KTM X-BOW GT-XR SPYDER
7インチ高解像度ディスプレイを搭載

2024年11月、業績の悪化を受け、オーストリアの裁判所で破産手続きに入ったKTM。これを受けて、2025年に世界的なビール製造グループであるアンハイザーの創業家である、ギヨーム・ド・メビウス率いる投資家グループの傘下に入った。ド・メビウスはダカール・ラリーに参戦する現役ドライバーであり、KTM X-BOW オンロードの代表として再建に努めることになった。
KTMのメイン車種である「X-BOW GT-XR」は、超軽量フルカーボン製モノコックとレーシングカー由来のシャシーを組み合わせることで、極めて高い剛性レベル、優れたパワーウェイトレシオを実現。公道でもサーキットにおけるパフォーマンスを維持しながら、魅力的なアップデートが実施されることになった。
全てのラインナップ共通雨の改良点として、コクピットに7インチの高解像度マルチメディアディスプレイを標準装備。サウンドシステムとBluetooth機能も統合されており、公道走行時にはApple CarPlayとAndroid Autoに対応し、シームレスな接続性と日常的な使い勝手を実現した。
公道ではコネクティビティ機能、サーキットではデータロガーとして走行をサポートする。サーキット走行時には、Gメーター、ラップタイマー、各種温度表示など、走行に不可欠なパフォーマンスデータをディスプレイに表示。オプションの「CAN TPMS」を追加することで、取得できるテレメトリーデータをさらに拡充することが可能になった。
従来のカメラ式システムに代わり、フルカーボンファイバー製の保安基準適合ミラーが標準装備される。これにより、後方の状況を正確かつ歪みのない視界で確認することが可能になった。このミラーは折りたたみ式機構を採用しており、従来のカメラシステムもオプションとして引き続き選択可能となっている。
さらに、ドイツの高級エキゾーストシステムメーカーの「カプリスト(Capristo)」と共同開発した新エキゾーストシステムが、すべてのKTM X-BOW GT-XRに標準装備。EU域内で公道走行の認証を取得しており、関連するすべての認証要件を満たすよう設計されている。
オープンエアを堪能できるスパイダー

爽快なオープンエアドライビング体験を提供する「KTM X-BOW GT-XR スパイダー」は、複数のルーフ構成を用意することで、状況に応じて車両の仕様を変更できる。ルーフパーツをラゲッジコンパートメントに収納できる専用の収納システムも組み込まれており、オープン走行とクローズド走行の切り替えをスムーズに行うことも可能だ。
ルーフを取り外して走行すれば、ドライバーは路面やエンジンサウンド、周囲の環境をより身近に感じることができる。安全性に一切の妥協は行われておらず、ルーフ構造は車両重量の6倍に相当する荷重にも耐えられる設計が行われた。安全性と保護性能を確保しながら、同時に重量増加はごくわずかに抑えられている。
今回のアップデートでは、スパイダーに専用開発された着脱式のルーフガーニーを導入。これにより、オープントップ走行時の乱気流と風切り音を低減しながら、パフォーマンスを犠牲にすることなく走行することが可能に。高速走行時に安定した挙動を保ちつつ、強力なエンジンサウンドを存分に楽しめるようになった。
パフォーマンスが引き上げられた「エボ」

パフォーマンス仕様の「KTM X-BOW GT-XR エボ」も、走行性能が大幅に引き上げられた。新開発の「ファクトリー600パッケージ」による出力向上と、「EVOエアロキット」による空力性能の強化を組み合わせることで、さらに刺激的で一体感を持ったドライビング体験を堪能することができる。
ファクトリー600パッケージにより、最高出力は500PSから驚異的な600PSにアップし、最大トルクは581Nmから680Nmへと引き上げられた。アクセルレスポンスの向上、加速性能の強化、冷却性能の改善、そして高回転までスムーズに吹け上がるエンジン特性が導入される。アクセル操作に対してよりダイレクトに反応し、よりダイナミックでレスポンスに優れたスーパースーツに仕上げられた。
このファクトリー600パッケージは、新車購入時の純正オプションだけでなく、既存のKTM X-BOW GT-XRオーナーに向けて、後付け改修キットとしても販売される。
今回、エンジンに大型で吸気抵抗の少ないインテークマニホールドを採用。吸入空気量を増やし、シリンダーへの充填効率を高めることで、レスポンスの向上と背圧の低減を実現した。ターボチャージャーは、タービンホイールとコンプレッサーホイールの直径をそれぞれ7mm拡大し、形状を最適化するとともにベアリングを強化している。
パフォーマンス・エアインテークシステムは、吸気経路を短く、太くするとともに、大型エアフィルターを採用し、エアボックスの配置も変更。これにより、フレッシュエアを素早くエンジンへと取り込み、圧力損失を低減するとともに、アクセルレスポンスを改善する。

