過去と現在を結ぶニューカラーの意義

ドゥカティの主力ネイキッドモデル「モンスター」に、新たなカラーリングが追加された。今回の変更は単なる外観の刷新ではなく、ブランドの歴史的背景と現代的デザインの融合を象徴するものとなっている。
新たに採用されたカラーは、グレーを基調としながら、随所にドゥカティらしいレッドを大胆に配置。タンクやホイール、テールセクションにアクセントとして配された赤が、視覚的な躍動感を強く印象付ける。落ち着いたトーンの中にスポーツブランドとしての主張を織り込んだ配色であり、都市とワインディングの両方に似合う仕上がりだ。
このカラーは、かつての名車「Monster S4」から着想を得たとされる。ドゥカティが築いてきたストリートファイターの系譜を現代に引き継ぎつつ、より洗練されたスタイルへと進化させる意図が込められている。
111馬力Vツインが支える現代ネイキッド

外観の刷新に対し、基本構成は現行モンスターの完成度を維持する。搭載されるのは排気量890ccのVツインエンジンで、最高出力111馬力、最大トルク91Nmを発生。扱いやすさと力強さを高い次元で両立したユニットだ。
特に低中速域のトルク特性に優れ、市街地での扱いやすさとワインディングでの加速力を兼ね備える点が特徴となる。さらに45,000kmという長いバルブクリアランス点検周期により、維持面での負担軽減も図られている。
電子制御も充実しており、コーナリングABS、トラクションコントロール、ウイリーコントロール、エンジンブレーキ制御を標準装備。5インチTFTディスプレイによる視認性の高いインターフェースに加え、クルーズコントロールの設定も可能とし、快適性の面でも進化を遂げている。
軽量構造がもたらす俊敏なハンドリング

モンスターの大きな魅力である軽快さは、今回も健在だ。アルミモノコックフレームを中心とした車体構成により軽量化が図られ、先代比で約4kgの軽減を実現。これにより、俊敏で直感的なハンドリング性能を獲得している。
シート高は815mmに設定され、車体のスリムさと相まって足つき性も良好。ライディングポジションは自然で、スポーティな操作性と日常での扱いやすさを両立するバランスに仕上げられている。
さらに複数のライディングモードが用意され、状況に応じたキャラクター変更が可能。都市部での穏やかな走行から、ワインディングでの積極的なライディングまで、幅広いシーンに対応する柔軟性を備えている。
スタイルと実用性を高めた進化のかたち

今回のニューカラーは、モンスターの持つキャラクターをより際立たせる役割を担う。グレーとレッドのコントラストは視覚的インパクトを高めるだけでなく、ドゥカティらしいスポーツ性を直感的に訴える要素となっている。
また「Monster Plus」仕様では、フライスクリーンやパッセンジャーシートカバーが標準装備され、より引き締まった外観と実用性の向上を両立。日常使いからスポーツライディングまで幅広く対応する仕様となる。
欧州での価格は1万3390ユーロから(Plusは1万3890ユーロ)とされ、2026年4月より販売が開始される予定だ。
モンスターは1993年の登場以来、ドゥカティの中核を担い続けてきたモデルである。その進化は常にブランドの方向性を示してきた。今回のニューカラー追加もまた、伝統を踏まえながら現代に適応し続けるモンスターの姿勢を体現するものだ。スタイルと性能、その両面で存在感を放つ一台として、さらなる魅力を備えた。
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