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東京モーターショーに来日したコンチの無人運転プロジェクト責任者に訊く 自動運転の実現の鍵を握るのは実はメガサプライヤーだ! コンチネンタルの描く自動運転の一里塚

  • 2017/11/18
  • MotorFan編集部 吉岡 卓朗
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先に行われた東京モーターショーに併せて来日したコンチネンタルのシャシー&セーフティー部門無人運転プロジェクト責任者であるアンドレ・ホーム博士にコンチネンタルの描く自動運転の未来について訊いた。

電動化技術と並んで加熱する自動運転技術の開発競争にあって、ひときわ輝きを放っているのがメガサプライヤーたるコンチネンタルである。ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)が単なる車両安定制御という一義的なものから、車両統合制御に進化を遂げていく過程で、開発の主導権がOEM先である自動車メーカーの手からティア1サプライヤーに移って久しい。自動車そのものの環境性能と安全性能の両面において極端なほど高いレベルが求められる市場が増える世の中にあっては、もはや自動運転という車両単体ではどうにもならない技術開発は、ある程度サプライヤーと共同で開発していくというのは必然なのかもしれない。

すでに自動車メーカーの中には、自動運転プロトタイプ車の核となる各種センサーが、ほとんど同社製という会社もあるという。ESC同様にブラックボックス化が進む自動運転システムの構築に先鞭をつけることは、コンチネンタルにとって今後企業として順調に発展していくための最重要取り組み項目といえる遠大なプランなのである。

ところで自動運転が何をもたらすか考えた時に出るキーワードは、その人とクルマとの関わりを示すように思う。すなわち安全性の向上なのか、運転というストレスからの開放なのか、あるいはその時間を別の事にも充てられるだろう。他にも高齢ドライバーの悲劇を減らすことも重要だ。そのいずれもがわれわれ社会の豊かさにつながるのだから諸手を挙げて賛成したいところだが、各社まだまだ完全自動運転に向けた開発競争の途上である。そこでひとまず直近の一里塚として、コンチネンタルが推し進めているのが下記のクルージングショーファー、自動駐車、無人運転車などのプロジェクトである。これらはいずれもOne-Stop Shop、つまり自社グループだけでひと揃いするコンチネンタルだからこそ披露できるラインナップである。

とはいえ先に行われた東京モーターショーに併せて来日したコンチネンタルのシャシー&セーフティー部門無人運転プロジェクト責任者であるアンドレ・ホーム博士によれば、それによってコンチネンタルがサプライヤーの範囲をこえることはないという。つまり、コンチネンタルはあくまでサプライヤーとして自動車メーカーを支える立場であり、自動車メーカーの要望に応えていくというのだ。ただし、そうは言っても自動車メーカーの開発の実態はやはりメガサプライヤーに左右されることになるだろう。

Cruising Chauffeur  高速道路では運転手付きに

すでにレベル2の半自動運転車が多数市販されているが、クルージングショーファーはレベル3の技術である。高速道路の乗り換え、つまりジャンクションで他の路線にもルートをとれる。すでに今年のIAAでデモを行い、アウトバーンA648からA5への高速道路を乗り替えを披露した。もちろん利便性、快適性だけでなく、デッドマン装置と呼ばれる運転中の心筋梗塞など不慮の事態にも対応するシステムだ。2020年の生産開始を予定し、今後、一般道にも範囲を拡げていくという。

Automated Parking  自動バレーパーキング

自動駐車にはふたつのアプローチがある。ひとつはクルマの自動化。当然クルマの機能として、認知、判断、操作能力が求められる。もうひとつは駐車場そのものが自動化することだ。当然前者のほうが現実的であろう。コンチネンタルはすでにドライバーが模範運転をシステムに学習させると次回からは自動的に同じルートで駐車してくれるトレインド・パーキング機能を発表している。この単独バレーパーキングシステムがあればドライバーは自宅の玄関でクルマを離れ、あとはスマホなどでリモコン操作すると自動的に駐車できる。

Self-Driving Car  社内で実験中の無人運転車

都市部における無人運転デモ車両の提案がCUbE(Continental Urban mobility Experience)と名付けられたロボキャブである。フランクフルトのシャシー&セーフティ本部内に設定されたルートが一般道に模して用意された。標識、交差点、横断歩道、縁石などが再現されたコースで、すでにテスト走行を開始している。フランスのベンチャー企業、イージーマイル社との共同開発で、車両に採用されるセンサーの多くは、既存の運転支援システムに基づいた技術だが、無人のUberのようなビジネスモデルを目指して開発が続けられている。

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