Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • モーターファンテック
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. ニューモデル速報
  3. インプレッション

やはりEVもクルマ屋さんがつくるべし! ジャガーI-PACEは圧巻の走り〈JAGUAR I-PACE インプレッション〉

ジャガーの100%ピュアEVスポーツ、I-PACE(アイペイス)がついに日本の路上を走り始めた。ジャガーがEV? ネコ足はどうなった? EVなんて誰がつくったって同じだろう……さまざまなクエスチョンマークが頭に浮かんでいる人が多いに違いない。だが結論からお伝えしよう。ジャガーは見事にやり遂げた。ジャガーは彼らなりのEV像を、このI-PACEで見事に具現化したのである。

REPORT&PHOTO●小泉建治(KOIZUMI Kenji)

EVらしさとジャガーらしさの両立

 よくぞここまでドライビングプレジャーに振ったものだ。

 試乗を終えた直後に抱いた率直な気持ちである。とにもかくにもこれまでのEVとはまったく違うし、これまでのジャガーとは少しも変わらない。ジャガーがつくったからこうなったのだし、ジャガーがEVをつくった意味をまざまざと見せつけられたのである。

 I-PACEはご存知のとおりEV専用モデルであり、内燃機関の搭載は考慮していない。そのおかげでデザインの自由度が飛躍的に高まった。エンジンや駆動系などのレイアウトに左右されないのだから当然だ。SUV風スタイルを与えられたのは、「顧客の嗜好」と「新しいスポーツカー像を描くブランドとしての戦略」を反映したものだろう。

 ジャガーと言えばロングノーズショートデッキのFRらしいプロポーションが特徴的だった。しかしエンジンをノーズに収める必要のないI-PACEは、一転してキャブフォワードなシルエットを見せる。ジャガーらしさとは正反対のアプローチとなったのはもちろん計算ずみで、キャブフォワードでEVらしさ───つまり新しさ───を表現しつつ、盛り上がったショルダーラインと天地に狭いグラスエリア、そしてショートノーズに見えないフロントまわりの造形によって、ひと目でジャガーとわかるスポーツカーらしいエクステリアを実現したのである。

 それでいてEVながら500mm(エアサスペンション装着車)もの渡河水深を確保しているのは驚きだ。

フロントグリルの上端にはボンネットに抜けるスリットが設けられている。清流効果を狙ったものだという。
ボンネット側から見ると、隙間が開いていることがよくわかる。まるでレーシングカーのようなエアロダイナミクスだ。

 走り出してみると、当たり前だがとても静かで、駐車場から出るタイミングを図っている際にも、通りを走っているトラックなどの音がやけにうるさく、そして古臭く感じてしまう。ちなみにこの日、筆者が13年間も愛用している古臭い大衆車で試乗会場に乗り付けたことは別の話だ。

 そしてEVの例に漏れず、アクセルペダルを踏み込んだ瞬間から凄まじいトルクが立ち上がる。そして、アクセルペダルを深く踏むと、やけに勇ましいモーター音が聞こえてくる。

 これは人工的につくりだされた音をスピーカーから着させる「アクティブ・サウンド・デザイン」なる演出である。

 筆者はこれまで、人工的なエキゾーストサウンドをスピーカーから聞かせるシステムには否定的だった。なんだか子供じみているし、違和感が強いものが多かった。

 しかし、電気モーター音であればそもそも最初から人工的であり、それを加工したところで違和感などまったくない。それどころか、まるで地鳴りのように腹の底に響く加工ずみモーター音に、快感すら覚えてしまう。不覚にも「これはおおいにアリ!」と膝を打ってしまった。もちろんこの機能は調整可能で、オフにすることもできる。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。 一覧へ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ 一覧へ