先生(右):損 保太郎
某損保サービスセンターに勤務。無保険者相手の交渉は困難を極めることを身に染みて感じている。

生徒(左):モン太
事故の加害者が無保険だったらと想像するだけでゾッとするモン。自腹で払ってもらえばいいのかな?

公道を走っている車両の「10台に1台が無保険」という現実

損 保太郎(以下 保太郎)自動車保険(俗称:任意保険)の加入率は88・4%(原付を除いた二輪/四輪)。運転者の意識は年々高くなっており加入率は上がっている。だが、約一割のユーザーが未加入と考えると、少々不安を感じてしまう。

モン太 たしかに。ただボク自身は自動車保険に入っていて、事故の際は保険屋さんに交渉しえもらえるから安心モン! 相手が自動車保険に加入していなくても自腹で弁償してもらえるモン?

保太郎 残念ながら完全な被害事故(100:1の事故)の場合、保険会社は示談交渉に介入できないんだ。つまりモン太君が自分で無保険の加害者と話をして損害賠償請求をしなくてはならない。相手にお金を払ってくれっていう交渉だから、精神的にもきついものだよ。

モン太 被害者なのにさらに精神的な苦痛を受けるなんてひどすぎるモン。でも、そんな時のためにボクは弁護士費用特約も付けているから、弁護士の先生にお願いすれば大丈夫だモン。

保太郎 ところが、実態としてはそんなにうまくいかない事も多いんだよ。全員がそうだとは言わないけれど、保険に入らない人って経済的に困窮していたり、もし事故を起こしたらどうなる?という考えが及ばない人も一定数いる。そんな人から賠償金を回収するのは大変。実際に裁判を起こして賠償請求内容は認められたけど、相手に支払能力がなくて回収を断念するケースはかなりたくさんあるんだよ。

モン太 それって泣き寝入りってことだモンか!? 怖ろしや……。

保太郎 そのためにも、どんな小さな事故でも警察への届け出は絶対に忘れない事! 届け出は義務だし、事故が起きたことを記録しておかないと相手へ賠償請求することが難しくなる場合もあるからね。

モン太 承知だモン!

自動車保険加入率

●都道府県別普及率トップ3

1 位:富山県 92.6%

2 位:島根県 92.1%

3 位:香川県 91.8%

●都道府県別普及率ワースト3

1 位:沖縄県 80.1%

2 位:鹿児島県 83.2%

3 位:茨城県 84.6%

「相手が無保険」だった場合に備えるためには?

モン太 いや~しかし逃げ得ができるなんて許せないモン。

保太郎 相手が自賠責保険に入っていれば、自分の怪我の最低限の補償は受けられるけど、自賠責保険だけでは物損については対象外だから、被害にあったバイクの修理費用を相手から回収できるかは運次第?になってしまうよね。

モン太 世知辛すぎる~。じゃあどうしたらいいモンか?

保太郎 そこまでのリスクに備えるためには、自身で車両保険や人身傷害保険に入るしかないかな。車両保険に入っていればバイクの修理費用の心配をしなくていい。自賠責保険はぶっちゃけ怪我の最低限の補償しか受けられない。例えば怪我をした際の治療費の上限は120万円。ちょっとした打撲だったら賄えるけど、骨が折れるなどの大怪我をした場合は十分とは言えない。それに自賠責保険を請求するためにはいったん治療費を立て替えなくてはならないし、保険金の請求については結構多くの請求書類を揃えないといけないから煩わしいものだよ。人身傷害保険に入っていれば自分の保険会社が手厚く怪我の対応をしてくれるから安心なんだ。

モン太 なるほど~。結局、相手から支払いが受けられなければ自分の保険に頼るしかないのか~。でも補償を充実させれば当然月々の支払が増えるわけだから、しっかり考えないとだモン。

※ここでは一般的な自動車保険について解説しています。各社の約款や個別の事情により内容が異なる場合があります。

※この記事は月刊モトチャンプ2024年9月号のものです