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コンチネンタル:動物の構造を模したキャリパー【東京モーターショー2019】

  • 2019/10/25
  • Motor Fan illustrated編集部
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芸術作品でも飾ってあるのかと思ったら、結構本気で作りこんだブレーキキャリパーの提案品。なぜこんな格好をしているのかを訊いてみた。
(S3203:Schaeffler)

 個人的な嗜好から美術館や博物館に行くことが多く、彫刻作品を見ることも少なくない。しかし東京モーターショーの会場で、いかにもそれらしいものがサプライヤーの展示物のなかに含まれているのにはどうにも違和感があった。何かを象徴するためのものなのだろうか。「いえいえ違います」と笑いながら技術者は説明する。これは軽量化と高効率化を図った次世代のブレーキキャリパーの提案品だという。

 背景として、すっかり一般化したハイブリッドパワートレインの存在があった。回生ブレーキで制動性能の大半を担うHEV(ハイブリッド車)においては、摩擦ブレーキの出番が著しく少なくなる。さらに高ストレス下で使われることも少なく、相対的に摩擦ブレーキの装置としての性能を見直せる余裕が生まれてきた。

 求められる性能を改めて見直し、それにふさわしい形状と作動はどうするべきかという問いかけに対して考案されたのが、生物の構造だった。生き物の身体は長い進化を経て現在の形状に落ち着いていて、一切の無駄がない(当方は贅肉だらけだが)。軽さと強さ、しなやかさを満足させるときに、動物の身体構造を参考にして作り上げたのがこのキャリパーだった。その名も「Bionic Caliper」である。

 ドラムブレーキの提案品も飾られていた。ドラム部の摺動面の素材はこれまでどおりだが、パネルを別体にしてアルミ合金化。大幅な軽量化を実現している。じつは摩擦ブレーキとしては決してドラムブレーキはディスクブレーキに劣っていることはなく、近年の高効率追求ムードからするとむしろ、非制動時に一切の引きずりがないことは大きなメリット。電動パーキングブレーキ機能を付与される製品も現れ始めていることから、ドラムブレーキの復権が期待されているという。本提案品には高ストレス時の熱歪みなどを検知する目的で温度センサを内包、さらなる性能の安定化を図っているのが特徴だ。

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