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隠れた絶品MT車!マツダCX-30をMTで乗るという選択「MTを乗り継ぐ筆者が惚れ込むほどの出来栄え」

  • 2020/06/29
  • 大音安弘
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マツダの新世代商品群の第2弾のクロスオーバーモデル「CX-30」。クルマの出来も素晴らしいが、MTのフィールも絶品なのだ。車両本体価格:297万円 (試乗車はオプション込305万6880円/ともに税込価格)

日本にもちょうどいいクロスオーバー「CX-30」は、登場後のマツダ車販売でも好調など、まさに期待の新人だ。しかし、そのMTに注目する人は少ないはず。実は、MTばかりを乗り継ぐ筆者が、惚れ込むほどの出来栄えなのだ。ぜひ熱心なMT派におススメすべく、レポートをしたためてみた。

日本にジャストなクロスオーバー

試乗車は、CX-30 20S プロアクティブ ツーリングセレクション。6速MTの4WD車であった。

 CX-30は、スタイリッシュさを売りにした街乗りクロスオーバーだ。ボディサイズは、全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mmと、日本でも適当なサイズ。何よりも全高が1540mmに抑えられているから、都市部の駐車場に多い、1550mm制限の普通車ブースでOKなのがメリットだ。

 ルーフの低さが協調されたスタイリッシュなスタイルだが、運転席に乗り込んでみると、室内空間のタイトさはなく、わりとゆったりで快適そのもの。ダッシュボードまわりも新生代マツダの質感を意識したものだが、派手な装飾がないのも好印象。これなら、遊びからフォーマルまで活躍シーンを選ばない。

 もちろん、後席の使い勝手も良い。ルーフ後端を絞っているが、そのポイントは頭部エリアより後ろにあるので、ヘッドクリアランスにも問題がないからだ。

ヘッドクリアランスもしっかりと確保された後席
クーペライクだが、圧迫感の少ないデザインのフロントエリア

 もちろん、SUVやファミリーカーで重視されるトランクスペースも、標準で430ℓを確保しているので、充分といえるだろう。

標準時で430ℓを確保。トノカバーを外しても、テールゲートが傾斜しているため、さほど広さは変わらないが、必要充分なスペースだ

スムーズな運転を可能とした6速MT

 さて、話をメインのMTに戻そう。マツダは、ラインアップこそ減ったものの、未だほとんどのモデルにMTを設定する珍しいメーカーだ。完全未設定なのは、CX-8のみ。それ以外のクルマは、ボディ形状やエンジンに拘らければ6速MT搭載車を選ぶことができる。

 クロスオーバーのCX-30では、ガソリン車かスカイアクティブXに用意。意外にも他モデルでは、MT設定が多いクリーンディーゼルは非設定となる。

 現行世代を中心にいろいろなマツダ車のMTに乗ったが、秀逸なのはロードスター用のFRトランスミッションのみ。FF用の従来タイプは、軽い操作で変速が可能なショートストロークタイプで、操作は楽であったが、シフトフィールはイマイチ。正直に言えば、あえてMTを選ぶ必要がないかなとも感じていた。

 ところが、CX-30のMTの第一印象は、今までのネガティブな思いをすべて吹き飛ばす、乾坤一擲の出来の良さ。まさに青天の霹靂であった。シフトは従来同様のショートストロークタイプで、軽やかな操作だが、カチッとした操作フィールとなり、ミッションとの一体感が強められた。クラッチの重さも、適当でコントロールしやすい。それぞれが良い仕事をすることで、気持ちよくシフトが決まり、滑らかなフィールのマツダエンジンと相まって、滑るように駆ける。

 驚くべきは、変速時にギクシャクした動きをまったく見せないこと。試乗中に、人を乗せる機会があったのだが、同乗者は、当初MT車だとは全く気が付かなかったほど。まさにマシンと一体となれる操作フィールなのだ。これを味わったら、MT派は、もうAT車のことなど、アウト・オブ・眼中、間違いなしの病みつきさ。しかも、スポーツMTに採用されるレブコントロールがついているわけない。だから、シフトチェンジ時にわざとらしいエンジン制御もなく、エンジンの素性の良さも味わえる。

欧州車顔負けの上品なインテリア。長く愛用するにも適したデザインだ。
6速MT自体は、従来型同様というが、細やかな改良が施されている

 トランスミッション本体は、従来型と同じというが、秘密がないわけではない。マツダによれば、以下のような改良が施されているという。

〇メカニズム
・トランスミッションとシフトレバーを結ぶシフトケーブルをストレート化などによる抵抗の削減
・操作系の剛性の最適化や節度感の向上
・同期機構(シンクロ周り)の最適化による、変速時の引っかかりの改善

〇制御系
・SKYACTIV-X(M Hybrid)搭載車……マイルドハイブリッド「M Hybrid」のアシストにより、変速時のスムーズな車両加速度のつながりを追求
・通常のSKYACTIV-G 1.5/ 2.0搭載車……変速時の回転戻りを見直し、変速しやすい回転のつながり改善を実施

 つまり、真面目な作り込みにより絶品MTは生み出されているのである。正直、CX-30は、MT派の購入検討リストにはエントリーしにくいモデルだろう。しかし、MTばかりを乗り継いできた私が、乗りやすさでいえば、ピカイチだと思うほど。確かに、スポーツ走行をガンガン楽しむMT車ではない。ただクルマとの対話感がたっぷりと味わえる。そんなMTなのだ。もし家族でMTに不慣れな人がいても、このクルマなら、楽しめるのではないだろうか。そんな可能性すら感じさせる。

「マニュアルは、めんどくさい」「MTってスポーツカーだけのものでしょ」そんなステレオ的な意見を吹き飛ばし、クルマを操る楽しさを再認識してくれる。それがCX-30のMTなのだ。ぜひ皆さんもご賞味あれ。

マツダCX-30 20S PROACTIVE Touring Selection(4WD/6MT)車両本体価格:297万円 (試乗車はオプション込305万6880円/ともに税込価格)

マツダCX-30 20S PROACTIVE Touring Selection(4WD/6MT)

全長×全幅×全高:4395mm×1795mm×1540mm
ホイールベース:2655mm
車重:1440kg

サスペンション:
F|マクファーソンストラット式
R|トーションビーム式

タイヤ&ホイール:215/55R18/18×7Jインチアルミホイール

駆動方式:4WD
エンジン形式:水冷直列4気筒DOHC16バルブ
型式:PE-VPS型(SKYACTIV-G 2.0)

最小回転半径:5.3m

排気量:1997cc
ボア×ストローク:83.5×91.2mm
圧縮比:13.0
最高出力:156ps(115kW)/6000rpm
最大トルク:199Nm/4000rpm

燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
燃料:レギュラー
燃料タンク:48ℓ
燃費:
WLTCモード燃費 15.6km/ℓ
市街地モード 12.5km/ℓ
郊外モード 15.9km/ℓ
高速道路モード 17.2km/ℓ
トランスミッション:6速MT

車両本体価格:297万円
※試乗車はオプション込み305万6880円

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