昔の“4リットル・モンキー”に寄せつつ、乗り味は今どきに

コンセプトはじつにシンプル。“4リットルモンキーに寄せたライトカスタム”。ただしここで言う“寄せ”は、ガチガチの再現路線とはちょっと違う。あの頃の雰囲気や空気感をうまく抽出しつつ、現代のバイクとしてちゃんと楽しめるところに落とし込んでいるのが、このマシンのキモだ。

まず目に入るのが、オレンジのラインやシート形状といったビジュアルの要素。往年のホンダモンキーZ50J を思わせるディテールで一気に“それっぽさ”を演出してくる。とはいえ、ただ似せただけでは終わらないのがGクラフト流。見た目はクラシックでも、実際の乗り味はしっかり現代基準だ。

すべてボルトオンで装着できるパーツばかり。

“ネオレトロ”をテーマにシートを開発

その象徴がシート。今回のカスタムで初披露となるこのシートは、見た目こそレトロだが、内部のフォームはあえて柔らかめに設定。さらに前後にポジション移動ができる構造になっていて、体格差のあるライダーでも自然にフィットする。小柄な人から大柄な人まで対応できる懐の深さは、まさに現代的アプローチと言えるだろう。結果として、長時間乗っても疲れにくいという実用面のメリットもしっかり確保されている。

見た目は硬そうだけれど、押してみると柔らかく座り心地は超ソフト。座面のパイピングやシート周辺の鋲がレトロな印象。シート後端には社名ロゴがエンボス加工される。

3.75Jアルミホイールを前後に採用

足周りも見逃せないポイント。ワイドリム化されたホイールにブロックタイヤを組み合わせることで、見た目の力強さをプラス。クラシックな雰囲気にちょっとしたオフテイストを混ぜることで、“昔っぽいけど古くさくない”絶妙なバランスを生み出している。いわゆるショーカスタムに振り切るのではなく、あくまで日常で乗れる範囲に収めているあたりも好印象だ。
また、スイングアームはGクラフト製アルミスイングアームへ換装し軽量化と剛性アップを実現。ダウンチューブも追加している。

Gクラフトといえば、アルミ製ワイドホイール。ノーマルブレーキのまま装着できリム幅も太い。8ホールデザインがモンキー125にマッチ。

アルミ製スイングアームも得意中の得意。多角断面形状が高性能を物語る。

エンジン周りをスタイリッシュに演出するダウンチューブキットを装着。

やりすぎない引き算の美学

そして面白いのが、“やっていない部分”の割り切り。例えばブレーキはノーマルのまま。ここに手を入れれば確かに性能は上がるが、そのぶんコストも一気に跳ね上がる。ライトカスタムというコンセプトを守るために、あえて手を加えないという選択をしているのだ。このあたりの引き算の美学は、いかにも実用目線のカスタムらしい。

タンクまわりも同様で、エンブレムは取り外し、デカールで雰囲気を作っている。これによりコストを抑えつつ、ユーザー側でのアレンジも容易に。気分に応じて貼り替えれば、簡単に仕様変更ができる“着せ替えカスタム”的な楽しみ方もできるわけだ。こういう遊びの余白が残されているのも、このマシンの魅力のひとつだろう。

着せ替え感覚で遊べるモンキー レトロなテイストが欲しい人へ

ターゲットとして見えてくるのは、やはりリターンライダー層。かつてモンキーに乗っていた人が、もう一度あの世界観に触れたいと思ったとき、旧車はどうしてもハードルが高い。キャブレターの調整やドラムブレーキの扱い、車体の小ささなど、当時は当たり前だった部分が今となってはネックになることも多い。その点、ホンダ モンキー125 なら始動性も扱いやすさも段違い。そのうえで、このレトロな外観が手に入るなら、選ばない理由はない。

つまりこのカスタムは、“懐かしさを今の技術で楽しむ”ためのひとつの答えだ。見た目だけを昔に寄せるのではなく、乗り味や使い勝手は現代にしっかり合わせる。そのバランス感覚が絶妙だからこそ、毎日乗りたくなる一台に仕上がっている。

「やり過ぎないのが一番オイシイ」。

そんな“ちょうど良いモンキー”、ここにアリだ。

●Gクラフト
ブースは西1ホール1-15にあります