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TEXT:髙橋一平(Ippey TAKAHASHI) 中国で自動車運転免許を取ろう!!「えええっ!30日ビザじゃダメなの?」(その1)

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大連駅前の駐車場。背後には高層ビルが立ち並ぶ。大都市の常ともいえる高層ビル開発ですが、大連は頑丈な岩盤の上に位置するという地震が少ない環境もあって特に盛んです。駐車場は当然ながら満車を通り越して通路にも勝手にクルマが停められている状態。街中はどこへいってもこの調子でクルマが溢れています。

「中国でクルマを自分で運転したい!」となれば、運転免許、すなわちドライバーライセンスを取得しないと! そう思った自動車ジャーナリストの髙橋一平氏が、中国で四苦八苦して運転免許を取るまでの実体験記。中国で免許を取ってみたい人、中国の自動車事情が知りたい人、ぜひぜひ参考にしてみてください! さて、第一回、舞台は大連です。なぜか空母も出てきます。

それは、あるテストドライバー氏から伺った話に始まります。同氏は業界では知る人ぞ知る大ベテラン。近年、中国での自動車開発にも関わっておられて、頻繁に中国へ足を運び、テストドライブを通して“あるもの”の仕上げを担当されております(この“あるもの”が何かを言ってしまうと、名前を伏せている意味がなくなりますので…)。氏によるテストドライブは開発用のクローズドコース内のみ。開発に関わっているのは市販車(もしくは市販を前提とした開発)とのことで、当然市街地での試験も行なうとのことなのですが、この時は現地の(メーカーの)人間に運転で、同氏は助手席に座って評価するというのです。

確かに同氏は助手席であっても的確な評価ができるほどの方ではあります。とはいえ、テストドライバーが助手席とは、なんとも回りくどいではありませんか。そして、どうしてこのようなことになっているのかというところから、今回のテーマにつながります。

そう、「中国で自動車運転免許を取ろう!!」です。

僕がよく訪れているのは中国の大連。かつての満州国の玄関口とも言われた場所です。写真はその顔のひとつである大連駅。基本的に大連の街は日本の統治下で形成されたもので、その中心的存在であった大連駅もご覧の通り上野駅にそっくりの造り。本家の上野駅では廃止された二階につける車寄せなどもそのままです。中国の他の都市と同様に、再開発も活発に進められている大連ですが、一方でこうした古くからの建物も大事に使われ続けています。満州国の時代には大連駅からベルリン駅行きの切符が買えたといいます。スケールの大きい話です。
大連市街地の大渋滞。年々クルマの数が増えているうえ、北京や上海などのような第一線級の大都市で行なわれている、都市中心部に乗り入れることできる車両をナンバープレート末尾の数字で制限するような制度がまだ導入されていないということもあって、こうした状況は慢性的なものとなっています。

さて、前述のテストドライバー氏が助手席に甘んじていた理由ですが、それは中国の免許制度にあります。そして、
もっと正確にいうのであれば、話は運転免許証に関わるジュネーブ条約という国際条約に行き着きます。

テストドライバー氏のくだりで「なんで? 国際免許は?」と疑問が浮かんだ方もおられると思います。その疑問の答えこそがここにあります。 実は、中華人民共和国はこのジュネーブ条約に参加しておらず、日本の国際免許が通用しないのです。

ちなみに、ジュネーブ条約と聞いて「赤十字?」とアカデミック(?)な方向に思考回路が一瞬シフトした方は、きっと学生時代真面目に勉強されていた人でしょう。

確かにジュネーブ条約といえば世界史の教科書にも出てきます。1864年、かつての国際連盟(現在の国際連合とは異なる)の赤十字条約とも呼ばれるものに始まる、戦争犠牲者の保護や捕虜の待遇などに関わるそれが、一般的にはジュネーブ条約として有名ですが、ここで言うジュネーブ条約は道路交通に関するもので、1949年その名の通りジュネーブで行なわれた国際会議で採択されたもの(1952年より発効)。日本は1964年からこれに参加、これ以降日本で発行された国際免許が条約加盟国において使えるようになっています。

こちらが大連の運転免許試験場。とにかくその巨大さに圧倒されます。その内部の様子は次回にて。手前右側の見慣れないSUVは長城汽車という中国メーカーが手がける「HAVAL」というプレミアムブランドの「哈弗H9」と呼ばれるモデル。実はシルベスター・スタローン主演のアクション映画「エクスペンダブルズ2」にも登場していたりします。

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