LED普及だけではない!配光や色温度、車高の変化が原因に

夜間を走行中、昨今はヘッドライトが眩しいと感じる場面が増えている。その理由として真っ先に思い浮かぶのは、やはり「LEDヘッドライト」の普及だろう。
従来のハロゲンランプに比べて消費電力が少なく、寿命も長いLEDは、いまや新車の標準装備として当たり前の存在となった。
たしかにLEDそのものの直進性の高い鋭い光は、人間の目に眩しさを感じさせやすい性質を持っているが、ヘッドライトの眩しさの原因はLED化だけではないとされている。

まず、LEDの普及にともなってヘッドライトの色温度が高くなったことが挙げられる。
白く青みがかった光は人間の目に刺激として強く伝わりやすいため、実際の光量以上に眩しく感じてしまう傾向があるのだ。

また、近年はSUVやミニバンなど、背の高いクルマが人気を集めていることも大きな要因だ。
車高が高いクルマのヘッドライトは、必然的に低い位置にあるセダンやコンパクトカーを運転するドライバーの目線に直接入りやすくなる。
さらに、路面のギャップを乗り越えた際や、加速時に車体の前方が持ち上がるピッチングなどの一時的な車高変化によって、本来は下を向いているはずの光が瞬間的に上を向き、対向車の目を直撃してしまうケースも少なくないという。
基準は厳格化されているのに不快感は増している?

このように眩しいと感じる要素が増えている一方で、実はヘッドライトに関する国の保安基準は昔よりも厳格化されている。
具体的には、道路運送車両の保安基準において、2015年9月より車検時のヘッドライトの検査基準が厳格化された。
また、保安基準の第198条では、ロービームは夜間に前方40メートルの距離にある交通上の障害物を確認できる性能を備えつつ、その光が周囲の交通の妨げになってはならないと明確に定められている。
くわえて、光の一番強い最高光度点が、規定された非常に狭い枠内に収まるよう細かく規定されているのである。
さらに、対向車への配慮として光のカットオフラインと呼ばれる明暗の境界線を明確にし、上方への光の漏れを防ぐよう厳しく定められており、自動で光軸の上下を調整するオートレベライザーの装着も義務付けられている。

にもかかわらず、体感的な不快感が強まっていると感じるユーザーも少なくないようだ。
実際にSNSなどでは、「最近の新しいクルマのヘッドライト、どれもこれも眩しくて夜間の運転が腰重すぎる」「基準あるはずなのに、ヘッドライトライトを異常なくらい明るくしてる人いるよね?いないならLEDのせいってこと?」などの声が上がっていた。
こうした切実なコメントからも、メーカーが厳しい基準をクリアして製造している正規のヘッドライトであっても、路上でのリアルな状況下においては、多くのドライバーに強いストレスを与えてしまっている現状がうかがえる。
私たちにできる自衛策としては、対向車のヘッドライトを直視せず、視線を少し左側にある路肩の白線付近へ逸らすなど、人間の視覚特性を理解したうえでの自己防衛がしばらくは必要になりそうだ。
