ホンダ・プレリュードの基本情報




現行プレリュードは、2025年9月5日に発売された6代目モデルである。Hondaは「UNLIMITED GLIDE」をグランドコンセプトに掲げ、グライダーで滑空するような高揚感を目指したスペシャリティスポーツとして開発した。
パワートレーンには、2.0L直噴エンジンと2つのモーターを組み合わせたe:HEVを採用する。駆動方式はFFで、トランスミッションは電気式無段変速機。エンジンは最高出力141PS、走行用モーターは最高出力184PSを発揮し、WLTCモード燃費は23.6km/Lとなる。
ボディサイズは全長4,520mm、全幅1,880mm、全高1,355mm。低い全高とワイドなボディを組み合わせたプロポーションを持ち、乗車定員は4名としている。
通常仕様の「PRELUDE」に加え、2026年8月20日には特別仕様車「PRELUDE 2027 Limited Edition」が発売された。メーカー希望小売価格は通常仕様が617万9,800円、2027 Limited Editionが630万6,300円。いずれもFFである。
2027 Limited Editionは、専用色のプレミアムクリスタルガーネット・メタリックを採用。レッドの前後バンパーアクセントや切削ブラッククリアの19インチアルミホイール、レッドのブレーキキャリパーなどを備える。インテリアもボルドー×ブラックを基調とした専用仕様だ。
代表グレード
| 項目 | PRELUDE |
| 車両型式 | 6AA-BF1 |
| 駆動方式 | FF |
| トランスミッション | 電気式無段変速機 |
| 全長×全幅×全高 | 4,520mm×1,880mm×1,355mm |
| ホイールベース | 2,605mm |
| 車両重量 | 1,460kg |
| 乗車定員 | 4名 |
| エンジン | 水冷直列4気筒 DOHC |
| 総排気量 | 1,993cc |
| エンジン最高出力 | 104kW(141PS)/6,000rpm |
| エンジン最大トルク | 182N・m(18.6kgf・m)/4,500rpm |
| モーター最高出力 | 135kW(184PS)/5,000~6,000rpm |
| モーター最大トルク | 315N・m(32.1kgf・m)/0~2,000rpm |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 燃料タンク容量 | 40L |
| WLTCモード燃費 | 23.6km/L |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| タイヤ | 235/40R19 96W |
| メーカー希望小売価格 | 6,179,800円(税込) |
ホンダ・プレリュードの魅力

現行プレリュードの魅力のひとつが、スペシャリティカーらしいスタイリングである。
低くシャープなフロントノーズから、滑らかなルーフラインへとつながるワイド&ローのプロポーションを採用。フラッシュアウターハンドルやルーフモールを廃したクリーンなルーフラインなど、細部まで一体感を意識したデザインに仕上げられている。
走りでは、e:HEVの特性を生かしながらスポーツモデルらしい操作感を演出する「Honda S+ Shift」が特徴だ。
モーター駆動を基本としながら、エンジン回転数や駆動力などを協調制御し、有段変速機のような変速フィールを表現。仮想8段の変速制御とパドルシフトを組み合わせることで、加減速時の一体感を高めている。
シャシーには、CIVIC TYPE Rで培われた技術も取り入れられた。フロントにはデュアルアクシス・ストラット、リアにはマルチリンク式サスペンションを採用し、プレリュード専用にセッティング。アダプティブ・ダンパー・システムも備え、ハンドリング性能と乗り心地の両立を図っている。
クーペスタイルでありながら、荷物を積みやすいことも特徴である。
後部には開口部の広いテールゲートを採用。後席を倒すことで長尺物にも対応でき、ゴルフバッグや旅行用の荷物などを積載できるスペースを確保した。スポーツモデルとしてのスタイルと、日常での使い勝手を両立したパッケージである。
そのほか、Googleを搭載したHonda CONNECTディスプレーやBOSEプレミアムサウンドシステムなども装備。走行性能だけでなく、車内で過ごす時間の快適性にも配慮されている。
ホンダ・プレリュードの変遷
プレリュードは1978年の初代から現行モデルまで、6世代にわたって展開されてきた。
初代から5代目までは2ドアクーペとして歩み、2025年に復活した6代目では大きなテールゲートを備えた3ドアのボディへと変化している。
初代 SN型(1978年~1982年)
初代プレリュードは1978年11月に登場した。
1,750ccのCVCC水冷直列4気筒エンジンを搭載し、駆動方式にはFFを採用。前席を重視した4人乗りの2ドアクーペとして開発され、一部グレードには国産車初となる電動式サンルーフを標準装備するなど、当時としては先進的な装備も取り入れられた。
2代目 AB/BA1型(1982年~1987年)
2代目は1982年11月に登場した。
リトラクタブルヘッドライトを採用し、フロントサスペンションにはダブルウィッシュボーン式を導入。低いボンネットラインを実現しながら、走行性能にも力を入れたモデルとなった。
当初は1.8Lエンジンを中心に展開し、その後は2.0L DOHCエンジン搭載車も加わるなど、性能面でも改良が進められた。
3代目 BA4/BA5/BA7型(1987年~1991年)
1987年に登場した3代目は、国内累計17万5,634台を販売し、歴代プレリュードで最も売れた世代となった。世界初となる舵角応動タイプの4WSを設定したことでも知られている。
ハンドルの操舵量に応じて後輪を前輪と同方向または逆方向へ操舵する仕組みで、高速走行時の安定性と低速時の取り回しの向上を狙った技術である。プレリュードを象徴する先進技術のひとつとなった。
4代目 BA8/BA9/BB1~4型(1991年~1996年)
4代目は1991年に登場。ボディをワイド化し、それまで以上にスポーツ性を意識した方向へと進化した。
上級モデルには2.2L DOHC VTECのH22A型エンジンを採用し、最高出力200PSを発揮。4WSも電子制御電動式の「ハイパー4WS」へと進化するなど、走行性能を高める技術が投入された。
5代目 BB5~8型(1996年~2001年)
5代目は1996年11月に登場した。
縦長のヘッドライトを採用するなど外観を一新し、グレードによって異なるエンジンや走行技術を展開。スポーツグレードの「Type S」には最高出力220PSの2.2L DOHC VTECエンジンとATTSを搭載した。
AT車にはシーケンシャル操作に対応する「Sマチック」も設定。性能だけでなく、ドライバーが操作を楽しむための装備も取り入れられている。
5代目は2001年に販売を終了し、プレリュードの車名はいったんHondaのラインナップから姿を消した。
6代目 BF1型(2025年~)
約24年の空白期間を経て、2025年9月にプレリュードが復活した。
2.0Lエンジンと2モーターハイブリッドシステムを組み合わせたe:HEVを採用し、Honda S+ ShiftやCIVIC TYPE Rで培ったシャシー技術を導入。歴代モデルが得意としてきた先進技術とスポーティな走りを、現代の電動化技術で表現したモデルとなっている。
新型プレリュードの販売状況
新型プレリュードの月間販売計画は300台である。発売から約1カ月後となる2025年10月6日時点では、累計受注台数が約2,400台に達した。月間販売計画の約8倍に相当し、発売直後から高い関心を集めたことがうかがえる。
実際の登録台数を見ると、発売月の2025年9月から11月までの3カ月累計は1,501台。月間販売計画を単純に3カ月分へ換算した900台を約600台上回り、計画の約1.7倍となった。発売初期は、受注だけでなく登録実績でも計画を上回るペースで推移したことになる。
2026年1月から3月までの累計登録台数は1,502台。とくに3月は754台を記録し、確認できる月のなかでは発売後最多となった。3カ月累計でも2025年9~11月とほぼ同じ規模である。
その後は5月が83台、6月が107台となり、いずれも月間販売計画の300台を下回った。月ごとの登録台数には大きな振れ幅が見られるため、販売動向を捉える際は、単月だけでなく数カ月単位の推移もあわせて見る必要がある。
なお、2025年12月や2026年4月など、一部の月は無料で閲覧できる公開情報から登録台数を確認できていない。そのため、発売から現在までの累計販売台数については、確認できた数値のみを単純に合算せず、正式な月別データが揃った段階で算出するのが適切である。
ホンダ・プレリュードの気になるポイント

現行プレリュードを検討するうえで、まず確認しておきたいのがボディの大きさである。
全幅は1,880mmで、最小回転半径は5.7m。ワイドなプロポーションはデザインや走行性能につながる一方、狭い道路や駐車場では車幅を意識する場面も考えられる。自宅の駐車スペースや普段利用する道路環境は、購入前に確認しておきたい。
後席も使い方を考慮したいポイントである。
乗車定員は4名だが、低く伸びやかなルーフラインの影響で後席の頭上空間は限られる。Motor-Fanによる成人男性4名での乗車検証でも、後席は足元より頭まわりの余裕が少ないと評価されている。日常的な多人数乗車より、前席を中心に使用し、必要に応じて後席を活用する使い方との相性がよい。
価格も検討材料となる。
通常仕様でも600万円を超える価格設定であり、購入時には車両価格と求める性能・装備のバランスを見極めたい。
現行型はe:HEVのFFのみで、MTや4WDの設定はない。歴代モデルにはMT車も存在したため、トランスミッションや駆動方式を複数の仕様から選びたい場合は、選択肢が限られる。
ホンダ・プレリュードの中古市場
プレリュードの中古市場は、2025年に登場した現行型が中心となっている。
2026年8月25日時点のグーネットでは、プレリュード全体で208台の中古車を掲載。中古車価格帯は83万円から670万円、平均価格は484万5,000円である。
モデル別では、2025年9月以降の現行型が175台と大半を占める。一方、5代目は22台。さらに古い世代になるほど掲載台数は少なく、現行型と旧型で流通状況が大きく異なる。
価格も世代によって差がある。
現行BF1型の中古車価格は451万円から670万円。5代目のBB6型は106万2,000円から315万円、BB8型は148万円から239万円で掲載されている。
プレリュードの中古車を探す場合は、車名全体の平均価格だけでは実態を捉えにくい。現行型を新車より予算を抑えて購入したいのか、過去のプレリュードを所有したいのかによって、比較対象は大きく変わる。
まず世代を決め、そのうえで年式や走行距離、車両状態を比較することが、中古プレリュードを選ぶ際の基本となる。
ホンダ・プレリュードを中古で購入する際の注意点
プレリュードを中古で購入する際は、現行型と旧型で確認項目を分けて考えたい。
現行型は発売から日が浅いため、走行距離や修復歴に加え、Honda SENSINGやHonda S+ Shift、Honda CONNECTなどの機能に異常がないかを確認したい。保証の残存期間や継承の可否も、契約前に販売店へ確認しておくとよい。
中古市場には、登録済未使用車や販売店のデモカーとして使用された車両も見られる。走行距離だけでなく、これまでの使用状況を確認することで、車両の状態を判断しやすくなる。
旧型では、経年による状態変化がより重要になる。
最も新しい5代目でも販売終了から25年ほどが経過しているため、エンジンやトランスミッションだけでなく、ブッシュやゴム類、サスペンション、冷却系、電装系なども確認対象となる。整備記録が残っている場合は、過去の交換部品やメンテナンス状況まで見ておきたい。
世代やグレードごとに搭載技術が異なることにも注意が必要だ。
3代目には舵角応動タイプの4WS、4代目には電子制御式4WS、5代目Type SにはATTSなどが採用されている。こうした機構を備える旧型では、正常に作動するかだけでなく、故障した場合の修理可否や部品の入手についても販売店や専門店へ確認しておきたい。
旧型には、ホイールや足まわり、マフラーなどを変更した車両もある。カスタム車を検討する場合は、取り付け状態や車検への適合、純正部品の有無まで確認しておくと安心である。
ホンダ・プレリュードの中古が高い理由
プレリュードの中古車は、全体として高い価格水準になりやすい。大きな理由は、中古市場に占める現行型の割合である。
前述したとおり、2026年8月25日時点では208台のうち175台が2025年以降のモデル。全体の8割以上を発売から日が浅い現行型が占めているため、中古車全体の平均価格も高くなりやすい構成だ。
現行型そのものが、新車時から600万円を超える高価格帯のモデルであることも背景にある。発売からまだ1年を経過しておらず、市場には高年式の車両が多い。新車からの経過年数が短いことも、中古価格に反映されていると考えられる。
旧型では事情が異なる。プレリュードは2001年に一度販売を終え、2025年まで新車の販売が途絶えていた。時間の経過とともに旧型の流通台数は限られ、希望する世代やグレード、状態まで絞ると選択肢はさらに少なくなる。
現在の中古市場では、発売から日が浅い現行型が多いことに加え、旧型の流通量が限られている。こうした市場構成が、プレリュード全体の中古価格を高い水準に押し上げる背景となっている。
まとめ

現行プレリュードは、スポーティなデザインや走行感覚に加え、ハイブリッドによる燃費性能や荷室の使いやすさも備えたスペシャリティスポーツである。
SUVやミニバンとは異なるスタイルを求めながら、日常での扱いやすさも重視したい人にとって、特徴のはっきりした選択肢となる。
中古車を検討する場合は、現行型と旧型で価格帯だけでなく、搭載技術や確認すべきポイントも大きく異なる。予算や使い方、求める走行性能を整理したうえで、自分に合った世代を選びたい。
