新型RWシリーズはオンロードとオフロードの走行性能を両立

RWシリーズは、街乗りや長距離移動での快適性を確保しながら、未舗装路での走行にも対応することを目指して開発されたアドベンチャースクーターだ。
シリーズ名の「RW」は「Real-World Performance」を意味する。ヤマハは、既存のスクーターにアドベンチャーモデル風の外装を組み合わせるのではなく、日常での使いやすさと本格的な走行性能を両立する新しいカテゴリーとして位置づけている。
外観には大型スクリーンや4灯式LEDヘッドライトを採用し、一般的なスクーターとは異なる力強いスタイリングを与えた。
また、スクーターのように足を前方に置けるフットボードに加え、モーターサイクルに近い姿勢で使用できるフットペグも装備する。
ライダーは走行状況に応じて足の位置を変更でき、未舗装路などではスタンディングでの走行にも対応する構造となっている。
RW700は689ccのCP2エンジンとY-AMTを搭載


RW700とRW700 Exploreには、「MT-07」や「Ténéré 700」などにも採用されている689ccの水冷4ストローク並列2気筒エンジン「CP2」を搭載する。
最高出力は51kW(69.3PS)/8,250rpm、最大トルクは65.0N・m/6,500~6,750rpmを発生する。
トランスミッションには、ヤマハ独自の自動変速機構「Y-AMT」を組み合わせた。クラッチレバーやシフトペダルを操作することなく、6速トランスミッションによる変速が可能となっている。
車両が変速操作を行うオートマチックモードと、ハンドル左側のスイッチで任意にギアを選択するマニュアルモードを切り替えられる。
今回のRW700では、Y-AMTをオフロード走行にも対応するよう最適化した。
また、スクーターのように足を前方へ伸ばせるフットボードと、ライディングポジションを変更できるフットペグを組み合わせ、走行状況に応じて足の位置を選べる構造としている。
これにより、街乗りや長距離移動だけでなく、未舗装路でのスタンディング走行にも対応する点はRW700の大きな特徴だ。
RW700は5種類の走行モードを搭載! 未舗装路に対応する電子制御も充実
RW700シリーズには6軸IMUを搭載し、トラクションコントロールやスライドコントロール、ブレーキ制御などの電子制御システムと連携する。
ヤマハ・ライド・コントロール(YRC)には、舗装路向けのROADモードと未舗装路向けのGRAVELモードを設定した。
ROADモードには「STREET」「SPORT」「ECO」の3種類、GRAVELモードには「EXPLORE」「EXPLORE+」の2種類を用意し、走行環境に応じてエンジン特性や電子制御の設定を切り替えられる。
GRAVELモードではリアABSを解除することも可能で、未舗装路での後輪の動きをコントロールしやすい設定となっている。
足まわりには、フロントにインナーチューブ径41mm、ストローク160mmの倒立フォーク、リアにストローク155mmのモノショックを採用した。
車体のシート高は810mm、最低地上高は170mm、燃料タンク容量は14L、装備重量は221kgとなっている。
上位モデル「RW700 Explore」は快適装備を充実
RW700 Exploreは、標準モデルをベースに長距離走行での快適性を高めた上位仕様だ。
フロントフォークにはプリロードと伸び側減衰力の調整機構を追加。さらに、10段階で温度調整が可能なグリップヒーターとシートヒーター、センタースタンド、バックライト付きスイッチ類を標準装備する。
装備重量は224kgで、標準モデルより3kg重い。
車体色は、RW700にセージブルーとパワーグレー、RW700 Exploreにフォレストグリーンとミッドナイトブラックを用意する。
また、両モデルには欧州のA2免許に対応する最高出力35kW仕様も設定される。
RW350は新開発エンジンと独自の車体構造が特徴

一方、RW350は、RW700よりもコンパクトな車体に新開発の330ccクラスの水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブエンジンを搭載するモデルだ。
RW700が6速Y-AMTを採用するのに対し、RW350はCVT(無段変速機)を組み合わせており、変速操作を必要としない手軽さを重視している。
RW350で特に注目したいのが、「ヤマハ ダイナミックライド」と呼ばれる独自のエンジン・駆動系レイアウトだ。
一般的なスクーターでは、エンジンや駆動系がリアサスペンションの動きに連動する構造が多く採用されている。
これに対し、RW350ではエンジン本体をフレーム側に固定し、CVTユニットがスイングアームとともに可動する構造を採用した。この構造により、バネ下重量の低減や車体剛性の向上を図り、未舗装路での走行安定性を高めているという。
つまり、RW700がCP2エンジンとY-AMT、充実した電子制御によって幅広い走行性能を実現するのに対し、RW350は新しいエンジン・駆動系レイアウトを用いて走行性能と扱いやすさの両立を追求している。
同じRWシリーズでも、異なる技術的なアプローチを採用していることが分かる。
また、電子制御スロットル「YCC-T」を採用し、走行モードには「STREET」「EXPLORE」「ECO」の3種類を設定。クルーズコントロールも標準装備する。
足まわりには、フロントに37mm径の倒立フォーク、リアに7段階のプリロード調整機構を備えたツインショックを採用した。
ホイール径はフロント16インチ、リア14インチ。専用開発のダンロップ製「D615」ブロックパターンタイヤを装着する。
最低地上高は185mmで、車体下部にはスキッドプレートを装備。悪路での走行を想定した構成となっている。
さらに、5インチTFTカラーディスプレイやスマートキー、USB-Cポートなども採用する。
車体色にはセージブルー、アラシサンド、ミッドナイトブラックの3色を用意。
RWシリーズの日本発売は? 今後のモデル追加にも言及
ヤマハは今回の発表会で、RWシリーズを新たなカテゴリーとして展開する方針を明らかにした。
欧州市場には用途や運転経験、免許区分などが異なる幅広いユーザーが存在することから、今後も同シリーズのラインアップを拡充していく考えだ。
今回発表されたRW700、RW700 Explore、RW350は、その第一弾となるモデルに位置づけられる。なお、RWシリーズの販売価格や日本国内への導入については、今回確認した発表情報では明らかにされていない。
