連載

今日は何の日?

■人気のカリーナEDに対抗したプレセア

1990年6月20日にデビューした日産「プレセア」

1990(平成2)年6月20日、日産自動車は4ドアハードトップ「プレセア」を発売した。1980年代後半のバブル期にスポーティな高級セダン“ハイソカー”が大ブームを起こした一方で、ミドルセダンのトヨタ「カリーナED」に代表される背の低い4ドアHTも人気を獲得、日産からはプレセアがその代表だった。

背の低いクーペのような4ドアハードトップ・カリーナED

1985年8月にデビューしたトヨタ初代「カリーナED」

1985年8月に登場した「カリーナED」は、実質的には3代目カリーナクーペの後継であり、プラットフォームはセリカと共用化し、セリカの兄弟車という位置づけだった。

トヨタ初代「カリーナED」のリヤビュー、室内

“4ドアでありながら、クーペのフォルム”のキャッチコピーでデビューしたカリーナED。ファストバックの3ドアハッチバックのセリカに対して、カリーナEDはトヨタ初のセンターピラーレスの4ドアHTを採用。4ドアながら車高はカリーナ・セダンより55mmも低く、セリカより15mm高いだけという、4ドア車としては世界で最も低い1310mmの車高だった。

パワートレーンは、最高出力160ps/最大トルク21.0kgmを発揮する2.0L 直4 DOHCを筆頭に、115ps/16.7kgm&105ps/16.0kgmの1.8L 直4 SOHCの3種エンジンと、4速ATおよび5速MTの組み合わせ、駆動方式はFFである。

車高が低い分、室内空間は4ドアセダンより劣ったが、当時流行っていた2ドアクーペよりも使い勝手がよく、何よりもスタイリッシュさが魅力で、約4年間で26万台を超える大ヒットモデルとなった。カリーナEDの出現によって、市場では背の低い4ドアHTクーペブームが起こり、対抗馬として日産から「プレセア」がデビューしたのだ。

個性的で流麗なスタイリングが魅力のプレセア

1990年6月20日にデビューした日産「プレセア」
トヨタ2代目「カリーナED」

人気の「カリーナED」は、1989年9月に2代目へとモデルチェンジしたが、翌1990年6月のこの日に「プレセア」はデビューした。

日産「プレセア」搭載の2.0L DOHCエンジン
日産「プレセア」搭載の2.0L DOHCエンジン
トヨタ2代目「カリーナED」に搭載された3S-GE型エンジンとコクピット

プレセアは、7代目「サニー」の基本コンポーネンツを流用して仕立てられ、ローレルの小型版「ローレル・スピリット」の後継車と位置付けられた4ドアのピラードHTだった。

1990年6月20日にデビューした日産「プレセア」の車体サイズ、エンジン性能

最大の特徴は、その斬新で流麗なスタイリングだった。ラジエターグリルを廃して横長の楕円形凹面レンズのヘッドライトを持つデザインは、同じデザイナーが手掛けた1989年11月に登場した日産のフラッグシップ「インフィニティQ45」と共通なものがあった。

日産「プレセア」前席の居住性
日産「プレセア」後席の居住性

室内空間よりもスタイリングを重視していたため、室内空間、特に後席は十分ではなかったが、そのことが逆にファミリー志向でなくパーソナル感を高めることになった。またインテリアは上品に仕上げられ、特に静粛性が高く評価された。

パワートレーンは、最高出力140ps/最大トルク18.2kgmの2.0L、110ps/15.3kgmの1.8L、94ps/12.8kgmの直4 DOHCの3種エンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FFだった。

1990年6月20日にデビューした日産「プレセア」の前後シート

車両価格は、121.2万~189.5万円に設定。当時の大卒初任給は17万円(現在は約23万円)程度だったので、単純計算では現在の価値で約164万~256万円に相当する。

1990年6月20日にデビューした日産「プレセア」のサイドビュー

プレセアは、発売直後はまだバブル期だったこともり好調な販売で滑り出しが、1991年にはバブル崩壊が始まり、販売は右肩下がりになった。

バブル崩壊とともにカリーナEDもプレセアも終焉

1995年1月にデビューした日産2代目「プレセア」
1995年1月にデビューした日産2代目「プレセア」

「プレセア」は、1995年1月に2代目にモデルチェンジした。2代目は、ホイールベースと全長を延長して、後席の室内空間を広げ、エンジンもパワーアップして走りも強化した。

初代よりも上質感が向上した2代目だったが、それでも市場の要求が多人数乗車できマルチユースなRVやミニバンのような実用的なクルマを求めるようになったことから、人気低迷に歯止めをかけることはできずに2000年8月に生産を終了、2世代10年の短い生涯となった。

1993年10月にデビューしたトヨタ3代目「カリーナED」
1993年10月にデビューしたトヨタ3代目「カリーナED」

一方、カリーナEDは1993年10月に3代目へと移行したが、カリーナEDも市場の変化には逆らえず、商品力強化を図るも1998年12月に、7代目「カリーナ・セダン」に統合される形で販売を終了。カリーナEDも、3代13年の歴史に幕を下ろしたのだ。

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カリーナEDやプレセアは、お洒落で背の低いスポーティな4ドアHTで、背伸びしない若者のデートカーとして、また子どもを持つクルマ好きのヤングファミリー層から支持され、ゴージャスが売りのハイソカーとは一線を画した。短い期間だったが、それまでの野暮ったい4ドアセダンのイメージを一蹴してスタイリッシュなHTとして大いに存在感を示した。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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