最上位となるデュアルモーター仕様のシステム最高出力は400kW(544ps)に
ポールスターが開発を進める新型「ポールスター 4 SUV」のプロトタイプが、ニュルブルクリンクで姿を現した。

最大の注目点はリヤセクションだ。ベースとなった「ポールスター 4」はリヤウインドウを持たず、後方視界をカメラとデジタルミラーに任せる大胆な設計を採用している。しかし、新たな4 SUVでは一転して通常のリヤウインドウが復活。ポールスター 4最大の個性ともいえる部分に、大きな変更が加えられることになる。

ポールスター 4 SUVは、2026年2月に生産が正式決定したニューモデルだ。既存のポールスター 4とメカニズムを共有しながら、クーペSUVとは異なる、より実用性を重視したSUVとして開発されている。
ニュルブルクリンクで捉えられたプロトタイプを見ると、その違いはBピラーより後方に集中している。
現行ポールスター 4は、傾斜したルーフからソリッドパネルへつながる独特のリアデザインを採用。リヤウインドウを廃止し、ルーフに設置した高精細カメラの映像をデジタルルームミラーへ表示する仕組みとなっている。
対する4 SUVは、リヤウインドウを備えた一般的なリフトゲートを採用する。カメラだけに頼らず直接後方を確認できるため、従来型の視界を好むユーザーにも受け入れやすくなるはずだ。
さらにルーフラインも変更されている。ポールスター 4のように後方へ大きく下降させず、リヤエンドまで高さを残すことで、後席のヘッドルームやラゲッジスペースを拡大。高さのある荷物も積みやすくなり、SUVとしての使い勝手は大きく向上するとみられる。
とはいえ、実用性一辺倒になったわけではない。
プロトタイプはポールスターらしい低く構えたプロポーションを維持しており、足元には大型ホイールを装着。そのスポークの奥にはゴールドのブレーキキャリパーが確認できる。
ブレンボ製の高性能ブレーキやハイパフォーマンスタイヤを装着していることから、今回スクープされた車両は「ロングレンジ・デュアルモーター」に「パフォーマンス・パッケージ」を組み合わせた仕様である可能性が高い。
ドイツ市場における現行ポールスター 4のデュアルモーター仕様は6万7900ユーロ。2026年8月21日時点の為替レート、1ユーロ=約185.7円で単純換算すると約1261万円となる。
さらにパフォーマンス・パッケージは4500ユーロ(約84万円)で、ブレンボ製ブレーキのほか、専用シャシーチューニング、ゴールドのロータリーノブやシートベルト、チャコールカラーの「MicroTech」シート表皮などが組み合わされる。
4 SUVでも同等の装備体系となれば、かなり高価格なプレミアムEVとなることは間違いない。
新しいボディの下には、吉利汽車(Geely)が開発したプラットフォームを採用する。最上位となるデュアルモーター仕様は前後にモーターを配置したAWDとなり、システム最高出力は400kW(544ps)に達する。
0-60マイル/h(約96km/h)加速は4秒未満、最高速度は200km/hで電子制御される見込みだ。車高とルーフを高めた実用型SUVとはいえ、そのパフォーマンスはスポーツカー顔負けとなる。
一方、4 SUVでさらに興味深いのが航続距離だ。
リヤモーターのみで後輪を駆動するロングレンジ仕様では、WLTPモードで最大630kmの航続距離が示されている。これが量産仕様でも実現すれば、ドイツ市場で最大609kmとされるテスラ「モデルY」を上回る計算だ。
しかも、クーペSUVのポールスター 4より背の高いボディでありながら、エネルギー効率が改善される可能性もある。空力性能の見直しだけでなく、モーターや制御ソフトウェアにも手が加えられている可能性が高い。
ニュルブルクリンクへ持ち込んで高速テストを繰り返していることからも、ポールスターが効率だけを追求しているわけではないことがわかる。実用的なSUVへ姿を変えても、ハンドリング性能をブランドの柱として残す考えのようだ。
ポールスター 4 SUVは、韓国・釜山にあるルノーコリアの工場で生産される予定で、受注開始は2026年9月とされている。
リヤウインドウを捨てるという大胆なアイデアで登場したポールスター 4に対し、新しい4 SUVは、その個性をあえて一部取り戻すことで実用性を高める。単なる「背の高いポールスター 4」ではなく、より幅広いユーザーを狙ったモデルとなりそうだ。




















