高速道路での未着用は違反点数1点!一般道でも着用義務は同じ

自動車を運転する際、同乗者のシートベルト着用状況を確認することもドライバーの責任といえるだろう。
多くのドライバーが運転席や助手席のシートベルトには注意を払う一方で、後部座席については意識が薄れがちだという現状があるが、実際には運転席や助手席だけでなく、後部座席のベルトについても法令上の着用義務が定められている。
そこで知っておきたいのが、道路の種類によって生じる交通違反時の扱いの差である。
道路交通法第71条の3では、後部座席を含めた全ての座席でのシートベルト着用が義務付けられているものの、一般道路においては後部座席の非着用に対する罰則の適用はなく、口頭での指導や注意にとどまるのが実情だ。
一方、高速道路においては扱いが異なり、後部座席のシートベルトを着用していない場合はドライバーに対して行政処分の基礎点数1点が科されることになる。
つまり、同じ「義務」であっても、道路の種類によって実際の処分には差が設けられているというわけだ。
ただし、罰則の有無にかかわらず着用義務そのものはどの道路でも変わらない点には注意したい。

くわえて、非着用時のリスクは罰則の有無とは別の問題として存在することも念頭に置いておく必要があるだろう。
警察庁が公開する情報によれば、後部座席でシートベルトを着用していない場合の高速道路での致死率は着用時の約13.9倍にものぼるとされ、一般道路でも約2.8倍に高まるという。
時速60kmでの衝突は高さ14mのビルから落下するのと同等の衝撃に相当するとされ、車内での強打や車外への放出、さらには前席の乗員への二次被害につながるおそれもある。
こうした危険性を踏まえれば、罰則の有無にかかわらず、どの道路であっても後部座席での着用が望ましいといえるだろう。
一般道の着用率は依然低水準!シートベルトリマインダーで徹底進む

では、実際の着用状況はどうなっているのだろうか。
警察庁とJAFが2025年に合同でおこなった「シートベルト着用状況全国調査」によれば、運転席と助手席の着用率はいずれも96%を超えており、多くのドライバーが日常的にシートベルトを着用していることが明らかになった。
一方、後部座席の着用率は一般道路で45.8%にとどまっており、前年比では0.3ポイントの微増にすぎないほか、高速道路等における後部座席の着用率は79.9%と、一般道路に比べると高い水準にあるものの、こちらも前年比0.2ポイントの増加にとどまっている。
このことから、高速道路での利用時には着用意識が高まる一方、日常的に使う一般道路では依然として油断が生じやすい実態がうかがえる。

そのため、着用率の底上げに向けた取り組みが各方面で進められている。
とくに注目されているのが、全席対応のシートベルトリマインダーの普及だ。
これは座席ごとの着用状況を検知し、未着用の場合に警告音や表示で知らせるしくみであり、後部座席も含めた全席での着用徹底を後押しするものとして期待されている。

くわえて、6歳未満の子どもや、6歳以上であっても体格等により適切に着用できない子どもについては、チャイルドシートの使用が義務付けられている点も忘れてはならない。
もし交通事故が発生した場合、シートベルトの非着用によって被害が拡大したと判断されれば、過失相殺の対象となる可能性もゼロではなく、実際の判例では、非着用による過失相殺率が10%とされた事例も報告されているという。
後部座席のシートベルトは罰則の有無にかかわらず、乗員の命を守るうえで欠かせないものであることを念頭に置き、高速道路か一般道路かを問わず、乗車する際には全席でのシートベルト着用を習慣づけていこう。
