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牧野茂雄の【深層レポート】in-depth reporting 新能源車=NEV規制を読み解け。「テスラ100社」を夢見る中国、その勝算と現状(3)

  • 2019/06/29
  • Motor Fan illustrated編集部
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ダイムラーとBYDオートは2010年に電動車専門の自動車メーカー騰勢(DENZA)を設立した。工場は2014年に完成し、同年から市販BEVの生産を開始した。写真の「オーロラ」は約40万人民元(約600万円)で販売されている。BEV向けの補助金は国と地方政府が交付するため、車両価格の半額以下で入手できる都市もある。LiBはBYD製を搭載。

 2018年に施行された中国のNEV(ニュー・エナジー・ビークル=新能源車)規制を語るとき、もっとも重要な項目は車載2次電池だ。その代表がリチウムイオン電池(LiB)であり、この分野の覇権を握るため中国政府は「国家独占」を企てた。「中国政府が指定した電池製造業社から2次電池を購入しなければNEVクレジットの対象として認めない」という、およそ自由主義経済圏ではあり得ないローカルコンテンツ規定である。中国政府が認めた電池製造業者は、俗に「ホワイトリスト」と呼ばれる目録に掲載された。「この事業者目録の中から電池供給先を選びなさい」と、中国でNEVを生産する外資自動車メーカーに通告したのである。しかし、中国政府は突然、電池業者リストの国家管理を放棄し、業界団体である中国汽車工業協会(中汽工)に任せるという方針転換を行なった。「国は関知しない。あとは業界内でやりなさい」と。もはやホワイトリストは有名無実であり、存在意義がなくなった。果たして中国政府の思惑は何なのか。

 中国政府がNEV規制導入を正式に発表したのは2017年9月下旬。BEV(バッテリー充電式電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCEV(燃料電池電気自動車)の3タイプがNEVに指定された。規制の実施そのものは2015年に告知され、2016年9月と2017年6月にそれぞれ実施案が公表されていたが、「いつから、どのような形で実施なのか」は示されなかった。それが突然、2017年9月になって「来年から導入」「ただし罰則規定は1年免除」と発表された。驚いたのは、2017年6月時点での実施案交付から実施発表の9月までの3か月の間に「政府が認める電池製造メーカーから2次電池を購入したNEVでなければNEVクレジット対象にしない」とのお触れが出たことだ。最初の電池企業目録、「ここから買いなさい」という第1弾のホワイトリストが中華人民共和国国務院傘下の工業和信息化部(工信部)から2017年7月に発表された。

 NEV規制の経緯は、2009年策定の自動車産業調整振興計画のなかに「従来の内燃機関ではない」新エネルギー車のモデル事業を立ち上げた時点まで遡ることができる。これが2012年に自動車産業発展計画に組み込まれ、2013年から国家の補助金事業としてBEVとPHEVを生産する自動車メーカーへの補助金交付が始まった。2015年には充電インフラ整備計画がまとまり、国家予算による急速充電設備の設置が始まった。そしてこの年、中国政府は「中国製造2025」という2025年を目指した工業技術革新計画の中にNEVを組み込んだ。

 自動車メーカーに一定のNEV生産・販売を義務付けるクレジットを与え、達成できないメーカーには罰金を課すという大枠は決まっていたが、そのクレジットの設定方法について前述の工信部と国家発展改革委員会(発改委)とが対立したことでNEV規制は導入前に足踏みをすることになる。メーカーごとに義務付けるクレジット数は工信部案のほうが厳しく、逆にクレジットの取り引きについては企業間取引でいいという工信部に対し発改委は「国務院管轄の炭素取引所による実施」という政府主導案を打ち出していた。最終的には工信部案に落ち着いたが、実は中国政府主導のNEV規制には、政府内が完全に一枚岩ではないという事情がある。

寧徳時代新脳源科技:CATLのウェブサイトより

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