クルマのおもちゃウォッチング:アルファロメオ155 V6 TI /オペル・カリブラV6 DTM/AMG メルセデス・ベンツCクラスDTM レアかもしれないけどDTM / ITCシリーズファンなら揃えたい、こんなプラモデル!:DTM/ITCマシン
- 2020/04/09
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CAR STYLING編集部 松永 大演

2代目スープラのマーシャルカーのリリースをきっかけに、田宮のプラスチック・モデルのラインアップを見てみると、なぜか興奮してきた! そう、忘れていたあんなクルマ、こんなクルマがどんどん出ていたのだ。もう絶版モデルもあるが、どこかで売ってないかなぁ……。
アルファロメオ155、オペル・カリブラ、そしてメルセデス・ベンツCクラス…、このラインナップでピンときたら、かなりコアなレースフリークといえるかもしれない。
かのE30 BMW M3や、メルセデス・ベンツ190E 2.3 -16 / 2.5-16などをも生み出した「第1期」とも、「旧」ともいえるドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)に登場した最後のマシンが155、カリブラ、Cクラスなのだ。
この選手権は、当初はエボリューションモデルの名車を産んできたのだが、年を経るごとにメーカーの加熱した開発が頂点に達してきた。そしてレース専用のモディファイによる、過激なマシンが登場してきたのだ。
その第1期、終盤に戦っていたのがここで紹介する3メーカーのマシンだ。
レースの楽しみ方は、イコールコンディションマシンでドライバーの技量を競うところにある。というのは基本なのかもしれないが、その対極にあるメーカー同士の技術の戦いの極致が旧DTM末期のモデルに現れている。この改造範囲の広さは、こんなことまでしてしまっていいの? と思うほど過激なものだった。この過激さは高い人気を得て国際格式のITCにまで発展したが、そのハイコストの開発ゆえの出場辞退を招き、1996年に幕を閉じてしまった。
ここで掲載するプラモデルはその途中の仕様のものもあるが、そんな過激なマシンのワークスモデル最終型の特徴をちょっと思い出してみよう。
アルファロメオ 155 V6 TI

その分、エンジンは限りなく低く搭載され、低重心としたのが特徴。さらにフロントヘビーのデメリットを払拭するため、空力性能などによってリヤのトラクション確保を目指した。面白いのは、最終モデルではスポイラー下の左右リップのカバーの取り外しによって、グランドエフェクトの特性が調整可能とされていたという。
マルティニ・アルファコルセのドライバーは、ニコラ・ラリーニとアレッサンドロ・ナニーニ。また1996年の日本での最終戦にはボッシュJASアルファロメオから服部尚貴も参戦。
オペル・カリブラV6 DTM

ヨースト・レーシング・オペルのドライバーはマヌエル・ロイター、1996年の日本での最終戦では関谷正徳も参戦。
AMG メルセデス・ベンツ Cクラス DTM

さらに加減速や姿勢などの変化に併せて、フロントインテークにつけられたシャッターが開閉される制御も行なわれていた。これによって、エンジン冷却の最適化とともにドラッグの増減によって加減速の効率を高めた。このラジエターシャッターの技術は、現在の量産車にも用いられるようになっている。
整備性についても配慮されフロントカウルが一括して取り外せるようになり、さらにエンジンとフロントサスペンションがモジュール化され、簡単に取り外すことができるようになっていた。プラモデルは1994年仕様とされている。
D2メルセデスAMGのドライバーはベルント・シュナイダー、ダリオ・フランキッティ。また1996年の日本での最終戦にはUPSメルセデスAMGで鈴木亜久里も参戦。
これだけのハイテクに満ちた旧DTMは、1996年にITCとして開催された日本での最終戦で幕をおろすことになった。以降、2000年にDTMが開催されているが、旧DTMがDeutsche Tourenwagen Meisterschaftであったのに対して、新DTMは、Deutsche Tourenwagen Mastersとして開催されている。
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