのワークス参戦も発表している。シーズン9(2022年-23年シーズン)から、史上最速・最軽量・最強のフォーミュラE新型レーシングカー「Gen3」でグリッドにデビューする。MC12以来遠ざかってきたレースフィールドへの本格復帰は、変革期の最中にあるマセラティにとって大きなチャレンジのひとつといえる。
ピニンファリーナの美をまとった初代グラントゥーリズモ
グラントゥーリズモは、2007年のジュネーブ・ショーでデビュー。ピニンファリーナの引いた美しいプロポーションをまとう4人乗りの2ドアクーペは、1947年のマセラティ A6 1500の現代的解釈として誕生した。
2009年にはフランクフルト・ショーでオープンモデルのグランカブリオを追加。クーペ、カブリオともに数回のアップデートを重ねたのち、2018年に最終形となる現行モデルへ。ピニンファリーナによるオリジナルの美学を保ちながら、空力や人間工学、インフォテインメント系に改良を加えた。
さらに、2018年モデルにはSport、MCモデルを加えるとともに、16種類の外板色と14パターンのアルミホイールデザイン、9色のブレーキキャリパー、カーボンパッケージなど、様々に選択肢を拡大。40万通りを超える組み合わせを実現した。
初代のシリーズ生産台数は累計4万台超
460ps/7000rpm、520Nm/4750rpmのパフォーマンスと官能的なサウンドを発するフェラーリ製4.7リッター自然吸気V8エンジンは、ピニンファリーナによる姿態と並ぶ同シリーズ最大の魅力のひとつとされてきた。
2007年の誕生以降、2万8805台のグラントゥーリズモ、1万1715台のグランカブリオ、合計4万台超のシリーズを全世界で販売。新たにBEVとして生まれ変わる新生グラントゥーリズモにも、すでに世界中のエンスージアストから熱い視線が注がれている。