イシムとノア、久々の“再会テスト” やっぱマフラー換えたいでしょ!

What’s up‼︎‼︎ ども、ガレージ146のイシムです。今回のXSR125プロジェクト、いよいよ“マフラー”いきます。マフラーを交換するにあたって今回は特別ゲストが登場。旧友というか戦友というか――その昔、職場が同じでプライベートでも「日光の耐久」や「もて耐」レースで一緒に組んで走った現・二輪ジャーナリストのノアさんが参加してくれることに。

だからこそノアさんにもガッツリ!乗ってもらってインプレッションを聞きたいと思います。今回選んだマフラーについてですが、ストリートでの扱いやすさや常用域の気持ちよさも重視しつつ、この「スクランブラー仕様にも似合いそう」と感じ、SP忠男からリリースされている[パワーボックスフル]を選びました。アップタイプも選択肢にはあったですが、個性的なルックスと政府認証で安心して使えるっていうのもポイント。トグロ巻きのエキパイに、スラッシュカットのMotoGPっぽいエンド。サイレンサーの存在を感じさせないショート構造で、見た目のインパクトもかなり強い。サイレンサーも短いから張り出しも少ないし、林道とかでも引っ掛かりにそうだし。このコンパクトさは僕らが目指しているスクランブラースタイルにもかなりアリです。

マフラー重量が5.1kg→2.8kgと大幅に軽量化! 見た目だけじゃない。“気持ちよさ”を作る工夫とは?

このマフラー、見た目のインパクトだけじゃないのがポイント。SP忠男(スペシャルパーツタダオ)は、日本を代表するマフラーメーカーのひとつ。元ヤマハのレーシングライダー・鈴木忠男氏が率いるブランドで、1970年代から続く老舗として知られています。特徴的なのは、その開発思想。多くのマフラーがピークパワーの向上を重視する中で、同社が追求しているのは「公道で気持ちよく走れること」。その答えが“パワーボックス構造”にあるんです。エキゾーストパイプ途中に設けられた膨張室(チャンバー)によって排気脈動をコントロールし、低中回転域を中心にトルク特性を最適化する仕組み。常用回転域のトルクやフィーリングをどう引き出すか?にフォーカスしているのが特徴だ。排気をただ抜け良くするんじゃなくて、低中回転域のトルクを引き出す設計となっているのが「忠さん分かってるなぁ」と思っちゃう(若いころ乗っていたCBR400Fにも同社のコブラ管を入れていたのを思い出しました笑)。
125ccってどうしてもトルクが細いので、ピークパワーよりも普段使う回転域の気持ちよさが重要になるんですよね。そこをしっかり狙ってきているのがこのマフラー。実際に乗ると分かるんですが、4000rpmあたりからの立ち上がりがスムーズで、VVA(可変バルブ機能)が効く手前の領域がかなり扱いやすくなりました。この“常用域を気持ちよくする”作り方がSP忠男らしさなんでしょうね。しかもノーマルマフラー約5.1kgに対してコッチは約2.8kg! 2kg以上も軽くなって、走りも取り回しもかなり軽快になりました。軽さも含めて、スペック以上にフィーリングに効いてくる一本です。より詳しいインプレッションはノアさんのコメントを要チェックです。

今回装着したマフラー「POWERBOX FULL

SPECIAL PARTS TADAO
POWERBOX FULL

10万9890円
素材:ステンレスポリッシュ仕上げ
近接音量:89dB
政府認証:有
ステンレス製ポリッシュ仕上げのフルエキゾーストマフラー。エキパイ途中に設けられた独自構造“パワーボックス”により排気の流れと脈動を最適化し、低中回転域のトルクをしっかりと引き出す設計が特徴だ。ピークパワーではなく常用域のフィーリングを重視した仕上がりで、街乗りからワインディングまで“気持ちよく走れる”特性を実現。コンパクトなショートレイアウトによる軽量化もポイントで、政府認証取得により安心して公道使用が可能。さらにマフラー装着状態のままオイルドレンボルトおよびオイルフィルター交換に対応する設計となっており、日常メンテナンス性の高さも見逃せない。

メーカー公式サイトはこちら

SP忠男マフラーのココがすごい!

エキパイ途中に設けられた膨張室“パワーボックス”。排気の脈動を整え、低中回転域のトルクを引き出すキーデバイスだ。

排気抵抗のない綺麗なループを描くエキパイ。管長を稼ぐ工夫のひとつだ。4000rpmから7000rpmのトルクアップにも貢献する。

エキパイには、排気温度の調整と浄化を兼ねた
キャタライザーを装備する。

ハニカム形状のエンドデザインが特徴的。MotoGPマシンを思わせるルックスと、ショート構造による軽快な印象を強調する。

大きさもこんなに違う!

単体で比べると、存在感のあるノーマルに対してSP忠男管のスマートさが分かる。このコンパクトさは、公共のバイク駐輪場への出し入れ時や、タンデム走行時のヤケド防止にも恩恵あり。

マフラー交換の手順とポイント

[マフラーを取り外す] ●使用する工具は4mm/6mmのHEXレンチ、17mmスパナ、12mmレンチが中心。特別な専用工具は不要で、基本的な整備環境があれば対応できる。 ●マフラーが冷えていることを確認して、三分割構造のアンダーカウルを取り外す(すべてHEXレンチの4mmでOK)。 ●O₂センサーのソケットを外し(小さなマイナスドライバーがあると作業しやすい)、17mmのスパナでO₂センサーを外す。 ●ボックスレンチ(12mm)で、エキパイのナット(2個)を緩めておく。 ●すべてのボルトが丸見えなのであっという間だ。サイレンサーを固定しているボルト(HEX6mm)を裏側のナット(12mm)を押さえながら外す。足でマフラーを支えよう。

[マフラーを装着する] ●ノーマルマフラーを外したら、SP忠男管を仮合わせ。当たる箇所がないか?クリアランスを確認しよう。作業時は下にマットを敷いておこう。 ●SP忠男管にノーマルマフラーに付いていたO₂センサーを取り付ける。配線がねじれて断線しないよう、注意しながら進める。 ●エキパイとサイレンサー側を仮止めしたら、まずエキパイから締めていく。新品のガスケットを用意しておけばカンペキ。 ●ノーマルマフラーと同様、裏側のナットをメガネレンチで押さえながらサイレンサーを固定する。かなりショート管なのが分かる。

[装着時のこだわり] ●グラスウール内の水分を飛ばすためアイドリングでしばらく放置。いきなり走り出すと高温下で水分の残ったグラスウールが減ってしまう可能性があるためだ。 ●ポロポロと落ちてきがちなガスケット。片面にグリスを塗っておけば、落ちなくなるぞ。 ●エンジンを始動する前は必ず作業時の油脂をパーツクリーナーを使って、徹底的に除去しよう。残っていると焼け染みができてしまう。

ノアの実走インプレ 「VVA手前の谷が消える!その変化は想像以上だ」

何だか楽しそうに仕上がってきてるじゃないですか、このXSR125。実はイシムさんとは長い付き合いで、自分のバイク観を作ってくれた人と言ってもいい存在。そんな人が手掛けたマシンなら絶対楽しいに決まってる。「乗りてー!」が叶った今回です。まずノーマルマフラーの状態で乗ると、VVAが効いたときの伸びは気持ちいい。ただ、その手前──7000rpm付近に少し谷がある印象でした。ちなみにVVAとは、回転数によってバルブの動きが切り替わる仕組みで、低回転のトルクと高回転の伸びを両立してるんですが、低回転用と高回転用でバルブの開き方が違うので、切り替わるタイミングのフィーリングもおもしろい。ただ……「回せば楽しいけど、その手前がもう少し欲しい」と言うわがままな思いもある。そのあたりも改善されていたらいいなと思いながらイシムさんと一緒にマフラーを交換。まず音がイイ♪「ダボボボボッ」と深みのある低音で、単気筒らしくパルス感がありつつもバタつきがない。いかにもトルクが出ていそうな音質です。そして走り出すとすぐに分かる変化。常用回転域のトルクがしっかり乗ってくる。低回転でも余裕を持って走れるし、VVA手前の“谷”もほとんど気にならない。ノーマルはどちらかと言えば“回して楽しむ”バイクだったのに対して、こちらは“どこでも気持ちよく走れる”バイクに変わっている印象です。レスポンスも良くなっていて、シフトダウン時の回転合わせがとにかく気持ちいい。バンバン決まるから、自然とスポーティな走りもしたくなる。高回転域は大きな差はないけど、そこはもともと元気な領域。
それよりも“そこに至るまでの気持ちよさ”が圧倒的に変わっています。この特性の出し方はさすが。常用域のトルクの出し方が明確で、狙い通りのフィーリングに仕上がっているね。(ノアセレン)

“速さ” じゃなく “気持ちよさ” が一段上がる

ノーマルのXSR125は、回していけばしっかり楽しいバイクだ。ただ、その楽しさを引き出すにはある程度高い回転数を使う必要があったのも事実。そこにこのSP忠男製パワーボックスフルを組み合わせることで、常用回転域からトルクがしっかり乗り、どの回転域でも気持ちよく走れるキャラクターへと変化。VVA手前のつながりも滑らかになり、“回さなくても楽しい”という新しい魅力が加わった印象だ。ピークパワーの数値では語れない部分だが、日常域での扱いやすさやフィーリングの向上は想像以上に大きい。街中でもワインディングでも、開け始めからしっかり応えてくれる感覚は、一度体感するとクセになるハズ。無理に回さなくても自然に前に進むこのフィーリングは、結局いちばん乗る仕様につながる。見た目のインパクト、軽さ、そして乗り味の変化。どれかひとつではなく、すべてがバランスよく効いているからこそ、この一本は“気持ちよさ”を底上げしてくれる存在になっている。このXSR125、まだまだ化けますよ。Don’t miss it !!!!

現在の装着パーツ一覧

[ハンドル周り]キジマ:トラッカーハンドル/DRC:161オフロードミラー/ZETA:アーマーハンドガード ベンド [吸気系]KOSO:インテークレクチファイア [排気系]SP TADAO:パワーボックスフル [外装系]SP武川:フェンダーレスキット [ステップ周り]ZETA:クロモリワイドフットペグ/SP武川:シフトチェンジロッドキット [タイヤ]シンコー:E705(130/80-17)・E805(150/70-17)

[ベースマシン紹介]

ヤマハXSR125 ABS
ヤマハ伝統のデルタボックスフレームに水冷4バルブエンジンを搭載。兄弟車はMT-125とYZF-R125で155cc版もアリ。

●50万6000円

[取材協力]

GARAGE 146 ガレージ・イシム

営業時間:夕方~夜遅くまで
定休日:不定休

東京都杉並区、環状八号線沿い井荻トンネル付近。旧車(キャブ車)のお客さんが多く、駆け込み寺的な存在。来店時はインスタグラムのDMからご連絡を @1ndependent4life

※この記事は月刊モトチャンプ2025年7月号を基に加筆修正をしています