マツダ・SKYACTIV-X(スカイアクティブX)エンジンは圧縮比16.0。空燃比は32〜40! マツダ・SKYACTIV-X(スカイアクティブX)エンジンは、内燃機関を次のステージに引き上げる
- 2017/10/10
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Motor Fan illustrated編集部 鈴木慎一

発表以来、注目を集め続けているマツダ・スカイアクティブX。
10月初旬、ついに国内でスカイアクティブXエンジンに対面することができた。マツダ開発陣のプレゼンテーションと、質疑応答で浮かび上がってきたスカイアクティブXエンジンの実像に迫る。
さらに深い解説は、10月13日発売のMotor Fan illustrated Vol.133で紹介する。

「MAZDA Japan Tech Forum 2017」とタイトルがつけられた技術説明&試乗会は、マツダの美祢テストコースで行われた。
用意されたモデルは、次世代エンジン、「スカイアクティブX」と次世代シャシー&ボディ技術、「スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャー」を搭載したプロトタイプカー(AT車、MT車)とスカイアクティブG 2.0を搭載した現行のアクセラ(AT車、MT車)。乗り比べてもらうという趣旨だ。
試乗については、別項でお届けする。
ここでは、会場に置かれたスカイアクティブXの実機をじっくり観察するところから始めよう。
まずは、公表されたスペックから。
→試乗記はこちら
試乗記:素性の良さはすぐにわかる。スカイアクティブX+スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャーのプロトタイプ
SKYACTIV-X エンジン
直列4気筒DOHC
排気量:1997cc
最高出力:140kW(190ps)目標値
最大トルク:230Nm(目標値)
燃料:ガソリン95RON
スカイアクティブXが、8月に発表されたときは、「スパークプラグ点火(SI=Spark Ignition)で圧縮着火を制御するリーンバーン(希薄燃焼)エンジン」という説明だけで詳細はわからなかった。
今回の「MAZDA Japan Tech Forum 2017」で追加の技術情報が明らかになったので、再度「SKYACTIV-X」エンジンを紹介する。

SKYACTIV-X(スカイアクティブ)エンジン開発の目的は、WtoW(ウェル・トゥ・ホイール=油井から車輪まで)のCO2排出量を下げることだ。
「火力発電がなくなるまでEVなど不要だというレベルまで内燃機関の熱効率を高めたい。それが内燃機関研究者としての内なる目標です」
と語ったのは、“ミスター・エンジン”こと、マツダで長年にわたってエンジン開発を担当してきた人見光男常務執行役員だ。
現在のCセグカーのEVの実用走行時(モード値ではない)のCO2の排出量(平均的発電方法の電力で走った場合)と同じくSKYACITIV-Gのそれを比較すると、10%しか変わらない。
とすれば、スカイアクティブエンジン搭載車の実用燃費を10%ほど改善すればEVにCO2排出量で追いつくということだ。
現在のEVの平均電費が21.2kWh/100km(100km走るのに、21.2kWhの電気を使う)だとすると、発電方法によっては、すでにスカイアクティブエンジン搭載車の方がCO2が少ないケースもある(石炭発電、石油発電)。
マツダ開発陣は、原子力や再生可能エネルギーによる発電以外で最もCO2排出量が少ないLNG(液化天然ガス)による火力発電で供給された電力で動くEV(100g/km)と同等になるためには、30%の改善が必要だと考えている。
そのための手段がスカイアクティブXなのだ。
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