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エネルギー損失を低減し、環境性能の向上に貢献 デンソーと京大発ベンチャーFLOSFIA、電動化車両向け次世代パワー半導体の開発で協業

  • 2018/01/04
  • Motor Fan illustrated編集部
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半導体イメージ

株式会社デンソーと株式会社FLOSFIAは、次世代のパワー半導体の材料として、コランダム構造酸化ガリウム(以下、「α-Ga2O3」)の車載応用に向けた共同開発を開始することを決定した。あわせて、デンソーがFLOSFIAのシリーズCの新株を引き受ける資本提携を実施した。

α-Ga2O3は京都大学・藤田静雄教授が世界で初めて単結晶合成に成功。5.3eVと高いバンドギャップをもち、絶縁破壊電界が大きいことなどから、従来のシリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)にかわる次世代の低損失パワー半導体材料として期待されている。α-Ga2O3を用いることで、電動化車両に搭載されるインバーターの低損失、低コスト、小型軽量化が期待でき、電気自動車など電動化車両の普及に貢献することが見込まれている。

デンソーは、2007年からハイブリッド車や電気自動車向けに、「パワーコントロールユニット(PCU)」を提供している。PCUは、電池からモータージェネレーターに流す電流を調整するインバーターなどを備えた製品で、エネルギーをより効率的に使うためには、電流を直流から交流に変換する際のエネルギー損失を抑える必要がある。そのため、デンソーは従来から低損失パワー半導体の研究開発に取り組んできた。

FLOSFIAは2011年に創業した京都大学発のベンチャー企業で、α-Ga2O3を用いたパワー半導体の事業化に取り組んでいる。2015年に世界最小のオン抵抗0.1mΩcm2のSBD(Schottky Barrier Diode)試作データを発表、2016年に新規p型半導体α-Ir2O3、2017年9月にDC-DCコンバータでの動作実証に成功するなど、世界に先駆けてα-Ga2O3の研究開発、事業化に取り組んできた。

両社はα-Ga2O3の車載応用に向けた共同開発を通じ、自動車の電動化におけるキーユニットであるPCUの技術革新を目指す。これにより、自動車の軽量化や燃費改善を推進し、環境性能の向上に貢献する。



【株式会社FLOSFIAの会社概要】
会社名 株式会社FLOSFIA(フロスフィア) http://flosfia.com
所在地 京都市西京区御陵大原1番36号 京大桂ベンチャープラザ
代表者 人羅 俊実
資本金 22億6千万円(資本準備金等含む)(2018年1月4日現在)
事業内容 α-Ga2O3パワー半導体の研究・製造・販売、各種金属酸化膜等の材料販売・成膜加工サービス

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