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スバル STIの頂点。歴代Sシリーズコンプリートカーを振り返る「22B〜S208」

  • 2019/02/03
  • ニューモデル速報
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先日デトロイトショーで、Sシリーズ初の米国仕様向けモデルとしてS209が発表された。そこで、これまでSTIが手掛けるコンプリートカーの最高峰として数々のモデルが発売されてきた、代々のSシリーズを振り返ってみたい。

 スバルのモータースポーツ統括会社であるSTI。WRCを始め、近年のニュルブルクリンク24時間レースなど、スバルのモータースポーツの栄光を築き上げた立役者だ。そのSTIではtSなどいくつかのコンプリートカーシリーズを世に送り出しているが、エンジン、足まわりはもとよりエアロパーツまでを手掛け、コンプリートカーのシリーズの頂点に位置するのが、Sシリーズなのだ。その元となったのは、1998年に登場したインプレッサ22B STI version。WRCで3連覇を達成したインプレッサワールドラリーカー97をイメージし、前後フェンダーを大きく張り出させたワイドボディが特徴。エンジンもボアアップで2.2lまでアップされ、WRカーのロードモデルに相応しい内容として、400台限定。500万円で発売されたのだった。

22B STI version。ワイドボディの迫力はまさにWRカーそのものだった。

2000年 S201:記念すべきSシリーズのファーストモデル

 GC8インプレッサをベースに、オンロードスポーツを追求したチューニングカーだ。エンジンは300ps/36.0kgmまでパワーアップされ、専用ラジエターも装備。クイックレシオのパワステに車高調サス、フルピロリンクを装着した上に、さらにエアロバンパーに大型ウイングと、まさにメーカーが手掛けたチューニングカーという内容だった。

ここからSシリーズの歴史が始まった。今見るとエアロパーツのハデさに時代を感じる面も。限定300台。390万円。

2002年 S401:レガシィをベースにしたSシリーズ

 2002年に登場したのは、レガシィベースの40シリーズ。BE型ベースで、エンジンは293ps/35.0kgmにアップすると共に手作業でのバランス取りまで行なっている。そしてベース車の5速MTに対して6速MTを搭載。ステアリングギヤレシオのクイック化やピロリンク、専用スタビやマウント類の剛性アップも図られ、Sシリーズにふさわしい仕上がりとなっていた。

初のレガシィベースSシリーズとなったS401。マッキントッシュオーディオシステムを搭載しているあたりにレガシィという車格に対する配慮が伺える。限定400台。435万円。

2002年 S202:丸目のGDBベース。リヤウイングは2段調整のリアルカーボン製。

 インプレッサのフルモデルチェンジにより、GDベースとなったS20シリーズ。エンジンは専用ECUにより、320ps/39.2kgmにまでパワーアップ。加えて純正比で5.4kg軽量化された新開発のチタンマフラーも採用した。足まわりではピロブッシュのリヤラテラルリンク&トレーリングリンクを組みこんだ。まら、鍛造アルミホイールとアルマイト処理を施してスリット入りローターを装着してバネ下重量の軽量化が図られていた。

独立タイプのリヤウイングがメーカー純正として登場するのは珍しかった。限定400台。360万円。

2004年 S203:欧州スポーツと競合できる性能を目指した。

 アプライドモデルの進化により涙目ベースに。S203はグローバルピュアスポーツセダンをコンセプトワードとして、欧州上級スポーツ車と競合できる車格、性能を目指して開発された。エンジンはビッグタービンの装着と給費空き系の効率化を実施。更にバランス取りも行って、320ps/43.0kgmをマーク。ピロブッシュの多用に加えてスタビ径も増している。S203の開発にはかのペター・ソルベルグも加わっていた。

大人の感性を満たす高い質感・プレミアム感を実現した。限定555台。460万9500円。

2005年 S204:イギリスでの走行テストを繰り返して開発。

 GDB最終となる鷹目ベースのS204。S203のコンセプトを継承し、走りと内外装を更に進歩させた。エンジンはピストン、コンロッド重量をひとつひとつ手作業で計測して選別。クランクも手作業で研磨して重量バランスを取り、320ps/44.0kgmを発揮した。シャシー面ではパフォーマンスダンパーを新たに採用した。シートにはフレームから表皮の細部に至るまでこだわった専用のレカロ製を採用している。

専用のチタンマフラーは110φという大径サイズ。限定600台。480万9000円。

2008年 S402:Sシリーズ唯一のワゴンモデルも設定。

 レガシィベースのSシリーズ2台目となるS402は、セダンボディに加えてワゴンボディも設定された。エンジンは海外仕様の2.5Lをベースに、専用ツインスクロールターボ・専用ECU・専用排気システムで285ps/40.0kgmを発揮。STIチューンのビルシュタインサスキットにピロリンク、フレキシブルタワーバー&ロアアームバーなどによってドライバーの意思に素早く反応するハンドリングをつくりあげた。

フロントフェンダーは左右2cmワイド化され、前後スポイラーも専用品だった。限定402台。セダン535万5000円、ワゴン549万1500円。

2010年 R205:唯一「R」を冠するコンプリートカー

 S204以来5年ぶりの登場となるインプレッサベースのコンプリートカーは、ベース車がセダンでなくハッチバックモデルとなったためか、「S」ではなく「R」が付けられた。しかしナンバリングはS204の流れを継ぐものであり、やはりSシリーズと同等の扱いがふさわしいだろう。Roadの「R」が付けられたように、ニュル24時間でのノウハウをフィードバックし、公道の走りにこだわって最良のロードゴーイングを目指して開発。STIのしなやかで強靱な走りを更に進化させるため、STI製サスキット、フレキシブルタワーバーに加え、新開発のフレキシブルロードスティフナーを採用。エンジンは専用タービンなどにより320ps/44,0kgmを発揮した。

専用フロントアンダースポイラー&リヤアンダースポイラーを装着。限定400台。473万5500円。

2011年 S206:セダンベースに戻り名称もSシリーズに

 インプレッサWRX STIにセダンモデルが追加されたことからSシリーズもセダンベースになった。この年ニュル24時間レースでクラス優勝を果たしたレースマシンの走りの思想を盛り込んだ究極のロードカーとして位置づけられた。このクラス優勝記念もスペシャルパッケージとしてS206 NBR CHALLENGE PACKAGEを100台限定で設定したところ、あっという間に予約が完了した。

S206 NBR CHALLENGE PACKAGEはカーボンルーフやドライカーボン製リヤウイングを装備した。限定300台。540万7500円。NBR CHALLENGE PACKAGEは593万2500円。

2015年 S207:VABベースに進化

 フルモデルチェンジによりWRXはSTIとS4の二本立てとなったが、インプレッサWRXの流れを組むWRX STIをベースに開発。愉しさで世界ナンバー1のクルマを目指した。エンジンは専用チューニングとすることで328ps/44.0kgmをマーク。11:1のクイックステアリングレシオやフレキシブルタワーバーに加え、国内メーカー初の可変減衰力サスペンションDampMaticⅡと、前後アクティブトルクベクタリングの効果で、強靱でしなやかな乗り味とシャー媼コーナリング実現する。S207でもNBR CHALLENGE PACKAGEを限定200台で設定。そのうち100台は専用のサンライズイエローを採用したNBR CHALLENGE PACKAGE YELLOW EDITIONとした。

ブレーキはブレンボのフロント6/リヤ4ポットキャリパーとドリルドローター。限定400台。599万4000円。NBR CHALLENGE PACKAGEは631万8000円。NBR CHALLENGE PACKAGE YELLOW EDITIONは637万2000円。

2017年 S208:人気のNBRモデルの台数は総数の半数超えに

 今のところ国内で販売されるSシリーズとしては最新となるS208。エンジンはさらにパワーアップして329ps/44.0kgmになった。外装では、ドライカーボントランクリップスポイラーが標準装備となり、独立タイプのリヤウイングは、カーボンルーフなどを備えるNBR CHALLENGE PACKAGEに設定される。このNBR CHALLENGE PACKAGEは限定350台で、総数450台のうちの大半を占めるようになった。また、NBR CHALLENGE PACKAGEにはカーボンリヤウイングの他。カーボントランクリップモデルも選べる。

NBR CHALLENGE PACKAGEにはクールグレー・カーキのボディ色も設定。価格は標準仕様626万4000円。NBR CHALLENGE PACKAGEのカーボントランクリップ仕様が689万400円。カーボンリヤウイング仕様が710万6400円。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

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