好みの効きとタッチを求めて、サーキットで激走デス!

What’s up!イシムです。今回の舞台は、若い頃、練習やレースで走っていたサーキット秋ヶ瀬! 人気どころのブレーキパッドを集めて、二輪ジャーナリストのノア氏とのコンビでテストしちゃおうかと。

前回、SP忠男製マフラーに交換をしてパフォーマンスがさらにアップしたXSR125。ただ、乗り込んでいくと「ブレーキ、もう一歩詰められるな?」って感じていた。効かないわけじゃない。でも、大径タイヤを履いている事もあって、もう少しコントロール性や奥の効きを引き出せる余地がある。そんな“伸びしろ”を感じる場面があるのも事実だ。

まずはノーマル(純正)ブレーキパッドのままコースイン。ノア氏と交代しながら走ったんだけど、ブロックタイヤなのを忘れて熱くなっちゃう二人(笑)。やっぱサーキットはグリップが良く走りやすい! 純正パッドの特性が把握できたら、用意した3タイプのブレーキパッドを装着し、二人でじっくり試乗しましたよ。

取り付け作業もシングルディスクなので簡単でスムーズでした。以下、それぞれのブレーキパッドに関するインプレッションをご覧いただきながら、「どれを選べばいいのか?」が見えてくるぞ。

ノーマル(純正)はこれ!

ヤマハ純正品番[ 3C1-F5805-10 ]のブレーキパッドキット。オーソドックスな黒塗装仕上げで、握り始めの効力の立ち上がりがマイルドで扱いやすさはピカイチ。価格は4780円(2025年6月現在)。※画像は現車から外した中古品です。

TEST-1 「赤パッド」 進化を続ける定番の強み!改めて脱帽した2025年版

老いも若きも「デイトナ赤パッド」といえば定番中の定番。小排気量車から旧車まで幅広い車種に対応していることで知られるし、そのルックスから「あ、赤パッド!」と一目で分かるのもブランド力を高めてきた要因。実は幾度もアップデートを重ねているのは意外と知られていない事実。

さて当企画のXSR125改、純正ブレーキが効かぬというわけではないけれども、ちょっとタッチが硬くて、握り込んでいった時の手ごたえが分かりにくい部分があった。外径の大きなタイヤを履いてるから、相対的にディスクローターが小径化したようなもの。ココは赤パッドの出番でしょ! 定番商品のフィーリングの再確認だ。

かくして赤パッド、最高でした!

硬めなフィーリングの純正のタッチに対してすごくしなやかになって奥まで積極的に握り込めるし、その握り込んだ先での制動力は純正とは段違い。フロントフォークが沈みこんだ領域でタイヤを路面にタイヤをギューギューと押し付けている感覚が伝わり、こんなブロックパターンなのに気持ちは完全にスポーツにスイッチしちゃった。試走したコースではブレーキングポイントも明らかに変わったし、もう一段高いギヤまで使えちゃったんだからタイムを測っていたらかなり違ったはず。フロントタイヤを良く揉めるからグリップ力も高く感じるほどだった。
コントロール性も絶対的制動力も高まった赤パッド、実は進化も続けていると今回知ることができ、さすが定番!と唸った。

(ノアセレン)

■制動力 ★★★★☆

■コントロール ★★★★★

■コスパ ★★★★☆

イシムの俺にも言わせて 赤パッド編

バイク乗りなら誰もが知っている、懐かしのデイトナ赤パッド。俺も付けたことがあるけれど、良く効く代償としてブレーキローターが減っちゃうイメージが。だけど最新版はローター攻撃性79%ダウン&ウエット性能もアップ。セミメタル系らしい、コントロールしやすく奥でグッと止まる感じが扱いやすかった♪ 最新の赤パッドは優しいぜ!

装着したパーツ

DAYTONA
赤パッド

4752円

従来品より、摩擦係数15%アップ・耐摩耗性26%アップ・ローターへの攻撃性79%ダウンという新タイプ。天候問わず安定した制動力を発揮するオールラウンド型だ。

メーカー公式サイトはこちら

TEST-2 「ゴールデンパッド」個人的にはコレが好み、絶対的な性能に感服!

赤パッドには視覚的なブランド力があるのに対し、より上位に位置するゴールデンパッドはルックス的にちょっとアピールが少ないのが惜しいトコロか。でも実はコチラもモデルチェンジを繰り返すことで性能の進化を止めておらず、今は「ゴールデンパッドχ(カイ)」へと名前が変わっているのだ。

立ち位置としては赤パッドよりも効力は高く、それでいてライフはむしろ長いのも特徴。ディスクへの攻撃性に対しては赤パッドに譲るけれど、それでも純正のブレーキパッドよりは低いのだからまさに赤パッドの上位互換と捉えて間違いない。そして性能もまたそれを裏切らない。

握り込みやすさや付き合いやすさ、そして装着直後の初期馴染み(ナラシ)時間の短さも含めて赤パッドと共通の好印象ながら、熱が入った時の効力の立ち上がり方といったら完全にワンランク上。ギューッと握り込めば赤パッド以上の制動力が急速に立ち上がるのに、同時にロック寸前の領域も分かりやすいからABSを介入させずにジャックナイフだってできちゃった。

ただこの良さはサーキット走行だったから分かったという部分もあるかもしれない。一般道路を流してるぶんにはそこまでガッツリと握り込む機会もそうないから、赤パッドとそんなに変わらない印象だったのもまた事実。そういう意味ではよりスポーツにフォーカスした兄弟車のYZF-R125の方がブレーキパッドのキャラクター的には合っているかもね。

(ノアセレン)

■制動力 ★★★★★

■コントロール ★★★★☆

■コスパ ★★★☆☆

イシムの俺にも言わせて ゴールデンパッド編

セミメタルの赤パッドに対してこちらはシンタードパッド。無塗装でさりげなく性能をアピってる感じがオレ好み。特性は赤パッドと似た感じだけど、よりダイレクト感が増している。安心して奥までグイっと突っ込めるイメージだ。周回を重ねても一番腕が疲れなかった。効力がグッと立ち上がるのは好みで分かれそう。パニックブレーキが心配な人は赤パッドもアリだ。

装着したパーツ

DAYTONA
ゴールデンパッドχ

6050円

効き始めのダイレクト感が奥まで一定に持続するシンタードメタル系で、コントロール性に優れた高性能タイプ。ミニバイクレースでの装着率も高い。
メーカー公式サイトはこちら

TEST-3 「ブレーキパッド 227シリーズ」ライフの長さと圧倒的なコスパの良さ!

SBSパッドといえばスウェーデンの老舗ブランドで、今回はコスパ重視のセラミック材Eパッドの紹介。実は車種によっては超ハイエンドのレーシングパッドまで8〜9種類も用意しているグレードの多さが魅力。グレードに関わらずSBSブランドの性格は初期のタッチが柔らかく、握り込んでから効いてくる特性としていること。「ライダーの判断力を超えないのです」とは販売するキタコの弁だ。

XSR125用には今のところこのベーシックなEグレードのみの設定。純正パッドよりも安価で、それでいてキタコではシグナスXで通勤に使い、1万キロ以上の耐久性も確認済み。ではタッチやフィーリングは? 純正のブレーキシステムのタッチが硬めなのは最初に書いた通り。対策としてはレバーを調整式に変えるか、あるいはマスターシリンダー径を小さくしたくなるのだが、意外にもこの問題を解決してくれるのがこのパッドだった。

パッドを変えただけなのに操作感に柔らかさが出て、握り込んでいってコントロールできるようになったのはまさにSBSの掲げるタッチの優しさ。効きそのものは純正よりもわずかに良いかな?程度ではあるものの、そのコントロール性の高さゆえに実感としてはより安心して乗れる。耐久性も実証されているし、何と言ってもこのコスパである。純正からの交換として誰にでも安心して薦められる商品だ。

(ノアセレン)

■制動力 ★★★☆☆

■コントロール ★★★☆☆

■コスパ ★★★★★

イシムの俺にも言わせて SBSパッド編

組み込んでいる時は、材質の感じとか純正パッドと同じような印象だったけど、乗ってみたらその柔らかさに驚いた。純正パッドは握って効力が立ち上がったらそのタッチが奥まで続く。対してSBSは、そこからさらに1 段階、2段階と握り込んでいけるからコントロール性も安心感もあるよね。この柔らかさがストリートには良いカンジで、扱いやすさに繋がるんだよね。

装着したパーツ

SBS
ブレーキパッド 227シリーズ

3080円
セラミック材を採用しストリートシーンを主眼に開発。ディスクローターへの攻撃性が低く経済性も高い。リーズナブルな価格は純正代替え品としてもおすすめだ。

メーカー公式サイトはこちら

結局どれがいいの?

結局どれがいいの?という話になるけど、これはもう用途で選ぶのが一番分かりやすい。街乗り中心で扱いやすさやコントロール性を重視するならキタコ。

純正からのステップアップとして違和感なく使えて、それでいて一段上の安心感を得られる。迷ったら赤パッド。制動力とコントロール性のバランスが良く、幅広いシーンに対応できる“基準になる存在”だ。昔のイメージとは違い、現行モデルはしっかり進化している点もポイント。

そして走りを楽しみたいならゴールデンパッド。初期制動の立ち上がりから奥の効きまでしっかりしていて、ブレーキを積極的に使うライディングでは明確なアドバンテージになる。

XSR125は軽さと車体バランスの良さがあるぶん、ブレーキの違いがダイレクトに伝わるバイク。だからこそブレーキパッドの交換は“体感できるカスタム”のひとつだ。なんとなく純正のまま乗り続けるのではなく、自分の走り方に合わせて選ぶことで、このバイクの楽しさはもう一段引き上がるはず。

オマケ 自分で組み付けたい人へ 装着時のコツ

中古パッドを外しただけでは新品パ
ッドが入らない(厚みがあるため)。
キャリパーピストンを指で押し戻し
てスペースを作ってあげる。

ブレーキパッドを外したピンやブッ
シュなどの可動部には、必ず耐熱性
の高いグリスを塗布して潤いを忘れ
ずに。乾くと摩耗が進むぞ。

ブレーキキャリパーはブレーキ時に
高温になるため、内側はブレーキダ
ストや汚れがこびりついている。歯
ブラシを使って丁寧に洗い流そう。

ブレーキパッド自体はピンで留めら
れていて、指で指しているクリップ
(2本)を抜けばサクッと取り外せ
る。ラジオペンチで引き抜こう。

ブレーキパッドを装着したら、走り出す前にブレーキレバーを数回ストロークさせて、タッチを回復しておくこと。これを忘れて走り出すと、最初のブレーキ時にブレーキレバーがスカスカでとても焦ることになるぞ。

取材協力

GARAGE 146
ガレージ・イシム

東京都杉並区井草3-17-17
営業時間:夕方~夜遅くまで
定休日:不定休

東京都杉並区、環状八号線沿い井荻トンネル付近。旧車(キャブ車)のお客さん
が多く、駆け込み寺的な存在。来店
時はInstagram経由でご連絡を@1ndependent4life。

※この記事は月刊モトチャンプ2025年8月号を基に加筆修正をしています