マツダ・CX-60 基本情報

マツダ・CX-60

マツダ・CX-60は、マツダの新世代ラージ商品群の第一弾として登場した2列シートのクロスオーバーSUVである。縦置きエンジンと後輪駆動ベースAWDを採用し、一般的な国産ミドルSUVとは少し違う、走りを強く意識した成り立ちが特徴だ。

2022年6月に予約受注を開始し、9月にe-SKYACTIV D搭載モデルから販売が始まった。縦置きエンジンのFRプラットフォームと、FRベースの四輪駆動システムを採用した点は、従来の国産SUVとは異なる大きな特徴であった。

マツダにとってCX-60は、単なる新型SUVではなく、新世代の商品戦略を象徴する重要なモデルだ。発売開始時点では、月販計画2,000台に対して約2か月半で8,726台を受注しており、初動の注目度はかなり高かった。パワートレインも、直列6気筒ディーゼルやPHEVなどを揃え、走りと環境性能の両立を狙った意欲作として位置づけられていた。

その後もCX-60は改良を重ねながら商品力を高めてきた。2024年12月の商品改良では、操縦安定性や乗り心地、静粛性の改善に加え、新グレード「XD SP」と特別仕様車「XD-HYBRID Trekker」が追加された。

現行のCX-60は、2026年3月の商品改良で機種体系が見直され、機能性・快適性・安全性の向上とあわせて、より選びやすい構成へ整理された。Apple CarPlay/Android Autoのタッチ操作対応、遮音性向上、CX-80で先行採用されていた安全・快適装備の追加などが行われている。

代表グレードのXD Drive Editionは直列6気筒ディーゼルの魅力を比較的手の届きやすい価格帯で味わえる中心グレード、XD Premium Sportsはタンカラーのレザー内装などを備えた上級のスポーティ仕様という位置づけだ。現行の商品改良後も、CX-60は「走り」と「上質感」を軸にグレードを構成している。

ボディサイズは全長4,740mm×全幅1,890mm×全高1,685mmで、エンジンはガソリン、ディーゼル、ディーゼルハイブリッド、PHEVを展開している。

代表グレード例

項目XD Drive Edition / XD Premium Sports
車両型式3DA-KH3P
駆動方式2WD(FR) / 4WD
乗車定員5名
全長×全幅×全高4,740 × 1,890 × 1,685 mm
ホイールベース2,870 mm
最低地上高180 mm
エンジン型式T3-VPTS (直列6気筒ディーゼルターボ)
総排気量3.283 L
エンジン最高出力170 kW [231 PS] / 4,000-4,200 rpm
トランスミッション8速AT (SKYACTIV-DRIVE)
WLTC燃費19.7 (2WD) / 18.4 (4WD) km/L

マツダ・CX-60の魅力

CX-60最大の魅力は、国産SUVの中では珍しい縦置きエンジン・後輪駆動ベースという構成にある。マツダ自身も「大型SUVを思い通りに操る楽しさ」を前面に打ち出しており、単なる実用SUVではなく、運転そのものを価値としている点が明確である。

デザイン面でもCX-60は存在感が強い。公式サイトでは、「堂々としたフェイス」「力強い骨格」「無駄な要素を排除した造形」と表現されており、ボリューム感はありながらも過剰に飾り立てない。マツダらしい引き算の美学が、SUVとしての厚みとうまく両立している点が魅力だ。

内装の質感もCX-60の大きな武器である。「乗る人すべてにとって心地の良い空間」「上質な内装、多彩な機能・装備」として訴求しており、プレミアム寄りのSUVとしての立ち位置を明確にしている。特に上級グレードでは素材感やカラーコーディネートにも力が入っており、輸入SUVを検討する層にも刺さりやすい。

マツダ・CX-60の気になるポイント

一方で、CX-60は万人向けのSUVとは言い切れない。まず大きいのは、一般的なFFベースSUVよりも車の性格が明確であることだ。縦置き・FRベースという構成は走りの質に寄与する反面、購入者によっては「そこまで走りを重視しないのに価格もサイズも大きい」と感じる可能性がある。

また、CX-60はこれまでに商品改良が重ねられてきたモデルでもある。2024年末の商品改良では操縦安定性・乗り心地・静粛性の向上が明言され、2026年3月にも機能性や安全性の追加改善が行われた。中古車を選ぶ際は、この改良履歴を踏まえて年式を見るべきである。

加えて、現行の新車価格は382万8,000円〜と価格帯も安くはない。国産SUVとして見ると明らかに上のレンジであり、装備や走りに納得できる人には刺さるが、コスト重視で選ぶと割高感が出やすい点も気になるポイントだ。

マツダ・CX-60 中古車市場

CX-60の中古車市場は、流通量がかなり増えてきている。中古車平均価格は335.9万円で、価格帯は189.5万円〜566.4万円と幅広い。200万円台前半から検討できる個体も見つかる一方で、上級グレードや高年式車は依然として高値を維持しているのが実情である。

実際の掲載例を見ても、2023年式のXD-HYBRID Premium Sportsは支払総額389.8万円、2023年式の25S Lパッケージは307.8万円、2022年式のXD-HYBRID Exclusive Sports 4WDは373.2万円となっている。

こうして比べると、CX-60の中古相場は年式だけでなく、グレードやパワートレインの違いによっても価格差が出やすい。とくにハイブリッド系や装備が充実した上級仕様は、中古車であっても相場が下がりにくい傾向にある。

安い個体だけを見ると装備や内装の質感に差があるため、購入後に「CX-60らしい上質感が思ったほどない」と感じることもありうる。特に中古では価格差だけでなく、シート素材、安全装備、快適装備の差まで確認しておきたい。

マツダ・CX-60 中古車が安い理由

CX-60の中古価格は、結論から言えば安い傾向にある。

理由は大きく3つある。

CX-60は登場時の注目度が高く、受注も好調だったため、時間の経過とともに中古車として流通する台数が増えやすい。発売前後には、月販計画2,000台に対して約2か月半で8,726台を受注しており、初動の販売台数はかなり多かった。市場に出回る台数が増えれば、相場はこなれやすくなる。

次に、商品改良が重ねられてきたことも影響している。2024年末の商品改良では乗り心地や静粛性の向上が図られ、2026年3月には安全性や快適装備の強化も行われた。こうした改良後モデルの存在によって、初期型は相対的に古く見られやすくなり、中古相場も下がりやすい。

また、CX-60はもともとの価格帯が高めで、購入を検討する層がある程度限られる。中古車として見れば魅力的な値落ちであっても、新車価格を知っている人ほど「思ったより下がっている」と感じやすい。裏を返せば、中古で購入する側にとっては割安感を得やすい車だといえる。

マツダ・CX-60 やめとけ?

「CX-60はやめとけ」と言われる場合、その多くは誰にでも無難に合うSUVではないという意味で使われている。

広さ、燃費、価格のバランスを重視して、できるだけ癖のない一台を選びたいのであれば、ほかにもっとわかりやすい選択肢はある。CX-60は、車格も価格も走りの性格もはっきりしているぶん、なんとなく選ぶとミスマッチが起こりやすいモデルといえる。

とくに、日常使いのしやすさやコストパフォーマンスを最優先に考える人にとっては、CX-60の個性が必ずしも長所として受け取られるとは限らない。一般的な国産SUVの感覚で選ぶと、思っていたよりもキャラクターが強いと感じる可能性がある。

ただし、走りの質感や直列6気筒ディーゼルの魅力、内外装の上質さ、そして国産SUVの中では珍しい成り立ちに惹かれるのであれば、CX-60はかなり魅力の大きい一台だ。単なる移動手段ではなく、運転すること自体に価値を感じる人にとっては、ほかのSUVにはない満足感を得やすい。

とくに中古市場では値落ちが進んでおり、新車時には高かったグレードにも手が届きやすくなっている。向き不向きははっきりしているが、条件が合う人には強く刺さるモデルだといえる。

まとめ

CX-60は、マツダがラージ商品群で打ち出した走りを楽しむ上級SUVという性格がよく表れたモデルだ。

縦置きエンジン、FRベース、直6ディーゼル、上質な内装という要素は明確な個性であり、そこに魅力を感じるなら検討価値は高い。

中古市場では流通量も十分にあり、相場もこなれてきているため、買い方次第ではかなり狙い目でもある。ただし、年式による改良差、パワートレインの違い、グレードごとの装備差は大きい。CX-60を選ぶなら、安さだけで決めず、自分がこの車に何を求めるのかをはっきりさせて選ぶべきである。

万人向けのSUVではないが、だからこそ魅力もわかりやすい。CX-60は、自分に合う一台をきちんと見極めて選べば、高い満足感が得られるモデルだ。