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あの広々スペースは、今でも欲しいと思える、これこそ "The ESTIMA" トヨタ・エスティマ(初代)1990-1999 最初で最後にしたくない ”神ミニバン" 【週刊モーターファン・アーカイブ】

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アメリカ市場を主眼に、北米ではプレビアとして登場した大きなワンボックス。エンジンを床下に格納しフラットなフロアを存分に用いた、まさに動くリビングを実現。以降のミニバンのコンセプトに与えた影響は多大だが、このパッケージを越えるものは未だ登場していない。ここでは当時を販売サイドの視点も含めてレポートする。

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

レポート=ウナミ 哲也(00年代国産車のすべて より 2012年刊)

グレーのガーニッシュ以下に、 クルマの走るための機能をほとんど収めてしまうことで、 先端から後端まで、おおよそフラットな床を実現。 日本人にとってみれば大きなリビングが増えたような嬉しさもあった。

ミニバン人気の源流は94年登場の初代ホンダ・オデッセイの登場と、爆発的な大ヒットにあると言われているが、それより4年前の90年5月に登場したのが初代エスティマ。

「トヨタの天才タマゴ」というキャッチコピーからもわかるとおり、全長4750×全幅1800×全高1780mmというタマゴ型のワイドボディが近未来イメージをかもしだしていた。メカニズムも凝っており、搭載エンジンは2.4ℓ直4となるのだが、これをミッドシップレイアウトで75度寝かして搭載した。

エクステリアのタマゴ型のモチーフに従って、メーターパネルもタマゴ型に。タコメーターもしっかり装備されているのは日本のミニバンならでは。高級車には必須との判断。

北米市場に主眼をおいた3ナンバーボディとモノグレード設定という、取り扱いディーラーのひとつであるカローラ店では「初めてのことばかり」にとまどいもあったという。当時新人セールスマンとしてカローラ店にいたA氏によると、「とにかく、いままで扱ったことのないモデルでしたので、先輩セ—ルスマンは慌てていましたね。発売前からお客さんの問い合わせが結構あったのですが、資料らしい資料がありませんでした。たまたま大学の卒業旅行でアメリカに行った際に現地ディーラーで、北米市場で先行発売されていた「プレビア(北米でのエスティマの車名)』のカタログをもらっていたので、それを営業所に持ってきて、みんなでそれを使ってセ—ルスしました。そのためかウチの営業所は発売前から結構注文をもらいましたね」とのこと。
A氏によると展示車がきたので、ボンネットを開けたら「エンジンがない!」と大騒ぎになったとか。ボンネットのなかには、バッテリー、ウォッシャータンク、ラジエタ—リザ—バ—タンクなどを配置し、日常点検が筋単にできるようになっていた。エンジンオイルに関しては、始動時にオイルパン内の油量を検知し、リザ—ブタンクから自動的にオイルを補給する、エンジンオイルオートフィーダーを搭載していた。

3ナンバーに抵抗感がなくなってき た時代とはいえ、 1700mm以下が常識 だった時代に1800mmのこのサイズは見るから にデカく感じられた。 ミニバンという クルマが一般に浸透するよりも前で あったこともあり、 街中では異彩を 放つ存在。 どう使っていいかもわか らなかったというのが正直なところ。

発売前後のお客の反応はすこぶる良かったとのこと。「とにかくエスティマ目当てでの来店客が多かったですね。私もデビュー直後に1台売りました。マツダ・ボンゴに乗っていた方で、『こんなクルマを待っていた』と実車を見てすぐに注文をもらいました」。

タマコの殻の三次曲面はインパネの曲率にも刺激を与えた。 広い室内をさらに広く見せたい意図と操作系にしっかり手が届くカタチが、 この湾曲したインパネを生んだ。

発売当初はメインカラーでオプションカラーとなる「ガーネットレッドト—ニング」に人気が集中。さらにこのカラーに「クリアランスソナー」をオプション選択すると納期が数力月先になったという。「テレビをつけたいとのことで、アンテナはどんなものになるのか? という問い合わせをもらったことがあります。当時はロッドアンテナが主流だったのですが、該当オプションが見つからずメーカーに問い合わせたらリアガラスにプリントされるとのことでした。とにかくすべてが新しいという印象がありますね」(A氏)。

1列目シートと2列目シートは同等のサイズ。2列目が最も快適な場所になる。またセンターウォークスルーを実現するためサイドブレーキレバーは外側に。ポルシェ928やジャガーXJのようだと表現されたが、あちらのクーペは座面が低いためにブレーキを引っ張ってもレバーは床面に戻るタイプ。こちらは高さがあるので当然そのままという違いがあった。

目立ったライバルのいなかった当時でよく比較競合されたのがハイエースだったという。5ナンバーボディと、キャブオーバ—スタイルのハイエ—スは、フロントシート下にタイヤがあるので小まわりがきくが、運転席より前にタイヤのあるエスティマは小まわり性能が良くないのではないかと心配してハイエースを選ぶひとも多かったようだ。

3列目もかなり立派で広い! 床面が高くホイールハウス上にシートを設置できるため、より幅広のシートが設置できている。サイドウインドウも大きく視界は極めて良い。

北米向けモデルながら、V型エンジンのラインナップがないことが北米市場で販売に苦しむこととなった。日本国内では、ボディサイズや価格の高さがネックになり、発売当初に比べると、問い合わせは急激に減っていたという。またパワーユニットの非力感も指摘されるようになってきた。

そこで92年にはボディサイズの問題解消のため、全幅を5ナンバーサイズに抑えた「ルシーダ/エミ—ナ」を発表。当時のワンボックスでは需要の多かったティーゼルユニットを設定するなど、より日本的な仕様で人気を博すようになった。(実際にはガソリン仕様は同じ2.4ℓエンジンを用いる関係で、ディーゼル仕様のみ5ナンバー)

93年には本家エスティマもモノグレ—ド展開を改め8人乗りの「x」を追加。さらにスーパーチャージャー付きユニットも追加設定した。

フロントボンネットを開けるとエンジンがない1 サービス性を高めるためメンテナンスの必要な補器類などをここに設置。

そしてオデッセイが登場し、国内でミニバンブームが起こると、エスティマ人気も息を吹き返す。98年にマイナーチェンジし、エクステリアの大規模変更を行い、2000年に二代目ヘバトンタッチした。

床下に寝かされた直列4気筒エンジン。 オイルの流れなどに影響があるため、 単に4気筒を寝かせただけでは無理で、専用設計となる。

トヨタは89年に北米でレクサス店を立ち上げる。そして日本でも空前のブ—ムを巻き起こしたセルシオ(北米ではLS400)を日米で発売、それに続くように90年にエスティマを市場投入した。トヨタ車はライバルがバブル経済や税制改正によって相次いで3ナンバー専用モデルを市場投入して人気になるなかでも、当時のクラウンのようにあくまで「5ナンバーのワイドボディ版」として、3ナンバ—ボディを設定していた。そのなかで5ナンバーという日本市場独特の枠にとらわれずに、対米輸出メインで開発されたエスティマやセルシオをトヨタブランドとして国内市場へも投入したことは、トヨタの国内販売戦略の大きなターニングポイントとなったモデルの1台ともいえるのではないだろうか。

タイヤが前にあるので運転するのもラクチン!まるでセダンの感覚

エステイマ 2WD(4AT)

[発表]1990年5月30

[価格]296.5万円(当時)

[寸法・重量・性能]
全長×全幅×全高:4750×1800×1780mm
ホイールベース:2860mm
トレッドF/R:1560/1550mm
車両重量:1730kg
10モー ド燃費:7.1km/ℓ

[エンジン]
型式:2TZ-FE
種類:直列4気筒DOHC
排気量:2438cc
圧縮比:9.3
最高出力:135ps/5000rpm
最大トルク:21.0kgm/ 4000rpm
燃料噴射装置:EFI
燃料タンク容量:75ℓ

[走行伝達装置]
サスペンションF:ストラット式
サスペンションR:ダブルウィッシュボーン式
ブレーキF:ベンチレーテッド・ディスク
ブレーキR:ベンチレーテッド・ディスク
タイヤF/R:215/65R15

第87弾エスティマのすぺて 1990年6月発売

モーターファン別冊 その他のシリーズ 90年代国産車のすべて

■10~20年前のクルマに感動しよう!
 80年代という時代は、非常に興味深いクルマがふんだんに登場し日本の自動車史に名を残すモデルが目白押しでした。そこには80年代後半にむけて興ったバブル経済の影響も少なからずありました。逆に90年代はバブル経済の崩壊が代表的なキーワードとなることもあり、あまり良い印象がありません。同様にその当時のクルマもそれほどインパクトがあった記憶がないのです。しかし、情熱だけで押してきた80年代に対して、90年代は80年代に並行して行われていた技術開発が開花した時代でもあったのです。実は「クルマはこうあったらいいな」という思いが結実したのが90年代だったのです。そして興味深いのが、これらのクルマの多くは現在でも中古車市場で販売されている点です。程度は保証の限りであはりませんが、興味を持てたら自分のクルマにしてみるのも面白いかもしれません。

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