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BMW i5
1年をかけて世界中で様々なテストを実施

フランス・ミラマにあるBMWグループのテストセンターにおいて、新型BEV「i5」のサスペンション・コントロールとドライバー・アシスタンス・システムの開発テストが行われた。i5を含む新型5シリーズには、スポーツ性能と乗り心地を両立させた、革新的な「バーティカル・ダイナミクス・マネージメント(Vertical Dynamics Management)」が初採用される。
加えて、世界初となる新開発の自動化機能「ハイウェイ・アシスタント(Highway Assistant)」が導入され、視線誘導による自動車線変更が実用化される。この最新システムは前方車両との距離を自動調整し、ステアリングを自動で操作。視線誘導によって初めて車線変更を行うことが可能になった。
新型5シリーズは、スウェーデン・アリエプローグの冬季テストセンターでの氷雪路、観測した酷暑地帯、市街地や郊外のワインディングロード、高速道路や厳選されたテストトラックまで、1年以上にわたって変化に富んだテストプログラムをこなしてきた。その後、南フランスのミラマ郊外にあるBMWグループのテストセンターにおいて、走行体験に関わるすべてのコンポーネントの微調整が行われた。テストメニューはi5の駆動システム、高電圧バッテリー、インテリアのためのヒートポンプ機能付き冷暖房システム、高電圧バッテリーの熱管理システムなど、多岐にわたっている。
進化したバーティカル・ダイナミクス・マネジメント

8代目へと進化する新型5シリーズは、従来の内燃機関、プラグイン・ハイブリッドに加えて、フル電動仕様の「i5」をラインナップ。そのため、搭載するパワートレインにより車両重量に大きなばらつきが生じることになった。これを受けて、どのパワートレインでも、BMWらしいドライビングプレジャーを楽しめるよう、モデルごとのシャシーチューニングと、対応するすべての制御システムの微調整が徹底的に行われている。
ハイパフォーマンスBEVとして投入される「i5 M60 xDrive」には、電子制御ダンパーを含む「アダプティブ・サスペンション・プロフェッショナル(Adaptive Suspension Professional)」が標準搭載される。この最新サスペンションシステムは、9世代目に進化したバーティカル・ダイナミクス・マネジメントを採用。スポーツ走行でのパフォーマンスアップと同時に、先代モデルと比較して乗り心地が大幅に進化した。
アダプティブ・サスペンション・プロフェッショナルは、新型5シリーズ・セダンの全バリエーションに搭載(モデルにより標準装備またはオプションで搭載可能)。これにより、7シリーズに迫る乗り心地と、3シリーズと変わらないシャープなハンドリングを両立している。
ミラーへの視線移動でレーンチェンジが可能に

新型5シリーズには、高解像度カメラ、高精度レーダーセンサー、BMWグループが自社開発した最新のコントロールユニットを搭載。これに膨大な走行距離をこなした実走テストによって、徹底的に調整されたソフトウェア・アプリケーションを組み合わせることで、安全性と快適性を伴った自動運転システムを実現している。
米国とカナダ、ドイツ市場においてオプション設定される「ドライビング・アシスタント・プロフェッショナル(Driving Assistant Professional)」には、130km/hまで使用可能な自動運転システム「ハイウェイ・アシスタント」が含まれる。システムを起動すると、車間距離制御と車線制御に必要なステアリング入力を車両が担当。ドライバーは両手を楽な姿勢に保ちながら、車両周囲の交通状況の把握に集中することができる。
ハイウェイ・アシスタントには自動車線変更機能を搭載。世界初となる視線誘導によって、車両の操作ができるようになった。ドライバーが車線変更を希望し、交通状況が許せば、エクステリアミラーを見ることで、車両自身が車線変更プロセスを開始。必要なステアリング操作と速度調整を、最高130km/hの速度域まで行うことがでる。
新型5シリーズ・セダンの生産は、2023年夏にバイエルン州のBMWグループ・ディンゴルフィング工場で開始。マーケットへの投入は、2023年10月から行われる予定だ。