公道市販車で“最弱”の集まり!?

2026年10月某日、知人からメールが届いた。『路上最弱ミーティングやりますので遊びに来てね!』といった内容だ。はて、路上最弱とは? 現地に赴いてみるとその理由がわかった。確かにか弱い、だけど愛おしい車両ばかりが集っていた。

PHOTO:@coona_mts(こな)

主催者の唱える路上最弱とは、いわゆる『ソフトバイク』の意。これは70年代から80年代初頭にかけて発売された原付、その中でも主婦をはじめとした女性ユーザー向けに製作されたものを指す。それまでに発売されたレジャー&ファミリーバイクとリンクする部分も多いが、ザックリ言えば、「簡単操作で初心者でも扱いやすく、軽量でちょい乗りに便利。しかもリーズナブル!」といった具合だ。

集会だけでなく都内を巡るツーリングも決行。代表的なソフトバイクのほかに、シャリィなどのレジャーモデル、カブシリーズのビジネスモデルなど様々な車種が勢揃い。いちょう並木では、銀杏の香りとバイクのニオイが混ざって鼻孔をくすぐる!

40年前と変わらぬ姿に感動!

当ミーティングでは早朝にもかかわらず都内外から30台近くのソフトバイクが集結! オーナーは当時を知る年配ばかりかと思いきや若者の姿も多く、世代を超えた交流が楽しめた。さて、当日の詳細については次回以降でも語るとして、ここからは参加車両をピックアップしてお届け!

【ロードパル】ラッタッタの愛称で親しまれる定番モデル

ソフトバイクブームの火付け役として知られる1976年発売のホンダ・ロードパル。テレビCMでイタリア女優が口ずさんでいたことに由来する“ラッタッタ”の愛称でも親しまれている。当時価格は5万9800円。

OWNER:yoshitake009さん/PHOTO:@coona_mts(こな)

モペット(自転車)タイプの車体は前後14インチの小径タイヤでシート高は715㎜と小柄な人でも足がつきやすい。2Lの燃料タンク&0.8Lのオイルタンク一体化し、後方に備えて軽快なスタイルに。テレスコフォークやスプリング付きのリヤショックで乘り味も良好だ。

ゼンマイ式の特殊な始動方法!

エンジンは約2.2PSを発揮する空冷2スト49㏄を搭載し、44kgの車重と相まってキビキビ走れる。さて、ちょっと変わってるのがその始動方法だ。ゼンマイを利用したタップスターターは、まずペダルが重く(固く)なるまで踏み込むことで内部のゼンマイが巻き上げられる。そしてリヤブレーキレバー(左レバー)を握れば、一気にゼンマイが解放=クランキングされてエンジンが掛かる仕組みなのだ。

キックペダルを踏み下ろすのではなく、ゼンマイの蓄力を利用することで不慣れな人でも始動しやすくなっている。なお翌年(’77年)には自動巻機構のクイックスターターを採用した「ロードパル・L」が、79年にはキックスタート式の2速ATモデル「ロードパルS」がリリースされた。

【タウニィ】男性向けのワイルドな一台!

ソフトバイク=女性向けと言ったけれど一部例外も? 1980年に発売されたヤマハ・TOWNY(タウニィ)は、前年のキャロットをベースにしており、無骨なプレスバックボーンフレームに最高出力2.8psのパワフルな空冷2ストエンジンを搭載。「30代男性が気軽に扱えるソフトバイク」という、ニッチなジャンルを突いたコンセプトで開発された。当時価格8万9800円。

OWNER:ria_bikeさん

高めに配置したセンターフレームがアクティブな印象を与え、ソリッドなカバーも加わってスパルタンな雰囲気に。AT2段変速とシャフトドライブの組み合わせによってキビキビと走ってくれる。前16インチ、後14インチのリムも踏まえて、他のソフトバイクよりも車格は一回り大きく存在感もバッチリ。颯爽と駆ける女性オーナーに惚れ惚れしちゃいます! 撮影車はフロントフェンダーを上位置に変更し、ボディ同系色のスポークラップでドレスアップ。

燃料タンク容量は約2.8ℓで、シート下位置に配置される。なお後継機のポップギャルでは、ティアドロップ型タンクをフレーム前方にセットしてアメリカンライクにアレンジ!

スクエア型のメーターパネルは、右上に警告灯を配置。キーシリンダーは「切」、「始動」、「走行」の3段階。点火方式はCDIで始動性にも優れる。

バイク本来の楽しみが味わえる!

PHOTO:@coona_mts(こな)

一世を風靡したソフトバイクは速さを求めないならば、買い物や近所の用足しなどで使う分には申し分なし! 絶対的なパワーはないけれど、車体全体の作りもそれなりというかプアーなので、走り方によってはスリリングな一面も(笑)。ちょっとヤレていても、時代を考えればそれもご愛敬だ。ソフトバイクは原チャリの中でも特殊なジャンルだけにやり甲斐がありそうだ。

■次回は、イベント模様に加えて自転車と見まごう本気のモペッド達をご紹介!