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新型ホンダ・フィット:e:HEVが1.3Lガソリン車との価格差を取り戻すには18万km以上走る必要がある!? 新型ホンダ・フィット ホーム(1.3Lガソリン車)試乗インプレ:e:HEVとの加速性能と静粛性の差は歴然。だが圧倒的なコストパフォーマンスの高さが光る

  • 2020/03/07
  • 遠藤正賢
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新型ホンダ・フィット ホーム

「用の美・スモール」を開発コンセプトとした新型四代目ホンダ・フィットに設定された5タイプのうち、そのコンセプトを最も色濃く体現したのが「ホーム」になるだろう。なかでも1.3Lガソリンエンジン+CVTのFF車は、コストパフォーマンスに優れた中核モデルに位置付けられる。

こちらも前回の「ネス」e:HEV車と同様、千葉県木更津市内の高速道路および一般道で、本誌の鈴木慎一初代編集長とともに試乗した。

なお、テスト車両には、メーカーオプションの16インチタイヤ&アルミホイール、ホンダコネクトforギャザズ+ナビ装着用スペシャルパッケージ、コンフォートビューパッケージが装着されていた。

REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢、鈴木慎一、本田技研工業

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 新型四代目ホンダ・フィットには、新たに「ベーシック」「ホーム」「ネス」「クロスター」「リュクス」の5タイプが設定される一方、パワートレーンは1.3Lガソリンエンジン+CVTと、1.5Lガソリンエンジン+新たに「e:HEV」を名乗る2モーターハイブリッドの2種類に絞られている。なお駆動方式は、全車ともFF(前輪駆動)とビスカスカップリング式4WDから選択可能だ。

 このうち「クロスター」のみ、他のモデルより一回り外径が大きい185/60R16 86Hタイヤ&専用アルミホイールを装着し、最低地上高はFF車で25mm高い160mm、4WD車で5mm高い155mmとされている。裏を返せば残りの4タイプは、パワートレーンや駆動方式、タイヤ・ホイールのサイズが共通であれば、ボディ・シャシーのセッティングは変わらない。

全長×全幅×全高:3995×1695×1515mm ホイールベース:2530mm

 そのため、前回試乗した「e:HEVネス」と、今回の「ホーム」(1.3Lガソリンエンジン+CVT)との違いは、パワートレーンとそれに伴う細かな装備、また車重110kgの差に集約される。なお、本来であれば「ホーム」には185/60R15 84Hタイヤ&スチールホイールが標準装備されるのだが、テスト車両には「e:HEVネス」と同じ185/55R16 83Vのヨコハマ・ブルーアースエースと16インチアルミホイールが装着されていたため、タイヤ&ホイールによる走りの違いを確認できなかったのが悔やまれる。

 ともあれ実車に対面すると、テスト車両はミッドナイトブルービーム・メタリック×シルバーの2トーンカラーになっていたため、新型フィット本来のシンプルさが少なからず損なわれていたのが引っ掛かった。やはり新型フィットは、モノトーンのボディカラーを選んだ方が、その要素の少なさと歴代共通のワンモーションフォルムが引き立つだろう。

「ホーム」ソフトグレー内装のフロントシート
「ホーム」ソフトグレー内装のリヤシート
「ホーム」ソフトグレー内装のインパネ

 一方、シートおよびソフトパッドの表皮にプライムスムース(合成皮革)とナチュラルテキスタイル(織物)を組み合わせた、ソフトグレーのインテリア(注:ブラック内装も設定あり)は、まず見た目がシンプルながらも上質で、かつ肌触りが良く滑りにくく、見て・触って・乗った時のいずれにおいても、心地良い満足感が常に得られる。むしろ他の4タイプは生地の肌触りが硬く滑りやすい傾向にあるため、これがベストにしてオンリーワンの選択肢と言えそうだ。

L13B型1.3Lガソリンエンジン
 さて、いよいよ運転席に座り、アクセルをゆっくり踏み込んでいくと…遅い。e:HEVもトルク感が薄く、モーターの最大トルクが253Nm/0-3000rpmもあるとは思えない感触だったのだが、「ホーム」1.3Lガソリン車のL13B型アトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジンが発生する最大トルクは118Nm/5000rpm。半分以下のトルクを遥かに高い回転域で生み出すエンジンの発進加速は推して知るべし、ということか。だから必然的に、上り坂や高速道路の合流・追い越しでは、アクセルペダルに明確な意思と踏力を込めて、頑張って加速することになる。

「ホンダセンシング」用単眼カメラの新旧比較図

 ただし、4000rpm付近を境に「ホンダミュージック」と呼ばれる甲高いエンジンサウンドに豹変し、加速やアクセルレスポンスも相応に鋭くなるのは、ホンダ車らしい美点と言えるだろう。そして、有効水平画角約100°の単眼カメラで構成される新たな「ホンダセンシング」は、渋滞追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)とLKAS(車線維持支援システム)の制御がより自然で高精度なものに進化しているため、積極的に活用すれば高速道路での疲労は大幅に軽減できるはずだ。

新型フィットの主なNVH対策
 そのほか、1.3Lガソリン車ではフロントインナーフェンダーがe:HEVの不織布製に対し樹脂製、エンジン・トランスミッションマウントは樹脂製に対し金属製と差別化されているのだが、とりわけフロントインナーフェンダーの違いは、前席に座ると無視できないレベルで体感できる。特に荒れた路面でロードノイズの音量がe:HEVより大きく、また音質も耳障りに感じられた。

 これは、前回試乗した「e:HEVネス」の静粛性が下手な高級車よりも優れているからこそ、その差がより一層大きく感じられた面も否めない。だが、「車格を考えれば静かな方」と、感動できるレベルのものでなくなったことは事実だ。

 今回は約50km・1時間弱の試乗だったものの、こうした差は、さらに長距離長時間乗り続けた際、確実により多くの疲労度を乗員にもたらすことだろう。

 しかしながらハンドリングは、「e:HEVネス」同様のしっとりしたテイストで、乗り心地も突き上げや車体の揺れをほぼ感じさせず、極めてしなやか。なお、e:HEVの16インチタイヤ装着車に標準装備されるVGR(可変ステアリングギヤレシオ)は、1.3Lガソリン車の「ホーム」には備わらないが、VGRのギヤレシオがクイックになる大舵角時もハンドリングの差は少なかった。

1.3Lガソリン車のラゲッジルーム。後席を格納すると約3cmの段差が生じる
 こうして走りの違いを見ると、比較的平坦な良路が多い町中で使うことが圧倒的に多いのであれば、1.3Lガソリン車を選んでも何ら問題はないように感じられる。だが、実用性と快適性を大きく左右する装備が、1.3Lガソリン車では数多く省略されており、これが1.3Lガソリン車を選ぶのを躊躇わせる悪辣な仕掛けとなっている。

 具体的には「ホーム」の場合、セキュリティアラームがメーカーオプションで、本革巻きセレクトレバーがディーラーオプション扱い。さらに充電用USBジャック(急速充電対応タイプ2個付)、本革巻きステアリングホイール、リアセンターアームレスト、シートバックスマートフォンポケット、ラゲッジルームランプ、フロントグリルクロームメッキモールディング、車速連動間欠/バリアブル間欠フロントワイパーが、オプションでも選択できない。

 このなかでもラゲッジルームランプが装着できないのは、荷室の広さと使い勝手を歴代共通の大きなセールスポイントとするフィットの自己否定に他ならない。駆動用バッテリーを荷室床下に搭載するe:HEVに対し荷室フロア高が低く、後席をダイブダウンさせた際にやや大きめの段差ができてしまうことに対し何の手当てもされていないことを含め、早急に改善されることを強く望む。

 一方、「ホーム」のe:HEVと1.3Lガソリン車のトータルコストを比較すると、まず車両本体価格の差は34万8000円。ただしエコカー減税がe:HEVは4万5000円、1.3Lガソリン車は5700円と異なるため、価格差は30万8700円に縮まる。

 アップダウンの激しい一般道と高速道路を主体とした今回の試乗コースで燃費を計測した結果、e:HEVが21.8km/L、1.3Lガソリン車は17.2km/Lだったが、これを元にレギュラーガソリン価格140円/Lの場合の1kmあたり走行単価を求めると、前者は約6.4円、後者は約8.1円で、その差は約1.7円。価格差をこの走行単価の差で割ると、18万km以上走行してようやくe:HEVは1.3Lガソリン車との価格差を取り戻せることになる。長距離の通勤用または営業車として使わない限り、これを実現するのは困難だ。

 では結局の所、どちらを選ぶべきなのか。やはり街乗り主体でコストパフォーマンスを重視するなら1.3Lガソリン車、長距離長時間の移動が多く所有する満足度を重視するならe:HEVが、ベストバイになるだろう。

【Specifications】
<ホンダ・フィット ホーム(FF・CVT)>
全長×全幅×全高:3995×1695×1515mm ホイールベース:2530mm 車両重量:1090kg エンジン形式:直列4気筒DOHC 排気量:1317cc ボア×ストローク:73.0×78.7mm 圧縮比:13.5 最高出力:72kW(98ps)/6000rpm 最大トルク:118Nm(12.0kgm)/5000rpm WLTC総合モード燃費:20.2km/L 車両価格:171万8200円

新型ホンダ・フィット ホーム

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