ディアベルとデザートXが進化、走りの個性を磨く

ドゥカティは、イタリアで開催されるEICMA(ミラノ・モーターサイクルショー)2026で、5つの新型モデルやプレビューモデル、新色を採用した車両を公開した。創業100周年を迎えた今回は、ロードモデルの進化に加え、オフロード分野の拡充も打ち出している。

注目の一台が、2027年モデルの「Diavel V4」だ。クルーザーの存在感とスポーツバイクの運動性能を融合するコンセプトを継承しながら、吸気口やテール部分、ホイールなどを刷新。Diavel V4 RSに着想を得たデザインで、スポーティな印象を強めた。

168psを発生するV4グランツーリスモエンジンには、新しい電子制御を採用。低中回転域の滑らかな応答性を追求し、クイックシフト2.0や6.9インチTFTディスプレイも備える。V4モデルとして初登場するS仕様には、車体の動きに応じて制御するオーリンズ製セミアクティブサスペンションを搭載した。

一方、「デザートX Rally」は890ccのV2エンジンを中心とする新たな車体構成を採用。最高出力110ps、最大トルク92Nmを発生し、低中回転域での力強さを重視する。専用モノコックフレームやKYB製サスペンション、前21・後18インチのホイールなどを組み合わせ、厳しい路面での操作性と走破性を磨いた。

レースの技術を注ぐ3つのSPモデル

サーキット志向のライダーに向けては、「Panigale V4 SP」「Panigale V2 SP」「Streetfighter V4 SP」が登場した。それぞれのモデルに競技由来の装備を投入し、スポーツ性能を高めている。

Panigale V4 SPは、新型Panigale V4 Sをベースとするシリアルナンバー付きモデル。218psのエンジンに、ニュートラルロックを備えたレーシングギアボックスを組み合わせる。カーボンファイバー製ホイールや乾式クラッチ、オーリンズ製電子制御サスペンションを採用し、大型ウィングとコーナーサイドポッドによって空力性能も追求した。

Panigale V2 SPは、スーパースポーツ世界選手権への投入を目的に開発された。120psのV2エンジンに、オーリンズ製サスペンション、ロングスイングアーム、軽量鍛造ホイールなどを組み合わせる。V2シリーズの中でも競技を強く意識した仕様となり、市販車とレース活動のつながりを示す。

Streetfighter V4 SPは、ネイキッドモデルの上級仕様として登場。214psのエンジンに、カーボンファイバー製ホイールや乾式クラッチ、調整式フットペグなどを装備する。伝統の「ウィンターテスト」カラーをまとい、公道とサーキットの双方で走りを楽しめるモデルを目指した。

新たなカラーとエンデューロで選択肢を拡大

個性を際立たせるモデルや、新しいカラーリングも会場を彩る。「Hypermotard 698 Mono RVE」はグラフィティ調のデザインを進化させ、「Hypermotard V2 RVE」は2気筒モデルに象徴的なRVEデザインを採用。走りの楽しさに加え、外観の魅力も打ち出している。

「Scrambler Full Throttle」の新しいヘリテージカラーは、1970年代のレーシングマシンに着想を得たグリーンとブロンズが特徴だ。「XDiavel V4 Black Edition」はブラックを基調とし、「Multistrada V2 Sport Livery」は赤と黒を生かした配色でスポーティさを表現する。

オフロード分野では、「Desmo250 EDS」をプレビュー公開した。先に披露されたDesmo450 EDSに続くモデルで、欧州では2027年夏に販売を開始する予定だ。アドベンチャーからエンデューロまで領域を広げることで、ドゥカティが提案する走りの舞台も多様になっている。

会場ではこのほか、Monster Dark、Multistrada V4 Grand Tour、Multistrada V4 Pikes Peak、Panigale V4の2027年モデルなどの実車も披露される。

名車とともに振り返る創業100周年の歴史

新型車と並ぶ見どころが、創業100周年を記念した特別展だ。会場のサウス・エントランスに設けられた展示では、ブランドを形作ってきた100の出来事を通じ、技術、デザイン、モータースポーツの歩みを紹介する。

展示には、ドゥカティ・ミュージアムやアーカイブ所蔵の車両、貴重な限定生産モデルが集結。MotoGPやスーパーバイク世界選手権で活躍したマシンに加え、1978年のマン島TTでマイク・ヘイルウッドが使用した900 SSなど、歴史を象徴する車両が並ぶ。

100周年記念コレクション「Collezione 100」の展示ツアーも、EICMAが最終目的地となる。過去の名車と最新モデルを同じ会場で紹介する今回の出展は、ドゥカティが受け継いできた競技への情熱と、次の時代に向けた開発の方向性を伝える機会となりそうだ。

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