カーボンニュートラルを進めるフェラーリ、工場内の発電施設を刷新

「CO2そんなに出してていいの?」 フェラーリがカーボンニュートラルを目指す! 本社ファクトリーに高効率低公害の燃料電池発電プラントを設置

マラネッロの本社敷地内に設置された固体酸化物形燃料電池プラント
フェラーリの本社、マラネッロの敷地内に設置されたブルーム・エナジー社製、固体酸化物形燃料電池プラント。
フェラーリは2030年のカーボンニュートラル達成に向けて、イタリア・マラネッロの本社敷地内に1メガワットクラスの発電規模を誇る「固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell )」プラントを新設した。

発電効率が高く低コストな「SOFC」

マラネロの敷地内に設置されたブルーム・エナジー社製、固体酸化物形燃料電池プラント。
マラネッロに導入された固体酸化物形燃料電池プラント。発電効率が高い上に、水素以外の燃料を使うことも可能。さらに比較的低コストで設置できるというメリットもある。

フェラーリが導入した「固体酸化物形燃料電池」は、セラミックスから構成される燃料電池システム。高温排熱を活用できるため発電効率が高く、環境性能に優れた発電施設として期待されている。コンパクトかつ低コストでの設置も可能だ。

マラネッロの発電施設は、米国・カリフォルニアを拠点とする「ブルーム・エナジー(Bloom Energy)」社によって建設され、6月中に設置が完了した。この燃料電池プラントからは、フェラーリの生産活動に必要なエネルギーの5%を供給。これにより化石燃料消費量と炭酸ガスの排出量が大幅に削減される。

従来の発電システムを大きく上回る環境性能

マラネロの敷地内に設置されたブルーム・エナジー社製、固体酸化物形燃料電池プラント。
これまでマラネッロでは天然ガスによるCHPコージェネレーション・システムを使用。燃料電池を導入することで、天然ガスの使用量が20%も削減されるという。

従来使用していた、発電と熱供給を同時に行う「CHP(熱電併給)コージェネレーション・システム」と比較すると、発電に必要な天然ガスの使用量は約20%も削減。さらに、スモッグやPM2.5などによる大気中の有害物質を99%以上も削減できるという。

また、燃料として水素だけでなく、天然ガスやバイオメタン、そして複数の燃料を組み合わせて活用できることも大きなメリットとなる。フェラーリのベネデット・ヴィーニャCEOは、マラネッロにおける燃料電池プラントの導入について次のように説明した。

「フェラーリは、2030年までにカーボンニュートラルを達成するため、最先端技術の導入と科学的アプローチにを掲げ、これまで以上に努力を続けています。今回、ブルーム・エナジー社とパートナーシップを結び、欧州初となる同社開発の燃料電池発電施設を導入しました」

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