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(見出し)
Q.いまの若いレーシングドライバーのドラテクは違ってきていますか?
A.ドラテクに古い新しいはないがライン取りは変わってきた
どうだろう? 福住仁嶺、大湯都史樹、佐藤蓮たちを見ていると、性格や考え方は世代の差を大きく感じることがあるけれど、ドラテクに古いも新しいはないんじゃないかな。
フォーミュラ出身のドライバーは左足ブレーキを多用するけど、それがハコ車で武器になるかというとそうでもない。実際、袖ケ浦などでナンバー付き車両で走ってみると、タイムは変わらないからね。
スタイルの差や個性はあるにしても、トッププロ同士は好みの違いだけなんじゃない。ドライビングポジションなんかも、クニさん(高橋国光)はストレートアームだったけど、オレは肘を伸ばさないスタイル。突っ込み重視、立ち上がり重視、欧州式、日本式とかいろいろいわれているけど、オレはドラテクが変わったとは思っていない。

ただし、ライン取りは変わってきた。アウト・イン・アウトに固執することがなくなってきた。クリップにつかなくても、タイムが出るラインこそが正解。鈴鹿のヘアピンなんてF1もスーパーGTもクリップにつかなくなってきた。
それは空力の進歩も大きいけど、いまのレーシングタイヤはグリップしている時間が昔よりも長いんだ。クルマ自体も、大きく重くなってきたり、ハイブリッドやEVが進化し続けているけれど、タイヤが4つである限り、ドライビングは変わらないと思う。
一方で、これだという決めごとはつくらないほうがいい。FF、FR、4WD、そのほかにしても、基本はあるけど、これが唯一の正解なんてないよ。クルマとタイヤに合わせて答え合わせをしていく作業が大切なんだ。それぞれに合ったタイミングを見つけ出す。結局これに尽きるんじゃない。
Q.VSCなど横滑り防止装置の制御介入はどう考えていますか?
A.悪い影響はほとんどない 速く走れるなら制御は使えばいい

運転支援の電子制御システムを毛嫌いする人もいるけれど、オレは否定的ではない立場。
とくにビギナーはサーキットでも電子制御は入れたまま走るべきだと思う。間違いなくそのほうが安全だからだ。電子制御のスイッチをOFFにしても完全に作動をカットできるわけではない。
上級者は自身の判断でOFFにしてもよいけれど、速く走るという目的に対して、電子制御が悪い影響を与えることはほとんどない。使える新しい技術は使えばいいんだ。
Q.スイフトスポーツのようなコンパクトなFF車両でも同じ走らせ方?
A.ホットハッチも考え方は一緒 舵角とアクセル開度がキモだ
FL5は330psのターボエンジンで、車両重量が1430㎏もあるヘビー級のFF車両だけど、スイフトみたいなホットハッチでも考え方は一緒。車体が軽くてもFRのように立ち上がりでドンとアクセルを入れると、ホイールスピンを起こしてド・アンダーしか出ない。FFは脱出するときの舵角と、舵角に合わせたアクセルがキモ。アクセル開度2 ~ 3割から踏み始め、空転しないように気をつけながら、ハーフ、7 ~ 8割と踏み足していく。
Q.この走り方で一発タイムアタックと連続周回するときでの違いは?
A.基本は同じでもブレーキが変わってくる
タイムアタックの一周も連続周回するときも、走らせ方の基本は同じ。「ブレーキで曲げる」と「デフで曲がる」。異なるのは制動のためのブレーキの強さと踏んでいる時間だ。タイムアタックは強いブレーキングで時間も短い。そこから2発目を入れるか入れないかだ。袖ケ浦の3コーナーなどは3発目を入れるときもある。
Q.土屋さんが好きなタイヤは? タイヤと対話ができる練習法は?
A.ハイグリップで好きな銘柄はコレ グリップが低いタイヤは転がしてやる

高性能タイヤで好きなのは、BSならRE-71RS(現在はRE-71RZ)やRE-12D。YHだとA052やA050とか。やっぱりグリップがあれば安心だし、曲がるから楽しい。
街乗りなら10㎝でも制動距離が短いほうが安全なのでグリップ力は重要だ。そしていいタイヤは滑ってもカウンターを当てれば立て直せる余地があるけれど、世の中には滑ったらそのままスピンするタイヤだってある。
ただし、ドラテクの練習用に高価なハイグリップタイヤは要らない。アンダーステアが出やすい安いタイヤで十分。そういうタイヤをターンインから「転がしてやる」んだ。
タイヤはハンドルを切った方向に転がるんだけど、怖いからといブレーキで止め過ぎるとアンダーしか出ない。だからブレーキをどこで戻すかがカギになる。
そのタイヤはある角度(スリップアングル)までしか転がらないので、切り過ぎてもアンダーになってしまう。タイヤが転がっていく角度(舵角)を知ることも、大事な練習目的だ。

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