日産スポーツモデル至高の象徴を手のひらに!

トミカ × リアルカー オールカタログ / No.23 日産 GT-R

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.23 日産 GT-R (サスペンション可動/左右ドア開閉・希望小売価格550円・税込)

GT-Rは日産のスポーツモデルの象徴とも言える最高級・高性能スポーツカーで、2007年にデビューしました。以前ご紹介した、『トミカ』にもなっている『日産 GT-R NISMO GT500』の改造ベース車両でもあります。

日産 GT-R 実車フロントビュー(アルティメイトシャイニーオレンジ/2017年モデル)
日産 GT-R 実車リヤビュー(アルティメイトシャイニーオレンジ/2017年モデル)

もともと日産の高性能スポーツモデルとしては、日産の代表的な中型セダンであるスカイラインに高性能エンジンを詰め込んで作られたスカイラインGT-Rがありました(これも最終型が、以前にご紹介した、『トミカ』にもなっている『日産 スカイライン GT-R (BNR34)パトロールカー』の改造ベース車両になっています)。長らく日産の高性能スポーツモデルのトップに君臨していたスカイラインGT-Rですが、「そもそも日産を代表する高性能スポーツカーが、上質な中型セダンを目指して作られてきているスカイラインの上級車である必要があるのだろうか?」という当たり前の疑問が生まれてきました。

GT-R登場まで日産の高性能スポーツモデルとして君臨した歴代のスカイラインGT-R。

そこで「高性能スポーツカーは中型セダンのスカイラインとはもう切り離し、日産を代表する専用の高性能スポーツカーを作ろう」という考え方によって誕生したのがGT-Rです。このような経緯から、名前こそGT-Rですが、スカイラインとはまったく関係のないモデルとなっています。

GT-Rは前後重量配分が適正化された専用の『PMプラットフォーム(“PM”は“プレミアム・ミッドシップ”の略)』が用いられています。このプラットフォームはエンジンとトランスミッションをつなぐトルクチューブがない独立型トランスアクスル構造で、軽量化と振動の低減がはかられています。さらに改良版のアテーサET-S四輪駆動システムと組み合わせたことにより、世界初の独立型トランスアクスル4WD構造となりました。これにより、どんな状況でも安定して高速で走行できるようになっています。

GT-Rのシャシーとパワートレイン。

これに組み合わされるエンジンは現行モデルでは419kW(562ps)の最高出力、633Nm(64.5kgm)の最大トルクを発生するVR38DETT型、3.8ℓのV型6気筒ツインターボで、『匠(たくみ)』と呼ばれる特別に熟練した職人さんが1人で1台を担当し、手作業で組み立てられます。

GT-Rのインテリア。スポーツカーらしさが際立つ。

GT-Rは毎年進化するイヤーモデル制を採っているため、毎年ごとに細かな違いがありますが、見た目での変化が認められるのは5パターン程度で、明らかに大きく違って見えるのは2017年以前と以後です。2017年モデルからは日産車に共通するデザインのVモーショングリルが採用され、全体が細部にわたって形状変更を加えられて全長が延長されると同時に、空気抵抗、ダウンフォース、冷却性能の点で高性能化に貢献するデザインになっています。ちなみに『トミカ』の『No.23 日産 GT-R』は、この見た目が変わった2017年モデルを模しています。

そう断言できるのは、実は2009年に初期モデルを模した『No.94 日産GT-R』が発売されており、本品はこれと交代する形で登場した『トミカ』だからです。面白いことに、この『No.23 日産 GT-R』は以前の『No.94 日産GT-R』を改造した型を使うのではなく、まったく新たに型が作り起されています。また、商品ナンバーの“23”は「ニッサン」の語呂合わせとして日産のレーシングカーのゼッケンナンバーやテレビCMなどに登場する車両のナンバーなどに好んで使用されている数字です。

GT-Rの最高速度は時速300km以上。しかし公道ではスピードリミッターがかかって最高速を出すことはできない。このリミッターはサーキットなどに入ると解除される仕組みになっている。

『トミカ』の『No.23 日産 GT-R』は実車のスタイリングがよく再現されており、左右のドアが開閉するなどの遊びもあります。また、レーシングカー仕様の『No.13 日産 GT-R NISMO GT500』と並べてみるのも面白いでしょう。

日産GT-Rは時速300km以上のスピードを出せる日産最高峰のスポーツカーとして、また、数々の市販車レースで活躍しているレーシングカーとして、いまだ世界のカーファンから注目を集めており、その存在は『トミカ』ともども色あせることはないでしょう。

■日産 GT-R Pure edition (2022年モデル) 主要諸元

全長×全幅×全高(mm):4670×1895×1370

ホイールベース(mm):2780

トレッド(前/後・mm) :1590/1600

車両重量(kg):1740

エンジン形式:型 VR38DETT型 V型6気筒DOHCツインターボ

排気量(cc):3799

最高出力:404kW(550ps)/6400rpm

最大トルク:632Nm(64.5kgm)/3200-5800rpm

トランスミッション:6速AMT

サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン

ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク

タイヤ:(前) 255/40ZRF20(97Y) (後)285/35ZRF20(100Y)

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