日本自動車工業会(自工会)と日本自動車部品工業会(部工会)が共同で推進する「SSA(Smart Standard Activity)」に関する会見が開催され、その詳細が明らかになった。SSAは、自動車産業全体の競争力強化を目指し、過剰な品質基準の適正化を図る画期的な取り組みである。
SSAとは何か?
SSA、すなわち「品質・性能基準適正化活動(Smart Standard Activity)」は、お客様目線での品質基準への変更を目指すものである。 過剰な品質基準を見直し、手直しを問題のない範囲に限定することで、無駄を削減し、生産効率を高めることを目的としている。

この活動は、2017年末にトヨタ自動車が単独で開始した。
例えば、ワイヤーハーネスのコネクターにおいて、わずかな黒点でも全て廃棄していた慣習を改め、お客様の使用上問題のない範囲であれば許容することで、大幅なロス削減に成功した事例が紹介された。
トヨタのSSAの取り組みは、現在67%の採用率を誇り、対象件数も増加している。
業界全体への広がりと背景
トヨタ単独でのSSA活動は一定の成果を上げたが、サプライヤーからは「トヨタだけ基準が変わっても、他のOEMがこれまで通りではダブルスタンダードになり、かえって手間がかかる」という声が上がった。この課題を解決するため、トヨタは各OEMとの意見交換や仕入れ先合同訪問を実施し、業界全体でのダブルスタンダード解消を目指した。
こうした経緯を経て、2025年4月には自工会と部工会が合同で「SSA合同WG」を発足。業界団体としての活動へと発展した。

日本自動車部品工業会 SSA WG 部工会リーダーの行元恒平氏(豊田合成株式会社)は、過剰品質の適正化の重要性を強調した。また、自工会 サプライチェーン委員会 調達部会 SSA WG ガイドライン小WGリーダーの水谷智氏(日産自動車株式会社)は、具体的な取り組みを通じて業界全体のSSAを活性化させ、Tierの深いところまで産業全体に広げていきたいと語った。特に今回は「外観」に焦点を当て、お客様目線で考えることの重要性が示された。
SSAの成果と今後の展望
SSAの成果として、ワイヤーハーネスの歩留まり率向上に加え、検査員の負担軽減や検査工程の一部廃止が挙げられた。現在は約30部品が外観ガイドラインの対象であるが、将来的には100を超える部品へと拡大を目指している。
説明者からは、この活動は個社だけでは広がりが限定的であり、二輪車や商用車、そしてすべての部品へと対象を広げることで、業界全体の競争力を強化し、さらなる自動車産業への貢献を目指すという強い意志が示された。SSAは、日本独自の戦い方として、自動車産業の未来を形作る重要な取り組みとなるだろう。